ヤロブアム1世一元化
外套の10切れを託された男が、北の王となった──
初代イスラエル王国国王ヤロブアム1世を一元化。
196円(税込)
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本書について
紀元前928年、ソロモンはダビデの町の破れ口を塞ぐ為にミロ(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県)へ砦を築かせ、其の働きぶりを見てヤロブアム1世をヨセフ族の労役全体の監督に任命した。エルサレムを出たヤロブアム1世の前に現れた預言者アヒヤは、真新しい外套を12切れに引き裂いて10切れを取る様告げ、ソロモンがアシュトレト・ケモシュ・モレクを伏し拝んだ為にヤハウェが王国から10部族を取り上げ、レハブアムの手から王権を移してヤロブアム1世に与えると預言する。之を知ったソロモンは殺害を図ったが、ヤロブアム1世は初代エジプト第22王朝ファラオのシェションク1世の下へ逃れ、ソロモンが崩御する迄其処に留まった。本書は、此の預言から紀元前910年の崩御に至る迄を一元化した、ヤロブアム1世の記録である。
ソロモンの崩御後、重い軛の軽減を求めた北部の人々に、レハブアムは若者達の意見を採って突き放す。事態収拾の為に遣わされた役務長官アドニラムが石撃ちで殺され、レハブアムが戦車で這々の体でエルサレムへ逃げ帰ると、北部の人々は「イスラエル王国」を建国し、首都をシェケムに置いて、ヤロブアム1世を初代国王に擁立した。ヘブライ王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂し、レハブアムは初代ユダ王国国王となる。レハブアムはユダ族とベニヤミン族から成る180,000名の兵で征伐を図ったが、預言者シェマヤが、兄弟であるイスラエルの人々に戦いを挑むなというヤハウェの言葉を伝えた事で作戦を中止した。
ヤロブアム1世は、民がエルサレムのヤハウェの宮へ生贄を献げに上れば心がレハブアムへ戻り、自分は殺されると考えた。そしてベテル(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県)で金の子牛を造り、其の祭壇をダン(現在のイスラエル北部地区テル・エル・カディ)とテル・ベイティン(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県)の2ヶ所に据える。もうエルサレムに上る必要は無い、此処に貴方をエジプト第22王朝から連れ上った神々が居られる——そう語ったヤロブアム1世は、仮庵の祭りの日を第7の月の15日から第8の月の15日へ変更し、祭壇で捧げ物をして香を焚いた。更に、祭司はアロンの子孫から選ばれるという定めを無視し、レビ人では無い一般人を祭司に任命して、新しい宗教を作り上げた。
香を焚くヤロブアム1世の側で、ユダ王国から来た1人の神の人が祭壇に向かい、ダビデの家に生まれるヨシヤという名の男児が、其の上で香を焚く高き所の祭司達を捧げると預言した。祭壇が裂けて灰が零れ出るという印を告げられ、捕らえよと手を伸ばしたヤロブアム1世は、其の手が動かなくなる。神の人の祈りで手は元に戻り、食事と贈り物の誘いを受けたが、神の人は、パンも水も口にせず元来た道を通って帰るなというヤハウェの命を理由に断り、別の道を帰って行った。所が、ベテルの年寄りの預言者が後を追い、御使いから告げられたという偽りの言葉で連れ帰って、パンと水を口にさせる。年寄りの預言者は其の場で、命令に背いた者の亡骸は先祖の墓に入らないと預言し、出発した神の人は道で獅子に殺された。獅子は遺体を食べず、驢馬も殺さずに其の側に立っていたという。年寄りの預言者は遺体を自らの墓に葬り、自分が死んだら其の側に骨を埋める様息子達に言い遺した。それでもヤロブアム1世は道を改めず、偶像崇拝の祭壇の祭司に志願した民衆を望み通りに就けた。
息子アビヤが致死性の高い病を患うと、ヤロブアム1世は妻を変装させ、パン10個・菓子・蜜1瓶を持たせてシロのアヒヤの下へ遣わせた。老齢で目の見えないアヒヤは足音で相手を見抜き、一言も発しない内に、ヤロブアム1世が誰よりも悪を行い、他の神々や鋳物の像を造ってヤハウェを後ろに捨て去った事を告げ、妻が町に足を踏み入れる時にアビヤは死に、ヤロブアム1世に属する者で墓に入るのはアビヤだけであろうと預言する。アビヤは、妻が帰るのを待って死去した。紀元前922年、シェションク1世がパレスチナへ侵攻してネゲヴ・エドム人の領地・イスラエル王国の領土を荒らすと、ヤロブアム1世はヨルダンへ逃れてペヌエル(現在のヨルダンのアジュルーン県)に遷都し、更にティルツァ(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ナーブルス県テル・エル・ファラ(北))へ都を移した。紀元前910年に崩御すると、息子ナダブが第2代国王として金の子牛の崇拝を踏襲する——其の全過程を、本書は一冊に束ねている。
登場人物
- ヤロブアム1世 本書の中心人物。ソロモンにヨセフ族の労役全体の監督を任され、預言者アヒヤに外套の10切れを取る様告げられた。ソロモンに命を狙われてシェションク1世の下へ逃れ、王国分裂後に北部の人々から初代イスラエル王国国王に擁立される。ベテルで金の子牛を造り、祭壇をダンとテル・ベイティンに据え、レビ人では無い者を祭司に任命した。ペヌエル・ティルツァと都を移し、紀元前910年に崩御した。
- アヒヤ 預言者。真新しい外套を12切れに引き裂き、ヤロブアム1世に10切れを取る様告げて、ヤハウェが10部族を与えると預言した。老齢で目が見えなくなってからも、変装して訪ねて来たヤロブアム1世の妻を足音で見抜き、息子アビヤの死を告げた。
- ソロモン ヘブライ王国の王。ミロの築城でヤロブアム1世を労役の監督に任じたが、アヒヤの預言を知ると殺害を図った。其の崩御が、ヤロブアム1世の帰国と王国分裂の契機となった。
- レハブアム ソロモンの息子で初代ユダ王国国王。重い軛の軽減を求める北部の人々に若者達の意見を採って応じ、離反を招いた。180,000名の兵で征伐を図ったが、預言者シェマヤの言葉を受けて中止した。
- アドニラム レハブアムが事態収拾の為に遣わせた役務長官。北部の人々に石撃ちで殺害され、分裂は決定的となった。
- シェマヤ 預言者。兄弟であるイスラエルの人々に戦いを挑むなというヤハウェの言葉をレハブアムに伝え、イスラエル王国征伐を中止させた。
- 神の人 ユダ王国からベテルに来た人物。祭壇に向かってヨシヤの名を預言し、祭壇が裂ける印を示した。捕らえよと伸ばされたヤロブアム1世の手を祈りで元に戻したが、年寄りの預言者の偽りの言葉に翻意してパンと水を口にし、帰り道で獅子に殺された。
- 年寄りの預言者 ベテルに住んでいた預言者。御使いから告げられたと偽って神の人を連れ帰り、パンと水を口にさせた。其の場で亡骸が先祖の墓に入らないと預言し、獅子に殺された神の人を自らの墓に葬って、自分の骨も其の側に埋める様息子達に言い遺した。
- アビヤ ヤロブアム1世の息子。致死性の高い病を患い、アヒヤの預言通り、変装した母が町に足を踏み入れる時に死去した。ヤロブアム1世に属する者で墓に入るのは彼だけであるとされた。
- ヤロブアム1世の妻 ヤロブアム1世に命じられ、妻と知られない様変装してシロのアヒヤを訪ねた。パン10個・菓子・蜜1瓶を携えたが、一言も発しない内に見抜かれ、息子の死を告げられた。
- シェションク1世 初代エジプト第22王朝ファラオ。ソロモンに命を狙われたヤロブアム1世の逃亡先となった。紀元前922年にはパレスチナへ侵攻し、ネゲヴ・エドム人の領地・イスラエル王国の領土を荒らして、レバノンの森の宮殿の延金の盾も奪った。
- ナダブ ヤロブアム1世の息子で第2代イスラエル王国国王。紀元前910年に即位し、父が始めた金の子牛の崇拝を踏襲した。
主要な地名・拠点
- ミロ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県。ソロモンがダビデの町の破れ口を塞ぐ為に砦を築かせた地。此の工事でヤロブアム1世が見出された。
- シェケム 王国分裂後、北部の人々がイスラエル王国を建国して最初の首都を置いた地。
- ベテル 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県。ヤロブアム1世が金の子牛を造った地であり、ユダ王国から来た神の人が祭壇に向かってヨシヤの名を預言した地。
- ダン 現在のイスラエル北部地区テル・エル・カディ。金の子牛の祭壇が据えられた2ヶ所の1つ。
- テル・ベイティン 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県。ダンと並んで金の子牛の祭壇が据えられた地。
- シロ 預言者アヒヤが居た地。息子アビヤの病を受け、変装したヤロブアム1世の妻が訪ねた。
- ペヌエル 現在のヨルダンのアジュルーン県。シェションク1世の侵攻を受けたヤロブアム1世が、ヨルダンへ逃れて都を移した地。
- ティルツァ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ナーブルス県テル・エル・ファラ(北)。紀元前922年、ヤロブアム1世が遷都した地。
金の子牛を据えた王は、預言に背を向けた──
ヤロブアム1世の建国から崩御までを一元化。
196円(税込)
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