紀元前500,000年頃、人類が火を使い始める。獣は炎を見れば逃げる。其の対象を、逃げずに手元へ留め、絶やさぬ様に薪をくべ、望む場所へ運ぶという振る舞いは、地上の生き物の中で人だけが選び取ったものである。火が齎したものは暖と灯りと猛獣除けに留まらない。加熱された肉や根菜は繊維が解れて噛み砕き易くなり、同じ量の食物からより多くの養分を引き出せる様になった。消化に費やす負担が軽くなった分は、体の他の働き――とりわけ多くの養分を必要とする脳を養う事に回される。そして日が沈んだ後も炎の周りに人が留まる様になり、夜は眠るだけの時間から、語らい、教え、伝える時間へと変わった。焼く事、煮る事、金属を鍛え溶かす事といった後世の技術は、悉く此の一歩に淵源を持つ。土を焼き固めて器を作る紀元前14,500年の土器も、金や銀や銅を鍛造する紀元前4,000年の技も、火無くしては成り立たない。此の年代は、紀元前600,000年のホモ・ハイデルベルゲンシスの誕生に続くものであり、紀元前400,000年のテラ・アマタ遺跡の世界最古の小屋へと続く。

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≈は「頃」を意味しています。

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年月日 出来事
500,000 人類が火を使い始める。
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