第5代ユダ王国国王
ヨラム一元化
兄弟6名を剣に掛け、書簡の一語一語の通りに斃れ──
第5代ユダ王国国王ヨラムの生涯を一元化。
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本書について
紀元前859年頃、第4代ユダ王国国王ヨシャファトは、平和の維持を意図して、自らの息子ヨラムに、イスラエル王国国王アハブの娘アタルヤを娶らせた。両王国の間に波風を立てぬ為の政略としての婚姻である。本書は、此の縁組を起点として、紀元前842年頃、内臓が身体の外にはみ出るという最期を迎える迄のヨラムの生涯を、年月日単位で一元化した記録である。
紀元前848年頃、ヨシャファトが崩御し、7人兄弟の長男であったヨラム(ユダ王国国王)が第5代ユダ王国国王に即位する。ヨシャファトは生前、子供達にユダの町・砦や財産を豊富に分配しており、自らは先祖と共にダビデの町(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県オフェルの南側)に葬られた。だが即位したヨラム(ユダ王国国王)は、アタルヤに唆され、其の相続された財産を奪う為に6名の兄弟を剣で殺害する。アザルヤ・エヒエル・ゼカリヤ・アザルヤ・ミカエル・シェファテヤ——同名のアザルヤが2名居る。更に、敵対する首長数名も手に掛けた。
同じ年、ヨラム(ユダ王国国王)はアタルヤの両親であるアハブとイゼベルの信仰に倣い、偶像礼拝を復帰させた。ヨシャファトが撤去させていた偶像崇拝の祭壇は復興され、王自身も偶像を拝む。更にアタルヤの影響の下、官能主義に根ざし、神殿での儀式的な売春行為を含むバアル礼拝が、王国内へ持ち込まれた。ヤハウェに背く道が、王妃を通じて開かれたのである。
同じ年、ヨラム(ユダ王国国王)は、エドム人の領地であるツァイル(現在のイスラエル南部地区)付近でエドム人に包囲された。王は高官達を引き連れ、全ての戦車を率いて、包囲していたエドム人や戦車隊長達を討つ。だが生き残ったエドム人は天幕へ逃げ帰ると、自分達で王を選出して独立し、ユダ王国の支配から脱却した。戦闘に勝ちながら属国を失う——此れによりユダ王国は弱体化した。
紀元前847年頃、ヨラム(ユダ王国国王)は王国内の山々に偶像崇拝の為の祭壇を設け、エルサレムを始めとする国民に淫行を行わせた。そして王は、エリヤから一通の書簡を受け取る。父祖のダビデの神であるヤハウェは斯う言われる——貴方はヨシャファトの道にも、アサの道にも歩まず、イスラエル王国国王の道に歩み、アハブの家が淫行を行わせた様に、ユダ王国とエルサレムの住民に淫行を行わせ、更には自らの兄弟達を殺害した。見よ、ヤハウェは大きな災害を以て、貴方の民、貴方の子達・貴方の妻達、そして貴方の全財産を打つ。貴方自身は悪性の内臓の病気を患い、遂には其の病の為に、日に日に内臓が外に出て来る様になる——と。
予告は、書かれた順序の通りに現れた。同じ紀元前847年頃、ユダ王国はペリシテ人とアラビア人の侵攻を受ける。王宮の財産は悉く奪われ、王妃はアタルヤを除いて殺害され、王子も末子アハズヤを除いて全て殺害された。紀元前844年頃、ヨラム(ユダ王国国王)は不治の内臓の病に侵され、アハズヤが政務を担う事となる。そして紀元前842年頃、ヨラム(ユダ王国国王)は崩御した。内臓が身体の外にはみ出ての最期であった。国民から全く惜しまれる事は無く、過去の国王とは異なってお香も焚かれず、王墓に葬られる事も無かった。跡を継いだアハズヤは第6代ユダ王国国王に即位するが、其のアハズヤもまた母アタルヤの影響を受け、父と同じくバアル礼拝を採用する。書簡の一語一語が現実になる迄——本書は其の全過程を一冊に束ねている。
登場人物
- ヨラム(ユダ王国国王) 本書の中心人物。第5代ユダ王国国王。ヨシャファトの息子で7人兄弟の長男。政略でアタルヤを娶り、其の唆しによって相続財産を奪う為に6名の兄弟と敵対する首長数名を殺害した。アハブとイゼベルの信仰に倣って偶像礼拝を復帰させ、バアル礼拝を王国内へ持ち込む。エドム人の独立を招き、エリヤの書簡で裁きを告げられ、紀元前842年頃、内臓が身体の外にはみ出るという最期を遂げた。
- アタルヤ アハブとイゼベルの娘。ヨラム(ユダ王国国王)の妻。夫を唆して6名の兄弟の殺害へ導き、バアル礼拝を王国内へ持ち込ませた。ペリシテ人・アラビア人の侵攻では、唯1人殺害を免れた王妃であり、後には息子アハズヤにもバアル礼拝を採らせている。
- ヨシャファト 第4代ユダ王国国王。ヨラム(ユダ王国国王)の父。平和維持を意図して息子とアタルヤの婚姻を取り決めた。生前、子供達にユダの町・砦や財産を豊富に分配し、偶像崇拝の祭壇も撤去させていたが、其の全ては息子の代で覆された。ダビデの町に先祖と共に葬られた。
- アハブ イスラエル王国国王。アタルヤの父。ヨラム(ユダ王国国王)が其の信仰に倣った事で、ユダ王国に偶像礼拝が復帰する原因となった。エリヤの書簡でも、アハブの家が淫行を行わせた事が引き合いに出されている。
- イゼベル アハブの妻。アタルヤの母。ヨラム(ユダ王国国王)は其の信仰にも倣い、バアル礼拝を王国内へ持ち込んだ。
- エリヤ 預言者。ヨラム(ユダ王国国王)へ、ヤハウェの裁きを記した書簡を送った。民・子達・妻達・全財産が打たれる事、そして王自身が悪性の内臓の病を患い、日に日に内臓が外に出て来る様になる事が、其処に予告されていた。
- アハズヤ 第6代ユダ王国国王。ヨラム(ユダ王国国王)とアタルヤの末子。ペリシテ人・アラビア人の侵攻で兄弟が悉く殺害される中、唯1人生き残った。紀元前844年頃から政務を担い、父の崩御を受けて即位すると、母の影響で父と同じくバアル礼拝を採用した。
- アザルヤ ヨシャファトの息子。ヨラム(ユダ王国国王)の兄弟。相続財産を奪う為に剣で殺害された。同名の兄弟が2名存在した。
- エヒエル ヨシャファトの息子。ヨラム(ユダ王国国王)の兄弟。相続財産を奪う為に剣で殺害された。
- ゼカリヤ ヨシャファトの息子。ヨラム(ユダ王国国王)の兄弟。相続財産を奪う為に剣で殺害された。
- ミカエル ヨシャファトの息子。ヨラム(ユダ王国国王)の兄弟。相続財産を奪う為に剣で殺害された。
- シェファテヤ ヨシャファトの息子。ヨラム(ユダ王国国王)の兄弟。相続財産を奪う為に剣で殺害された。
- アサ 嘗てのユダ王国国王。エリヤの書簡では、ヨラム(ユダ王国国王)がヨシャファトの道にもアサの道にも歩まなかった事が、裁きの理由として挙げられた。
- ダビデ ヨラム(ユダ王国国王)の父祖。エリヤの書簡は、父祖のダビデの神であるヤハウェの言葉として告げられた。
主要な地名・拠点
- エルサレム ユダ王国の首都。ヨラム(ユダ王国国王)が国民に淫行を行わせた地であり、エリヤの書簡でも、其の住民に淫行を行わせた事が裁きの理由として挙げられた。
- ダビデの町 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県オフェルの南側。ヨシャファトが先祖と共に葬られた地。
- ユダの町・砦 ヨシャファトが生前、子供達に財産と共に豊富に分配していたもの。此の相続財産を奪う事が、ヨラム(ユダ王国国王)による兄弟殺害の動機となった。
- ツァイル 現在のイスラエル南部地区。エドム人の領地であり、其の付近でヨラム(ユダ王国国王)がエドム人に包囲された。
- エドム人の領地 ヨラム(ユダ王国国王)が包囲を破って戦車隊長達を討った地。しかし生き残ったエドム人は自分達で王を選出して独立し、ユダ王国の支配から脱却した。
- 王国内の山々 紀元前847年頃、ヨラム(ユダ王国国王)が偶像崇拝の為の祭壇を設けた場所。
婚姻・兄弟殺害・偶像礼拝・独立・書簡・病死──
ヨラムの生涯の全記録を一冊に。
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