紀元前853年は、アハブが預言の通りに斃れ、イスラエル王国とユダ王国の双方が新たな局面に入った年である。ヨシャファトが挨拶の為アハブの下を訪れると、アハブはアラム人に奪われたラモト・ギルアデを奪還する為の戦闘への参加を説得した。ヨシャファトは共に戦う事を約束しつつ、先ずヤハウェの言葉を求める様訴える。アハブが集めた400名の預言者の多くは都合の良い事しか言わない偽預言者であり、其れを見抜いたヨシャファトの問いに応じてアハブはイムラの息子ミカヤの名を挙げ、都合の悪い預言をするので憎んでいると述べた。サマリアの城門の入口に在る麦打ち場で正装して王座に着いた2名の前で、預言者達は勝利を預言する。ミカヤは使者の要請に従って同じ預言を語ったが、アハブは心底からの言葉でないと見抜いて怒り、ミカヤはイスラエル王国民が羊飼いの居ない羊の様に山々に散っているのを見たと告げた。ツィドキヤはミカヤの頬を殴り、アハブはミカヤを捕縛させて僅かな食べ物と飲み物しか与えるなと命じ、出撃を決意する。ミカヤは、無事に帰れるならヤハウェは私を通して語られなかった筈だと言い残した。イスラエル王国・ユダ王国連合軍が出陣する際、アハブは変装し、代わりにヨシャファトをイスラエル王国国王に変装させた。ベネハダデ2世は32名の戦車隊長に唯イスラエル王国国王を狙えと指示していた為ヨシャファトが真っ先に狙われたが、大声を上げて助けを求めた事で偽者と気付かれ一命を取り留める。一方アハブは甲冑で身を固めていたものの、敵兵の矢が草摺の隙間を射抜いて深手を負った。連合軍の士気は低下し、日没頃には各々自分の町へ帰れという声が漏れ始め、事態はミカヤの預言通りとなる。戦いの後、預言者イエフはエルサレムに帰還したヨシャファトに、悪人を助けヤハウェの憎むアハブと友になるとは何事かと叱責しつつ、偶像を取り除いた善行も知られていると告げた。ヨシャファトは二度とイスラエル王国へ出向かず、ベエルシェバからエフライム族の領地の山地まで巡ってヤハウェに立ち返る様国民に説いた。夕方、矢が致命傷となりアハブが崩御する。100,000匹の子羊と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物として納めていたモアブの王メシャは此れを切っ掛けに背き、貢ぐのを止めた。後任として長男アハズヤが第8代イスラエル王国国王に即位し、アハブの道・イゼベルの道を歩んでバアルに仕えた。其の後アハズヤはサマリアで屋上の部屋の欄干から転落して重体となり、エクロンの神ベルゼブブに伺いを立てる使者を遣わせる。ヤハウェの御使いに促されたエリヤは使者に会い、イスラエル王国に神が居ないとでも言うのか、貴方は上った寝台から降りる事は無いと告げさせた。毛衣と革帯という風体からエリヤと察したアハズヤは五十人隊長と部下50名を二度遣わせたが、いずれも天から降った火に焼き尽くされる。三度目の五十人隊長が跪いて命乞いをすると、御使いの言葉に従いエリヤは共に降りて行き、同じ預言をアハズヤ本人に告げた。同じ年、ヨシャファトはユダ王国内の司法制度改革に乗り出す。各地域でばらばらであった裁判の在り方をエルサレムを中心とする中央集権的なものに組織化して地方とエルサレムの二審制を採用し、国内の砦の町全てに裁判官を配置した。ヨシャファトは裁判官達に、人の為でなくヤハウェの為に裁くのだから注意深く裁きなさい、私達の神の下には不正も偏見も収賄も無いと心得を説く。更にエルサレムに上級裁判所を設置し、不敬罪の最高責任者兼ヤハウェに関する事柄の責任者として祭司長アマルヤを、民事訴訟の最高責任者兼ヨシャファトに関する事柄の責任者としてアブラハムの長男イシュマエルの子ゼバドヤを裁判長に任命し、書記はレビ族が担った。年代に「≈」が付されている通り、いずれも紀元前853年頃の事として位置付けられる。

以下の暦は全て西暦に変換しています。 日本の旧暦 / 中国の旧暦 / ユダヤ暦 / ヒジュラ暦 / ソビエト連邦暦 / フランス革命暦

≈は「頃」を意味しています。

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年月日 出来事
853 ヨシャファトが、挨拶の為アハブの下を訪れる。アハブは、アラム人に奪われたラモト・ギルアデ(現在のシリアのクネイトラ県付近)を奪還する為に戦闘に参加する様ヨシャファトを説得した。ヨシャファトは共に戦う事を約束するが、条件として「先ずヤハウェの言葉を求めて下さい」と訴えた。アハブは400名の預言者を集めたが、多くはアハブに都合の良い事しか言わない偽預言者であった。其れを見抜いたヨシャファトは「ヤハウェの預言者は居ないのですか?」と尋ねた。アハブは預言者イムラの息子で同じく預言者のミカヤの名を挙げた。アハブは「ミカヤは私に都合の悪い預言をするので憎んでいます」と言うと、ヨシャファトは「アハブよ、其の様な事を言ってはいけません」と諫めた。サマリア(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県)の城門の入口に在る麦打ち場」に正装で王座に着いていた以下2名の前で、預言者達は「ラモト・ギルアデで攻め上って勝利を得て下さい。ヤハウェは敵をアハブの手にお渡しになります」とアハブの勝利を預言した。
①アハブ
②ヨシャファト
ミカヤを呼びに行った使者は、ミカヤが他の預言者と違う預言を語るのを心配し、他の預言者と口裏を合わせ、アハブに幸運を告げる預言のみを語る様要請した。ミカヤはアハブの前で他の預言者と同じ預言を語ると、アハブは心底から発した言葉では無いと見抜き「何度誓わせたら、お前はヤハウェの名によって真実だけを私に告げる様になるのか」と怒った。するとミカヤは「イスラエル王国民が羊飼いの居ない羊の様に山々に散っているのを私は見ました。ヤハウェは「彼らには主人が居ない。彼らを其々自分の家に無事に帰らせよ」と言われました」と告げた。此れはアハブの死を暗示するものであった。アハブは「ミカヤは災いばかり預言する」と非難した。預言者の1人であるツィドキヤはミカヤの頬を殴り「ヤハウェの霊はどの様に私を離れ去って、お前に語ったというのか」と迫った。アハブは、此の遣り取りを見てミカヤを捕縛させ「ミカヤを獄に繋ぎ、私が無事に帰って来るまで、僅かな食べ物と飲み物しか与えるな」と言って出撃を決意した。ミカヤは「もし貴方が無事に帰って来る事が出来るなら、ヤハウェは私を通して語られなかった筈です」と言った。
853 イスラエル王国・ユダ王国連合軍がラモト・ギルアデ奪還の為出陣する。アハブは変装し、自身がイスラエル王国国王である事に気付かれない様にし、代わりにヨシャファトをイスラエル王国国王に変装させた。対するベネハダデ2世は、配下の戦車隊長32名に「兵士や将軍には目もくれず、唯イスラエル王国国王を狙って戦え」と指示を出していた為、変装していたヨシャファトが真っ先に狙われた。しかし、ヨシャファトは大声を上げて助けを求めた為、戦車隊長達は偽者であると気付き、ヨシャファトは一命を取り留めた。又アハブは、変装し甲冑で身を固めていたものの、敵兵の放った矢が草摺の隙間を射抜き、深手を負った。イスラエル王国・ユダ王国連合軍の士気は低下し、日没頃には「各々自分の町、自分の国へ帰れ」という声が陣営の中で漏れ始めた。斯うして、事態はミカヤの預言通りとなった。此の戦いの後預言者イエフは、エルサレムに帰還したヨシャファトに「悪人を助け、ヤハウェの憎むアハブと友になるとは何事ですか。しかし、此のエルサレムから偶像を取り除くという善行をした事もヤハウェはご存じです」と言った。其の後、ヨシャファトは二度とイスラエル王国へ出向く事は無かった。ヨシャファトは、ベエルシェバからエフライム族の領地の山地まで巡り、ヤハウェに立ち返る様国民に説いた。
853 夕方、アラム軍の矢が致命傷となり、アハブが崩御する。100,000匹の子羊と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物としてイスラエル王国に納めていたモアブの王メシャは、此れを切っ掛けにイスラエル王国に背き、子羊・雄羊を貢ぐのを止めた。アハブの後任として、アハブの長男アハズヤが、第8代イスラエル王国国王に即位した。アハズヤは、ヤハウェの目に悪とされる事を行い、アハブの道・イゼベルの道を歩んだ。そして、バアル宗教に走り、バアルに仕えて平伏し、ヤハウェの怒りを引き起こした。
853 アハズヤが、サマリアにて、屋上の部屋の欄干から転落して重体となる。アハズヤは「エクロン(現在のイスラエル中央地区・エルサレム地区・南部地区の境付近)の神ベルゼブブの所へ行き、此の病気が治るかどうか尋ねよ」と言って使者を遣わせた。一方、ヤハウェの御使いは、エリヤに「立って上って行って、アハズヤの使者に会って『貴方達はエクロンの神ベルゼブブに尋ねようとしているが、イスラエル王国には神が居ないとでも言うのか。其れ故ヤハウェは斯う言われる。"貴方は上った寝台から降りる事は無い。貴方は必ず死ぬ"と』と言え。斯うしてエリヤは出発した。軈て、アハズヤの使者達がアハズヤの下に帰って来た。アハズヤは「お前達は何故帰って来たのか」と尋ねた。使者達は「1人の人が私達に会いに上って来て、斯う言いました。『貴方達を遣わせたアハズヤの下に帰って告げよ。エクロンの神ベルゼブブに尋ねようとしているが、イスラエル王国には神が居ないとでも言うのか。其れ故ヤハウェは斯う言われる。"貴方は上った寝台から降りる事は無い。貴方は必ず死ぬ"』と」と訴えた。アハズヤは「お前達に会いに上って来て、其の様な事を告げたのはどんな男か」と尋ねると、使者達は「毛衣を着て、腰には革帯を締めていました」と答えた。アハズヤは「其れはエリヤだ」と言った。
853 アハズヤが、五十人隊長を、其の部下50名と共にエリヤの下に遣わせる。五十人隊長は山の頂に座っていたエリヤと対面する為に上って行き、エリヤに「神の人よ。アハズヤが『降りて来なさい』と命じて居られます」と言った。エリヤは「私が神の人であれば、天から火が降って来て、貴方と五十人の部下を焼き尽くすだろう」と返した。すると、天から火が降って来て、五十人隊長と部下50名を焼き尽くした。アハズヤは再度、もう1人の五十人隊長を、其の部下50名と共にエリヤの下に差し向けた。五十人隊長はエリヤに「神の人よ。アハズヤが『降りて来なさい』と命じて居られます」と言った。エリヤは「私が神の人であれば、天から火が降って来て、貴方と五十人の部下を焼き尽くすだろう」と返した。すると、天から火が降って来て、五十人隊長と部下50名を焼き尽くした。アハズヤは三度、別の五十人隊長を、其の部下50名と共にエリヤの下に遣わせた。五十人隊長は、エリヤの前に跪き、「神の人よ。どうか私の命と貴方の僕である此の50名の命を助けて下さい。ご覧の様に、天から火が降って来て、先の2名の五十人隊長と100名の部下を焼き尽くしました。どうか私の命を助けて下さい」という主旨の懇願をした。ヤハウェの御使いがエリヤに「五十人隊長と共に降りて行け。彼を恐れるには及ばない」と言ったので、エリヤは五十人隊長と共にアハズヤの下へ降りて行った。エリヤはアハズヤに「ヤハウェは斯う言われる。『貴方はエクロンの神ベルゼブブに尋ねようとして使者を遣わせたが、其れは、イスラエル王国に其の言葉を求める事の出来る神は居ないという事か。其れ故貴方は上った寝台から降りる事は無い。貴方は必ず死ぬ』と」と預言した。
853 ヨシャファトが、ユダ王国内の司法制度改革に乗り出す。各地域でばらばらであった裁判の在り方をエルサレムを中心とする中央集権的なものに組織化し、地方とエルサレムの二審制を採用した。又、国内の砦の町全てに裁判官を配置した。ヨシャファトは此の裁判官達に「人の為で無く、ヤハウェの為に裁くのだから、自分が何をすべきかよく考えなさい。裁きを下す時、ヤハウェが貴方達と共に居て下さる様に。今、ヤハウェへの恐れが貴方達に有る様に。注意深く裁きなさい。私達の神、ヤハウェの下には不正も偏見も収賄も無い」と裁判官としての心得を説いた。更に、ヨシャファトはエルサレムに上級裁判所を設置し、裁判長に以下2名を任命した。
①不敬罪の最高責任者兼ヤハウェに関する事柄の責任者:祭司長アマルヤ
②民事訴訟の最高責任者兼ヨシャファトに関する事柄の責任者:アブラハムの長男イシュマエルの子:ゼバドヤ
書記はレビ族が担った。
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