電子書籍「加賀一向一揆の緒戦、富樫政親の高尾城籠城戦一元化」の表紙

加賀一向一揆の緒戦、
富樫政親の
高尾城籠城戦一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
西暦1,487年9月28日〜1,488年7月17日
※旧暦は全て西暦に変換しています
最新更新日
西暦2,026年1月8日

坂本出陣・加賀国民衆への兵粮米・軍費課税・反富樫機運・高尾城帰国と籠城・松坂信遠の槻津上野討死・山川高藤の越中援軍迎えと夜襲敗走・富樫泰高擁立と本願寺門徒10,000名余の包囲・大乗寺本陣・倶利伽羅峠の敗北・河北郡黒津船地内の敗北・本郷春親の包囲解除促進失敗・高尾城総攻撃と本郷春親討死を含む200名余の戦死・57名家臣脱出・山川高藤の裏切り脱出と政親の正室巴脱出工作・富樫政親父子自害と高尾城落城・57名殉死・蓮如への破門要請・富樫泰高による政親首級の大乗寺葬──
百姓の持ちたる国の誕生を告げた9箇月20日間を一本の時系列に貫く。

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本書について

西暦1487年9月28日、加賀国守護富樫政親が足利義尚の坂本出陣に参陣し、加賀国守護代山川高藤を介して兵粮米・軍費を加賀国の民衆に課した日から、西暦1488年7月17日、富樫政親が嫡男富樫家延と共に高尾城にて自害し、57名の家臣が後を追って殉死した日まで。本書は、室町幕府の権威の最後の輝きであった足利義尚の六角征伐の蔭で、加賀国にて同時並行に進行した「百姓の持ちたる国」誕生の緒戦——本願寺門徒を中心とする一揆方による富樫政親の高尾城籠城戦——の9箇月20日間を、月日単位で時系列に一元化した電子書籍です。一国の守護が、本願寺宗主の手綱を離れて自走した門徒衆と、其れを担いだ自国の家臣・国人衆によって、自身の居城で自害に追い込まれるという、日本史上初の異常事態。一城内に籠もって戦った将達の組み打ち・斬殺・矢の雨・捕縛、200名余の戦死、57名の殉死、家老山川高藤の裏切りと正室巴の光徳寺経由脱出工作、政親の首級が灰の中から探し出されて大乗寺に葬られるまでの、密度の高い9箇月20日間を一冊に束ねます。日本中世の終わりを最も鋭く告げた事件の縮図を浮き彫りにします。

西暦1487年9月28日、足利義尚の坂本出陣に従軍した富樫政親が加賀国守護代山川高藤を介して兵粮米・軍費を加賀国民衆に課した事に始まり、10月10日の八幡山・金剛寺攻略にも参戦するも、西暦1488年1月、反富樫の機運が高まった事から富樫は帰国して高尾城に入り籠城します。一揆方は山川を介して和睦を伝えるも富樫は受け入れず、高尾城を修築して戦いに備えました。同年2月25日、越前国の朝倉孝景に援軍要請した被官松坂信遠が2,000騎余で高尾城を出陣して槻津上野で越前軍を待つも、今江兼治率いる加賀国江沼郡の7,000騎余に攻められて松坂は討ち取られます。同年3月、山川高藤が越中国援軍を迎えるべく1,500名で高尾城を出陣するも、馬飼氏・浦上氏の夜襲を受けて高尾城に戻りました。同年6月、富樫政親に討たれた政親の弟富樫幸千代の敵討ちとして擁立された大叔父富樫泰高率いる本願寺門徒一揆方が、10,000名余で政親が籠城する高尾城の包囲を開始します。同年7月5日、足利義尚が朝倉孝景等に援軍派遣を命じるも一揆方が越前国境を封鎖して入国を阻みました。

西暦1488年7月9日、一揆方が大乗寺に本陣を構えて高尾城包囲を本格化させ、富樫政親は出撃するも一揆方を破る事は出来ませんでした。7月13日には遊佐氏・神保氏率いる2,000名の援軍が倶利伽羅峠で敗北、畠山義統の援軍も河北郡黒津船地内で本願寺門徒に敗れ、本郷春親による包囲解除促進も失敗。7月15日6時、富樫泰高率いる一揆方が高尾城を総攻撃。富樫政親率いる1,500名は大手門守将松山左近・搦手額谷口守将森宗三郎、斎藤八郎・安江弥太郎・小早川半弥・新倉将監・浅井九八等が指揮しました。本郷春親は河合藤左衛門部隊を攻撃するも河合は先陣に居らず、代わりに伊藤久内が本郷を捕縛、其処に春親の息子本郷松千代丸が攻め出て伊藤を斬殺するも木村八郎九郎と組み打ち捕縛されました。小川隼人成定は寺井豊後の部隊を攻撃して寺井の息子を斬殺した後、丘で休憩中に矢の雨を浴び斬首。昼の休戦時点で本郷春親・額景春・額親家・林正蔵坊等を含む200名余の戦死者を出し、57名の家臣や城兵が脱出を始めます。同日山川高藤は妹おわんが安吉城主大窪家長に嫁いでいた縁から一揆方の光徳寺と申し合わせて政親の正室巴を脱出させ、自身も政親を裏切り高尾城を脱出。7月17日、富樫政親は嫡男富樫家延と共に自害して高尾城は落城、57名が後を追って殉死しました。山川高藤は三池掃部に捕縛され祇陀寺に幽閉されるも夕闇紛れに脱出して越前国大野へ。政親の自害を聞いた足利義尚は激怒し蓮如に本願寺門徒等の破門を迫り、政親の首級は富樫泰高によって灰の中から探し出されて大乗寺に葬られました。一国の守護が自国の門徒と国人衆に滅ぼされた瞬間の全貌を一冊に束ねた書です。


主要登場人物

  • 富樫政親 加賀国守護。1487年9月28日の足利義尚の坂本出陣に参陣し、加賀国守護代山川高藤を介して兵粮米・軍費を加賀国民衆に課した事で反富樫の機運を高めた。1488年1月に高尾城に帰国・籠城、同年6月から10,000名余で籠城するも本願寺門徒一揆方の包囲を受け、7月15日の総攻撃で200名余の戦死者を出し、7月17日に嫡男富樫家延と共に自害した、本書の悲劇の主人公。
  • 富樫家延 富樫政親の嫡男。1488年7月17日、父政親と共に高尾城にて自害し落城を看取った、本書の二代目を継ぐ筈であった若き犠牲者。
  • 富樫泰高 富樫政親の大叔父。1488年6月、政親に討たれた政親の弟富樫幸千代の敵討ちとして本願寺門徒を始めとする一揆方によって擁立された。10,000名余で高尾城包囲を主導、7月15日6時に総攻撃を指揮、7月17日の政親自害後に政親の首級を灰の中から探し出して大乗寺に葬った、本書の擁立首魁にして勝者。
  • 富樫幸千代 富樫政親の弟。本願寺門徒を味方に付けていたが政親に討たれた。其の敵討ちとして大叔父富樫泰高が擁立される名分となり、本書の包囲戦の発端を成した、既に故人として登場する物語の起点。
  • 山川高藤 加賀国守護代。富樫政親の家老。1487年9月の坂本出陣時に等持院領加賀粟津保に兵糧200石・人夫100名を課した。1488年3月に越中国援軍を迎えるべく1,500名で高尾城を出陣するも夜襲で敗走。7月15日には妹おわんが安吉城主大窪家長に嫁いでいた縁から光徳寺と申し合わせて政親の正室巴を脱出させ、自身も裏切って高尾城を脱出。三池掃部に捕縛・祇陀寺幽閉されるも夕闇紛れに脱出し越前国大野へ向かった、本書の中盤で主君を裏切った家老。
  • 富樫政親の正室。1488年7月15日、山川高藤と一揆方の光徳寺の申し合わせにより、山川高藤の妹おわんが安吉城主大窪家長に嫁いでいた縁を通じて高尾城から脱出させられた、本書で家老の手で死地から救い出された城主の妻。
  • 本郷春親 富樫政親方の将。1488年7月13日に本願寺門徒等の一揆方に高尾城の包囲を解く様促すも失敗。7月15日の総攻撃では部下を率いて河合藤左衛門の部隊を攻め、河合を討とうとしたが河合は先陣に居らず、代わりに伊藤久内に捕縛され戦死した、本書の交渉と戦闘の双方で奮闘した将。
  • 本郷松千代丸 本郷春親の息子。1488年7月15日、父が伊藤久内に捕縛された場面に攻め出て伊藤を斬殺したが、木村八郎九郎と組み打ちになり木村に捕縛された、父子で戦って父子で命を落とした若武者。
  • 小川隼人成定 富樫政親方の将。1488年7月15日の高尾城総攻撃に於いて寺井豊後の部隊を攻撃し寺井の息子を斬殺した後、丘に登って休憩していた所、矢の雨を浴び斬首された、本書の戦場における勇気と運命の皮肉を象徴する将。
  • 松坂信遠 富樫政親の被官。1488年2月25日、越前国の朝倉孝景に援軍を要請して2,000騎余で高尾城を出陣し槻津上野で越前軍を待ったが、今江兼治率いる加賀国江沼郡の7,000騎余に攻められて討ち取られた、本書序盤の援軍合流に失敗した武将。
  • 蓮如 第8世本願寺宗主。1488年7月17日の富樫政親自害を受け、激怒した足利義尚から本願寺門徒等の破門を迫られた。本願寺門徒の自走によって自身の手綱を離れた一揆を、其の手で叱責する立場に追い込まれた、本書の宗教権威の臨界点を象徴する宗主。
  • 足利義尚 第9代室町幕府征夷大将軍。1487年9月28日の坂本出陣で富樫政親を従えていたが、1488年7月5日には朝倉孝景に富樫救援を命じるも一揆方の越前国境封鎖で実現せず、7月17日の政親自害を聞いて激怒し蓮如に本願寺門徒等の破門を迫った、本書を通じて自身の権威の限界を晒した将軍。
  • 朝倉孝景 越前国の戦国大名。1488年2月25日に松坂信遠の援軍要請を受け、7月5日には足利義尚から加賀派遣援軍を命じられたが、一揆方が越前国境を封鎖して入国を阻んだ為、援軍は実現しなかった、本書の援軍として何度も呼ばれながら届かなかった隣国の大名。
  • 畠山義統 能登国守護。1488年7月13日、富樫政親の救援に援軍を派遣したが、河北郡黒津船地内にて本願寺門徒に敗れた、本書の援軍として駆け付けながら一揆方の壁に阻まれた守護。
  • 今江兼治 加賀国江沼郡の一揆方武将。1488年2月25日、7,000騎余の軍勢で槻津上野にて松坂信遠を討ち取った、本書序盤で援軍合流を阻止した一揆方の将。
  • 三池掃部 一揆方の将。1488年7月17日、高尾城落城後に山川高藤を捕縛し祇陀寺に幽閉した、本書の終幕で家老の身柄を抑えた一揆方の将。

坂本出陣・加賀国民衆への兵粮米・軍費課税・反富樫機運・高尾城帰国と籠城・松坂信遠の槻津上野討死・山川高藤の越中援軍迎えと夜襲敗走・富樫泰高擁立と本願寺門徒10,000名余の包囲・大乗寺本陣・倶利伽羅峠の敗北・河北郡黒津船地内の敗北・本郷春親の包囲解除促進失敗・高尾城総攻撃と本郷春親討死を含む200名余の戦死・57名家臣脱出・山川高藤の裏切り脱出と政親の正室巴脱出工作・富樫政親父子自害と高尾城落城・57名殉死・蓮如への破門要請・富樫泰高による政親首級の大乗寺葬──
百姓の持ちたる国の誕生を告げた9箇月20日間を一冊に。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「一元化」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
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