紀元前11,000年頃、土偶が作られ始める。粘土を捏ねて人の形を象り、火で焼き固めるという行為は、水や食物を容れる器を作るのとは性質を異にする。土偶は何かを納める為の道具ではなく、目に見えない事柄を目に見える形に置き換える為の造形である。実りへの願い、産む事への祈り、病や災いを退ける望みといった観念を、人が物へ託し始めていた事を示す。同じ粘土と火を用いながら、器が暮らしを支える道具の系譜に属するのに対し、土偶は信仰と表現の系譜の出発点に立つ。此の年代は、紀元前13,500年の現生人類ホモ・サピエンス・サピエンスの北米到来に続くものであり、紀元前10,000年のギョベクリ・テペ遺跡の甕醸造、紀元前9,000年のイエリコの農耕とパプアニューギニア中央高地の栽培、紀元前8,000年の縄目の模様の付いた多縄文土器の使用開始へと続く。

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≈は「頃」を意味しています。

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年月日 出来事
11,000 土偶が作られ始める。
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