西暦1683年は、江戸幕府が奢侈禁止令を発し、庶民や武家の華美な装いを抑制しようとした年である。禁じられたのは、惣鹿の子(鹿の子絞り)、縫箔(刺繍)、金紗(金糸)という、何れも手間と費用の掛かる高級な着物の染織技法であった。加えて、小袖の値段は金4両(銀200匁)迄と定められ、贅沢な衣服の流通が価格の面からも規制された。幕府の衣服統制は西暦1628年に素材を、西暦1643年に色を、西暦1663年に値段を身分毎に定めてきたが、此処では技法そのものが禁じられた事になる。西暦1666年に菱川師宣の雛形本と絵筆屋勘右衛門の染色技術書が刊行され、意匠と技法が版本を通じて広く行き渡ったのが十七年前であり、拡がった技術の側へ規制が追い付いた形である。斯うした奢侈の抑制は、第5代将軍徳川綱吉の治世に於ける幕政の一環であり、身分に応じた質素倹約を旨とする江戸幕府の衣服統制の姿勢を示すものであった。

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年月日 出来事
1,683 江戸幕府が奢侈禁止令を発し、惣鹿の子(鹿の子絞り)、縫箔(刺繍)、金紗(金糸)の3つの着物の染織技法を禁じる。また、小袖の値段を金4両(銀200匁)迄とした。
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