西暦642年は、イスラム勢力の急速な拡大を支えた将と、其の北方への進出とが共に区切りを迎えた年である。ハーリド・イブン・アル・ワリードがエメサで死去した。ハーリドは数々の戦場で軍を指揮し、「アッラーの剣」と称された武将であり、其の死は初期イスラム軍事史における一つの時代の終わりを意味した。同じ年、ムスリムは四手に分かれてアナトリア半島北部まで進軍したが、敗北し、追い出された。シリアやエジプトでは急激に版図を広げていたイスラム勢力も、小アジアの山岳と、其処を守るビザンツ帝国の抵抗の前では容易に前進出来なかった。此の敗退は、拡大が何処までも続くものでは無く、地形と対抗勢力によって境界が形作られていく事を示している。以後、アナトリアは長く両勢力の係争の地であり続けた。

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年月日 出来事
642 ハーリド・イブン・アル・ワリードがエメサで死去する。
642 ムスリムが四手に分かれ、アナトリア半島北部まで進軍するが、敗北し追い出される。
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