西暦1984年は、アドビシステムズ社がプリンタ制御言語「PostScript Level 1」を発表し、DTPの礎を築いた年である。アンソニー・ファウチがNIAID所長に就任し、日本ではTRONプロジェクトが開始された。イタリアではP2の932名のメンバーリストが議会報告書で認証され、シンドーナが懲役25年の判決を受けた。中南米ではメデジン・カルテルとノリエガの関係が決裂し、グレース委員会はレーガンにアメリカ政府の経費節減を提言した。

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年月日 出来事
1,984 アドビシステムズ社がプリンタの描画を制御する為のプログラミング言語「PostScript Level 1」を発表する。「Hello, world!」を出力するコードは以下である。
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1,984 西暦1,981年3月17日に発見されたロッジP2の932名のメンバーリストが、イタリア議会の報告書によって一部を除いて認証される。
1,984 アンソニー・ファウチが、NIAID(アメリカ国立アレルギー・感染症研究所)の所長に就任する。
1,984 トミー・ヒルフィガーが、アパレル生産を担う「マジャーニ・グループ」創業者の息子モーハン・マジャーニから、男性向けスポーツウェアのデザインの発注を受ける。ヒルフィガーはマジャーニに見込まれ支援を受け、自身のブランド「トミー・ヒルフィガー」を立ち上げた。
1,984 菊池武夫が、自身が創業者として名を連ねたレディースウェアを手がける「株式会社ビギ」のメンズウェア部門「株式会社メンズビギ」を退職する。同年菊池はファッションブランド「タケオキクチ」を立ち上げた。
1,984 ノーマン・ボーローグが、テキサスA&M大学で教員となり、教鞭を執りつつ、研究を始める。やがて、国際農業特別教授や農業バイオテクノロジー分野に於けるユージン・バトラー寄付基金教授に就任し、生涯テキサスA&M大学に在籍し続けた。他にも以下の大学で教鞭を執った。
①ミネソタ大学ツインシティー校
②アイオワ大学
③コーネル大学
1,984 ボヘミアングローブ・アクション・ネットワークが、フォークソングを歌いながらボヘミアンクラブ批判のデモを行う。ボヘミアンクラブが外界にとって危険であるとし、ボヘミアングローブ内に隔離しようとし、50名が逮捕された。
1,984 ロバート・マクスウェルが、自身の所有する、イスラエルを拠点とするデゲム・コンピュータズ社を経由して、PROMISのマーケティングを開始する。マクスウェルは、モサドを通じて以下を始めとする20ヶ所以上にPROMISを販売し、総額500,000,000ドル以上の利益を上げた。
①KGB
②南アフリカ
③ロスアラモス国立研究所(アメリカのニューメキシコ州ロスアラモス)
④ジンバブエ
⑤南アフリカ
⑥中国
⑦タイ
⑧トルコ
⑨ベルギー
⑩ポーランド
⑪ニカラグア
⑫コロンビア
⑬サンディア国立研究所(アメリカのニューメキシコ州アルバカーキ)
⑭カナダ
⑮オーストラリア
⑯グアテマラ
世界中にPROMISが普及する事により、モサドは世界各国の機密情報の収集が可能になった。
1,984 1 15 グレース委員会が、アメリカ行政機関に対する聞き取りを中心とした調査に基づいた、2,478の提言を纏めた報告書をロナルド・レーガンに提出する。内容としては、コスト削減に於いて、マネジメントの改善や補助金支出の見直し等により、3年間で422,400,000,000ドルの経費節減が実現出来るとし、アメリカ政府のマネジメント改善を進める為、新たに大統領府にOFM(連邦管理庁0の設置を提言した。レーガンは「連邦政府が納税者から集めたお金は全て、アメリカ政府がFRBから借金したお金の返済に回されている。アメリカの全国民からの所得税収入は、そのお金で政府がやってくれると国民が期待している事に、5セントすらも使われない儘に、跡形も無くなってしまうのである」とアメリカ国民に公表した。
1,984 2 第50回アメリカ大統領選予備選にて、民主党大統領候補者アラン・クランストンが、アイオワ州で4位に終わり、1週間後にはニューハンプシャー州で8人の候補者中7位となり、得票率2%で脱落した。クランストンは西暦1,948〜1,952年迄、地球上に存在する国際的な問題に対して国境を越えて解決する為、世界連邦の実現を目的とする国際NGO組織である「ワールド・フェデラリスト・アソシエーション」のトップで「武装解除は国際軍と世界法廷によって行われなければならない」と主張して国中を旅したにも拘らず、大統領候補者になると態度を変え「世界連邦主義は現実的な目標とは思わない。軍縮には世界政府は必要無い」と変節した。さらにクランストンは、ワールド・フェデラリスト・アソシエーションの会員であった事に言及されると「私がワールド・フェデラリスト・アソシエーションのトップだった当時、最も著名な会員の一人がロナルド・レーガンだった事を指摘したい」という主旨の発言をした。
1,984 2 パナマ国防軍が、コロンビアへ運ぶ、コカイン製造に用いるエーテル143.1kLを押収する。
1,984 3 ジョルジョ・アンブロゾーリ暗殺の件に関し、ミケーレ・シンドーナが、懲役25年の判決を下される。シンドーナは、アンブロゾーリ暗殺をマフィアに依頼した罪で、ヴォゲーラ刑務所(イタリアのロンバルディア州パヴィーア県)に収監された。
1,984 3 10 DEA(アメリカ麻薬取締局)が、コロンビア当局と共同で、コロンビア最大のコカイン加工施設であるトランキランディアを解体する。
1,984 4 30 パブロ・エスコバルの命を受けたメデジン・カルテルのメンバーの以下2名が、アメリカへの犯罪人引渡し条約を厳格に進めようとしたコロンビア法務大臣ロドリゴ・ララを暗殺する。
①バイロン・ベラスケス
②イバン・ダリオ・ギサド
1,984 5 5 メデジン・カルテルの以下2名がパナマに逃亡する。
①パブロ・エスコバル
②ホルヘ・オチョア
此の際マヌエル・ノリエガは、警護料として5,000,000ドルを要求した。其の後追加で、更に1,000,000ドルを請求した。しかしエスコバル達は此れを拒否した。他のメンバーも数日後に後を追ってパナマに逃れた。エスコバル達は3週間程パナマに滞在したが、其の間複数回会合を行い、パナマの選挙の監視の為に滞在していた以下2名とも会談した。
①第24代コロンビア大統領を務めたアルフォンソ・ロペス・ミケルセン
②コロンビア司法長官カルロス・ヒメネス・ゴメス
1,984 5 22 マヌエル・ノリエガが、ダリエン(コロンビア)に在るコカインの研究所の破壊を命じる。しかし、機械や生産設備は保護した。其の後、メデジン・カルテルの化学薬品・資金調達担当者エドゥアルド・ザンブラノや、コロンビア人23名が逮捕された。ノリエガは、翌月に入ると直ぐにDEAと秘密協定の交渉を開始し、メデジン・カルテルの動きを封じる事を約束した。此の一連のノリエガの行動により、メデジン・カルテルはノリエガの裏切りを確信し、ノリエガの殺害を企てた。
1,984 5 25 ジュネーヴにて、IORはアンブロシアーノ銀行とは無関係としつつ、任意の援助金として242,000,000ドルを支払うという取り決めが為され、以下2名が署名する。
①ポール・マルチンクス
②マルチンクスの秘書ドナート・デ・ボニス
アンブロシアーノ銀行破綻の責任がバチカン市国に有るとされた場合、IORも財政危機に陥る可能性が有った。IORの援助金によって、アンブロシアーノ銀行の400,000,000,000リラに上る債務は、事実上帳消しにされた。
1,984 6 OSのTRONプロジェクトが開始される。
1,984 6 11 イタリア共産党エンリコ・ベルリンゲルが死去。
1,984 6 16 マイアミにて、パナマの航空会社インエア・パナマの機内のクーラーボックスに隠されていたコカイン1tが押収される。
1,984 6 21 マヌエル・ノリエガの側近ホセ・イサベル・ブランドンが、ノリエガの代理人としてキューバに到着する。そして、アルフォンソ・ロペス・ミケルセンが代表を務めるカルテルとの仲介を行った。
1,984 6 23 マヌエル・ノリエガが、マイク・ハラリの計らいにより、モサドの護衛を受けて、ヨーロッパへの視察旅行を開始する。メデジン・カルテルは、悪名高い国際テロリストのカルロス・ラミレスを雇い、ノリエガをヨーロッパで追跡し、殺害しようとした。
1,984 6 24 DEAとCIAが共同作戦を開始する。元CIA契約職員バリー・シールが操縦する飛行機に隠しカメラが設置された。結果、パブロ・エスコバルがサンディニスタ民族解放戦線の高官等と共に、ニカラグアの秘密飛行場で飛行機にコカインを積み込む写真が撮影された。
1,984 6 27 ヒューストンにて、パナマ船籍の貨物船から110kgのコカインが押収される。其の後、コロン(パナマ)自由貿易区にて、954kLものエーテルが押収された。
1,984 7 1 コロンビアの参謀本部書記で中佐のフリアン・メロ・ボルブアが拘束される。
1,984 7 7 マヌエル・ノリエガがパナマに帰国する。記者会見でノリエガは、フリアン・メロ・ボルブアを公然と非難し、ボルブアを自身を権力から排除する為の陰謀を企てた人物であると主張した。
1,984 8 6 此の日から9日間、国連主催の国際人口会議が、メキシコシティにて開催される。国連加盟国157ヶ国中147ヶ国の代表が参加した。ラファエル・M・サラスが会議事務局長を務めた。第3回国連世界人口会議が開催された西暦1,974年から世界人口は20%増加し、其の増加の90%が開発途上地域で起こった。其の間多くの途上国が積極的に人口政策を採用する様になり、特に中国は、西暦1,979年に一人っ子政策を導入し、人口安定化を試みた。此の会議では、以下の88の勧告が合意に達し、女性の開発に於ける役割の重要性、個人の権利を尊重した上での家族計画の優先、健康・死亡率改善の為の措置が強調された。
①社会経済開発・環境と人口(勧告1〜4)
第3回国連世界人口会議の原則を踏襲し、人口問題の解決の基盤は社会経済変革であるという立場を再確認した。人口・資源・環境・開発の統合的アプローチ、貿易障壁の引き下げ、途上国の債務問題への対処、農村・農業開発への投資等を求めた。
②女性の役割と地位
❶勧告5:開発過程の全ての段階への女性の完全な統合
❷勧告6:女性の労働参加の自由(人口政策や文化的伝統を理由とした制限の禁止) ❸勧告7:教育・訓練・雇用を通じた女性の自己実現の機会提供。若年出産の遅延奨励
❹勧告8:婚姻年齢が低い国での引き上げ努力
❺勧告9: 家族計画・育児・家事における男性の積極的関与の促進
❻勧告10:女子差別撤廃条約への署名・批准・加入の要請
③人口政策の策定(勧告11〜12)
人口政策と社会経済開発政策の相互強化、地域の価値観とニーズへの対応、コミュニティとNGO(特に女性団体)の参加を求めた。
④人口目標と政策
❶人口増加(勧告13)
人口増加率が国家目標を妨げると考える国は人口政策を追求して良いが、人権・宗教的信念・文化的価値・個人とカップルの家族規模決定の基本的権利を尊重すべきであるとした。第3回国連世界人口会議と同様、具体的な数値目標は設定しなかった。
❷罹患率と死亡率
Ⅰ.数値目標(勧告14)
(a)死亡率が高い国:西暦2,000年迄に平均寿命60歳以上、乳児死亡率1,000出生当たり50未満
(b)死亡率が中程度の国:平均寿命70歳以上、乳児死亡率35未満
(c)死亡率が低い国:更なる改善の継続
Ⅱ.勧告17〜20
プライマリ・ヘルスケアの枠組みでの母子保健、経口補水療法・予防接種・母乳育児の推進
Ⅲ.中絶(勧告18)
(a)妊産婦死亡率が非常に高い国は西暦2,000年までに少なくとも50%削減
(b)婚前健康診断の提供
(c)出産前・周産期ケアの提供、訓練された介助者による安全な出産の確保
(d)栄養プログラムに於ける妊婦・授乳婦のニーズへの特別な重点
(e)女性が中絶を回避する為の措置。「中絶は如何なる場合も家族計画の方法として推進されるべきでは無い」 (f)母子保健プログラム内での家族計画の支援(出産間隔の設定等) (g)若年での妊娠・出産を容認する態度を変える為のコミュニティ教育
Ⅳ.勧告22〜24
感染症対策、飲料水・衛生、タバコ・アルコール消費の削減
❸出生と家族(勧告25〜35)
Ⅴ.勧告25:自然家族計画を含む全ての医学的に承認された方法を自由に選択出来る様にする
Ⅵ.勧告26:各国政府に対し、家族形成と家族生活の為の最良の条件を促進する様要請する
Ⅶ.勧告27:各国政府及び政府間組織・NGOに対し、家族計画サービスが不十分であり、急速に増加する生殖年齢人口のニーズを満たしていない場合、国家の政策と優先事項に従い、家族計画サービスに必要な資源を配分する様要請する
Ⅷ.勧告28:家族計画サービスの配布チャネル多様化(母子保健、コミュニティ配布、商業小売等)
Ⅸ.勧告29:思春期の者への家族生活教育・性教育の提供
Ⅹ.勧告30〜31:子供の数・間隔を決める基本的人権の再確認。インセンティブ・ディスインセンティブは「強制的でも差別的でもあるべきでは無い」
Ⅺ勧告32:出生率目標を採用した、又は此れから採用する予定の政府は、其れ等の目標を市民に明確に理解される具体的な政策・運用措置に翻訳すべきである
Ⅻ.勧告33:出生率政策を採用した、又は此れから採用する予定の政府に対し、此の分野で独自の定量的目標を設定する様要請する。
XIII.勧告34:政府が採択または奨励する家族政策は、以下のニーズに敏感であるべきである
(a):出産前後の期間、並びに親が子供の養育・教育の主な責任を担う期間に於ける一人親を含む親への財政的、其の他の支援。
(b):児童福祉サービスと保育施設の強化
(c):何れかの親が子どもの世話をする事を可能にする為の、十分な期間の出産休暇・育児休暇。適切な報酬を伴い、其の後のキャリアの見通しを損なわないものとし、就労する親が子供や高齢の家族構成員を世話する事を可能にする基本的なコミュニティ施設を備える
(d):若いカップルや一人親を含む親が適切な住居を取得する為の支援
XIV.勧告35:出生率低下を望む政府は保健・教育・女性統合・社会的公正を通じて達成すべきである。出生率が低いと考える政府は家族支援を検討して良いが、家族計画へのアクセスを制限すべきでは無い
❹人口分布と国内移動
Ⅰ.勧告36:占領地への入植者移送の違法性(パレスチナ問題を念頭。アメリカが強く異議)
Ⅱ.勧告37:各国政府に対し、人口分布に影響を与える事を目的とする政策を、個人・家族・異なる社会経済集団・コミュニティ・地域及び国全体に対する費用と便益の包括的評価に基づかせる様要請する。人口分布目標(例えば首位都市の目標成長率や農村人口維持目標)は、一人当たり所得の向上・効率の増大・所得分配のより公平化・環境の保護・生活の質の向上といった、より広い社会的目標の達成に資する範囲で追求されるべきである。其の際、各国政府は先住民その他のグループの権利が認められる事を確保すべきである。
Ⅲ.勧告38:各国政府に対し、人口分布政策の策定に当たり、人口移動の様々な形態(循環移動・季節移動・農村間移動・都市間移動・農村−都市間移動)の政策的含意を考慮する様要請する。此れ等の移動の方向・期間・特性、並びに地域的移動と出生率・死亡率の水準・特性との相互関連性を検討すべきである。
Ⅳ.勧告39:各国政府に対し、不利な空間的帰結を最小化するため社会経済政策を見直すと共に、領域計画・セクター別計画、特に人的居住地に関する計画に於ける人口要因の統合を改善する様要請する。
Ⅴ.勧告40:移動統制では無く、インセンティブを通じた人口分布政策
Ⅵ.首都への過度な集中の緩和、中規模都市の開発
Ⅶ.農地改革と農村開発
❺国際移動(勧告45〜55)
移住労働者・非合法移住者・難民の3つのカテゴリーに分けて詳細な勧告を行った。人権保護・家族再統合・難民条約への加入が中心。西暦1,980年代に増大していた難民問題を反映した。
❻人口構造(勧告56〜59)
子ども・青年・高齢者其々の課題への対応。先進国に於ける高齢化問題への注意喚起と、高齢者を扶養対象では無く社会への貢献者として捉える視点。
⑤知識と政策の推進
Ⅰ.データ収集・分析(勧告60〜68)
国勢調査能力の構築、性別分離データの義務化、移動統計の改善、1990年世界人口住宅センサス計画への参加要請
Ⅱ.研究(勧告69〜72)
避妊技術の研究強化(男性用を含む新方法の開発)、不妊問題への取り組み、途上国の研究能力構築
Ⅲ.管理・訓練・情報・教育
人口プログラム管理能力の強化、訓練活動への女性の参加
⑥実施のための勧告
Ⅰ.勧告77〜78:各国政府のプログラム管理に於ける自立達成、途上国間の技術協力
Ⅱ.勧告79〜86:先進国・ドナー国による支援の増加、UNFPAの強化(事務総長に報告を要請)、NGOの先駆的役割
Ⅲ.勧告87:国連総会・ECOSOC等に此れ等の勧告の支持を要請する
Ⅳ.勧告88:モニタリング・検討・評価の継続。次回の包括的レビューは西暦1,989年に実施(メキシコが留保を表明。多国間援助プログラムのモニタリングは各国政府の専権事項であるべきとの立場)
1,984 12 31 アフガニスタンの芥子の年間生産量が41tであった。対西暦1,980年比0.21倍に減少する。この時既に、アフガニスタン産アヘンから製造されたヘロインは、アメリカ市場の60%、ヨーロッパ市場の80%を占めていた。また、製造元のパキスタンでも1,300,000名のヘロイン中毒者が発生していた。
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