西暦686年は、天皇の身体と神器の所在が結び付けて捉えられた事の判る年である。6月13日、天武天皇が重体となり、川原寺で薬師経を説かせ、宮中で安居させた。川原寺は現在の奈良県高市郡明日香村川原に在り、当時の飛鳥における主要な寺院の一つであった。薬師経は病の平癒を願う経典であり、僧を宮中に留めて修行させる安居と併せ、仏教の力によって快復を図ろうとする措置であった。続く7月5日、天武天皇の病が占われ、天叢雲剣の祟りであると出た。其の後、天叢雲剣は熱田神宮に送り返され、安置された。仏教による祈祷と、卜占による原因の探索、そして神器を本来在るべき社へ戻すという対処が、同じ一つの病を巡って並び行われている。神器が単に皇位を示す宝物では無く、置かれる場所を誤れば災いを招くと考えられていた事、そして其の判断が国家の中枢で下されていた事を伝える記録である。

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年月日 出来事
686 6 13 天武天皇が重体となり、川原寺(現在の奈良県高市郡明日香村川原)で薬師経を説かせ、宮中で安居させる。
686 7 5 天武天皇の病が占われ、天叢雲剣の祟りであると出る。其の後、天叢雲剣を熱田神宮に送り返して安置した。
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