紀元前1000〜1年は、ダビデがエルサレムを攻略しヘブライ王国を遷都、ソロモン王が知恵と莫大な富で治世を敷いた時代である。シバの女王マケダがソロモンの宮殿を訪れ、ヘブライ王国はソロモンの死後に南北に分裂した。ローマ共和政が台頭し地中海世界を支配、紀元前4年頃にイエス・キリストが生誕した。

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ヘブライ王国に関する電子書籍 ユダヤ国家の原点。
年月日 出来事
928 ソロモンが、ダビデの町の破れ口を塞ぐ為に、ミロ(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県)に砦を築かせる。其の際ソロモンは、ヤロブアム1世の働きぶりを見て、ヨセフ族の労役全体の監督に任命した。
928 ヤロブアム1世がエルサレムを出た所、真新しい外套を着ていた預言者アヒヤと出会う。アヒヤは其の外套を手に取り、12切れに引き裂いて「10切れを取るが良い。イスラエルの神、ヤハウェは斯う言われる。『私はソロモンの手からヘブライ王国を取り上げ、10部族を貴方に与える。唯1部族だけは、我が僕ダビデの故に、又私が全部族の中から選んだ都エルサレムの故にソロモンのものとする。私が斯うするのは、ソロモンが私を捨て、シドン人の女神アシュトレト・モアブ人の神ケモシュ・アモン人の神モレクを伏し拝み、私の道を歩まず、私の目に適う正しい事を行わず、ダビデの様には掟と法を守らなかったからである。しかし私は、ソロモンの手からヘブライ王国の全てを奪いはしない。私の戒めと掟を守った、私の選んだ僕であるダビデ故に、ソロモンを其の生涯に渡って君主とする。私は、レハブアムの手から王権を取り上げ、其れを10部族と共に貴方に与える。レハブアムには1部族を与え、私の名を置く為に私が選んだ都であるエルサレムで、我が僕ダビデの灯が私の前に絶えず燃え続ける様にする。だが、私は貴方を選ぶ。自分の望み通りに支配し、イスラエル王国の王となれ。貴方が私の戒めに悉く聞き従い、私の道を歩み、私の目に適う正しい事を行い、我が僕ダビデと同じ様に掟と戒めを守るなら、私は貴方と共に居り、ダビデの為に家を建てた様に、貴方の為にも堅固な家を建て、イスラエル王国を貴方のものとする。斯うして私はダビデの子孫を苦しめる。しかし、いつ迄もという訳では無い』と」と預言した。ヤロブアム1世は、ヤハウェの神殿やソロモンの王宮の建設の為にヘブライ王国民が駆り出され、重税を課せられている現状に強い憤りを覚え、ソロモンに対し反旗を翻した。ソロモンはヤロブアム1世を殺害しようとしたが、ヤロブアム1世は、初代エジプト第22王朝ファラオのシェションク1世の下に逃亡し、ソロモンが崩御する迄其処に留まった。
928 ソロモンが崩御する。此れにより、ソロモンとアモン人ナアマの息子であるレハブアムが、シェケムにて第5代ヘブライ王国国王に即位した。ソロモンの治世下で、ソロモンの属していたユダ族を除く部族が、ヤハウェの神殿やソロモンの王宮の建設に駆り出され、更には重税も課せられ、人心が離れていた。北部の人々がレハブアムに謁見し「ソロモンは私達に過酷な軌を負わせました。今、ソロモンが私達に課した過酷な労働、重い軌を軽くして下さい。そうすれば私達は貴方にお仕え致します」という主旨のお願いをした。レハブアムは「3日後にまた来る様に」と返答し、ソロモンに仕えていた長老達に「軌を軽くする様訴える民にどう答えたら良いと思うか」と問うと、長老達は「もし貴方が今日此の民の僕となり、彼らに仕えてその求めに応じ、優しい言葉を掛けるなら彼らは何時迄も貴方に仕える筈です」という主旨の返答をした。更にレハブアムは、自身に仕えている若者達に長老達と同じ問いを投げ掛けた。若者達は「『私の小指はソロモンの腰より太い。ソロモンがお前達に重い軌を負わせたのだから、私は更に其れを重くする。ソロモンがお前達を鞭で懲らしめたのだから、私は蠍で懲らしめる』と言えば良い」と返答した。
928 3日前にレハブアムに軌を軽くする様訴えた北部の人々が、再度レハブアムに謁見する。レハブアムは、自身に仕える若者達の意見を採用し、其の通りの発言を行った。此れを受けて北部の人々は、レハブアムによる支配を拒否し、レハブアムが事態収拾の為に遣わせた役務長官アドニラムを石撃ちで殺害した。レハブアムは身の危険を感じ、戦車に乗り込み這々の体でエルサレムに逃亡した。そして北部の人々は「イスラエル王国」を建国し、首都をシェケムに置いた。そして、ヤロブアム1世を初代イスラエル王国国王に擁立した。此れによりヘブライ王国が分裂し、北部がイスラエル王国、南部が「ユダ王国」となり、レハブアムが初代ユダ王国国王に即位した。首都はヘブライ王国の首都エルサレムを引き継いだ。レハブアムは、ユダ族とベニヤミン族から成る180,000名の兵を招集し、イスラエル王国を征伐しようとしたが、預言者シェマヤがレハブアムに「ヤハウェは、上って行くな。貴方達の兄弟イスラエルの人々に戦いを挑むな。各々自分の家に帰れ。斯うなる様に計らったのは私だ、と言っておられる」と伝えると、レハブアムは作戦を中止した。
928 ヤロブアム1世が、ベテル(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県)にて金の子牛を造る。ヤロブアム1世は「今の儘なら、此の王国はダビデの家に帰るだろう。此の民が、エルサレムに在るヤハウェの宮で生贄を献げる為に上る事になっているなら、此の民の心は彼等の主君であるレハブアムに再び帰り、彼等は私を殺して、レハブアムの下に帰るだろう」と考えていた。そして、其の金の子牛の為の祭壇を以下の2ヶ所に造った。
①ダン(現在のイスラエル北部地区テル・エル・カディ)
②テル・ベイティン(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県)
ヤロブアム1世は、此の儘では人心が離れ、エルサレム神殿へ巡礼するのではないかという危機感が有った。ヤロブアム1世は「もうエルサレムに上る必要はない。イスラエルよ。此処に、貴方をエジプト第22王朝から連れ上った、貴方の神々が居られる」と語り、ユダ王国の祭りに倣い、仮庵の祭りの日を第7の月の15日から第8の月の15日に変更し、祭壇で捧げ物を捧げ、香を焚いた。更にヤロブアム1世は、幕屋で仕える事が出来る祭司はアロンの子孫から選ばれるという定めを無視し、レビ人では無い一般人を祭司に任命して、新宗教を作ってヤハウェに背いた。
928 1人の神の人が、ユダ王国からベテルにやって来る。丁度其の時、ヤロブアム1世は香を焚く為に祭壇の側に立っていた。神の人は祭壇に向かい「祭壇よ、祭壇よ。ヤハウェは斯う言われる。『見よ。1人の男の子がダビデの家に生まれる。其の名はヨシヤ。彼はお前の上で香を焚く偶像崇拝の祭壇の祭司達を生贄としてお前の上に捧げ、人の骨がお前の上で焼かれる』と」と預言した。更に神の人は「此れがヤハウェの告げられた印である。見よ。祭壇は裂け、其の上の灰は零れ出る」と言って1つの印を与えた。ヤロブアム1世は、祭壇から手を伸ばして「彼を捕らえよ」と言った。しかし、其の伸ばした手が動かせなくなり、戻す事が出来なくなった。すると、神の人が与えた印の通り、祭壇は裂け、灰が祭壇から零れ出た。ヤロブアム1世は神の人に「どうか貴方の神、ヤハウェにお願いをして、私の為に祈って下さい。そうすれば私の手は元に戻るでしょう」と言った。神の人はヤハウェに願い、ヤロブアム1世の手は元に戻った。そしてヤロブアム1世は「私と一緒に来て、食事をして元気を付けて下さい。貴方に贈り物をしたい」と神の人を誘った。神の人は「仮令貴方の家の半分を私に下さったとしても、貴方と一緒には参りません。此処ではパン・水は口にしません。ヤハウェからはパン・水を口にしてはならず、又、元来た道を通って帰ってはならないと命じられているからです」と告げ、行きとは違う道を通って帰って行った。
928 ベテルに住んでいた或る年寄りの預言者の息子達が、父である其の預言者の所へ来て、神の人がベテルで行った事を、ヤロブアム1世への預言も含めて話す。年寄りの預言者は、神の人がどの道を使って帰って行ったか尋ねた。更に「驢馬に鞍を置いてくれ」と頼んだ。息子達が驢馬に鞍を置くと、年寄りの預言者は驢馬に乗り、神の人の後を追って去って行った。そして、年寄りの預言者は神の人が樫の木の下に座っているのを見つけ「貴方はユダ王国からおいでになった神の人ですか」と尋ねた。神の人は「私です」と答えた。年寄りの預言者は神の人に「私と一緒に来てパンを食べて下さい」と誘った。すると神の人は「私は貴方と一緒に引き返す事は出来ません。又、其処では貴方と一緒にパンを食べず、水も飲みません。何故なら此れ等はヤハウェに命じられているからです」と答えた。年寄りの預言者は「私も貴方と同じく預言者です。御使いがヤハウェの言葉を受けて私に『神の人を貴方の家に連れ帰り、パンを食べさせて水を飲ませよ』と告げました」と偽の預言をして神の人を騙した。此れを聞いた神の人は翻意し、年寄りの預言者と共にベテルへ引き返し、年寄りの預言者の家でパンを食べ、水を飲んだ。そして年寄りの預言者は「ヤハウェは斯う言われる。『貴方は私の言葉に背き、私の命令を守らず、引き返して禁じた場所でパンや水を口にした。よって貴方の亡骸は、貴方の先祖の墓には入らない』と」と預言した。神の人が食事を終えると、年寄りの預言者は、神の人の為に驢馬に鞍を置いた。神の人が出発すると、獅子が道で神の人を殺した。死体は道に放り出され、獅子と驢馬は其の側に立っていた。通り掛かった人々はベテルへ行き、此の事を話した。年寄りの預言者は此れを聞いて「其れはヤハウェの言葉に背いた神の人だ。ヤハウェが彼に告げた言葉通りにヤハウェが彼を獅子に渡し、獅子が彼を裂いて殺したのだ。年寄りの預言者は息子達に「驢馬を鞍に置いてくれ」と言った。息子達が驢馬に鞍を置くと、年寄りの預言者は驢馬に乗り去って行った。年寄りの預言者が道に投げ出されている神の人の遺体と、其の遺体の側に立っている驢馬と獅子を見付けた。獅子は神の人の遺体を食べたり、驢馬を殺したりはしなかった。年寄りの預言者は、神の人の遺体を驢馬に乗せてベテルに持ち帰り「嗚呼、我が兄弟」と言って悲しみ、自身の墓に葬った。其の後年寄りの預言者は息子達に「私が死んだら、あの神の人を葬った墓に私を葬り、神の人の側に私の骨を埋めてくれ。神の人がヤハウェの命によって、ベテルの祭壇とサマリアの町々に在る全ての偶像崇拝の祭壇に向かって放った言葉は必ず成就するからだ」と言った。ヤロブアム1世は、此の様な事が有っても、ヤハウェの道に立ち返らず、偶像崇拝の祭壇の祭司に志願した民衆を望み通りに就けた。
928 ヤロブアム1世の息子アビヤが、致死性の高い病気を患う。ヤロブアム1世は妻に「ヤロブアム1世の妻と知られない様変装してシロに行ってくれ。其処にはアヒヤが居る。パン10個・菓子・蜜1瓶を持ってアヒヤから、アビヤに何が起こるかを教えて貰ってくれ」という主旨の命令を下した。ヤロブアム1世の妻がテルザを出発してアヒヤの下に辿り着いた時、アヒヤは、老齢で目が見えなくなっていたにも拘らず、足音でヤロブアム1世の妻が来た事を認識し、ヤロブアム1世の妻が一言も発しない内に「ヤロブアム1世の妻よ、入りなさい。何故其の様な変装をしたのか。私は、貴方に辛い事を告げる様命じられている。ヤロブアム1世は、此れ迄の誰よりも悪を行い、自分の為に他の神々や鋳物の像を造り、ヤハウェを怒らせ、ヤハウェを後ろに捨て去った。貴方は立って家に帰るが良い。貴方が町に足を踏み入れる時、アビヤは死ぬ。イスラエル王国民はアビヤを弔い、葬るだろう。ヤロブアム1世に属する者で墓に入るのは、アビヤのみであろう。ヤロブアム1世の家の中でヤハウェに幾らか良いとされるのはアビヤだけだからである」と預言した。アビヤは、ヤロブアム1世の妻が帰るのを待って死去した。
ユダ王国に関する電子書籍 ヤハウェの道を往く者、背く者。