西暦675年、第40代天皇天武天皇が、仏教の不殺生戒の教えに基づき、牛・馬・犬・猿・鶏の獣肉を食べる事を禁じる「肉食禁止令」を発した。禁じられた五種は、農耕や運搬に用いる家畜、人に近しい動物、飼育される鳥といった性格を帯びており、単に肉全般を退けたのでは無く、対象を選んで挙げた点に特徴が有る。仏教は6世紀に伝来した外来の宗教であるが、其の戒律が国家の法という形で人々の食生活にまで及んだ事は、当時の朝廷が仏教を統治の理念に組み込んでいた事を示している。此の禁令は其の後も繰り返し出され、日本の食文化を長く規定する事となった。天武天皇の治世は律令に基づく国家の骨格が整えられていく時期に当たり、西暦690年に持統天皇が発する双六禁止令と同様、人々の暮らしの細部に規範を及ぼす施策の系譜に連なる。

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675 第40代天皇天武天皇が、仏教の不殺生戒の教えに基づき、牛・馬・犬・猿・鶏の獣肉を食べる事を禁じる「肉食禁止令」を発する。
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