イエフ一元化
油を注がれた戦車隊長が、王を射殺し、王妃を突き落とし──
バアル神殿を破壊して便所を建てた第10代イスラエル王国国王の全記録。
JPY 200(税込)
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本書について
紀元前857年、ホレブ山でのヤハウェの預言から、紀元前818年、崩御まで。本書は、第10代イスラエル王国国王イエフの全過程を一本の時系列に貫き、一元化した一冊である。
紀元前857年、預言者エリヤがホレブ山でヤハウェの言葉を受けた。ヤハウェはエリヤに、ニムシの子イエフに油を注いでイスラエル王国国王とする様命じた。ハザエルの剣を逃れる者をイエフが殺し、イエフの剣を逃れる者をエリシャが殺すと預言された。
紀元前853年、アハブがラモト・ギルアデの戦いで崩御した。此の戦いの後、預言者イエフはエルサレムに帰還したヨシャファトに対し、ヤハウェの憎むアハブと友になった事を非難した。
紀元前842年、エリシャが預言者仲間の若者をラモト・ギルアデに遣わせ、軍の高官達の会議中にイエフに油を注がせた。若者はアハブの家を一掃する様ヤハウェの預言を伝えると、戸を開けて逃げた。家来達は大急ぎで上着をイエフの足元に敷き、角笛を吹き鳴らした。イエフはイズレエルへ進軍し、ナボテの所有地でヨラムと遭遇した。イエフは弓を引き絞りヨラムの心臓を射抜き、侍従ビデカルにナボテの葡萄畑に投げ捨てさせた。更にアハズヤを追撃して傷を負わせ、メギドで崩御させた。
イゼベルはフェニキア仕込みの化粧で屋上間の窓からイエフを見下ろしたが、イエフは宦官達に突き落とす様命じた。イゼベルの血は壁や馬に飛び散り、馬がイゼベルを踏み付けた。イエフが食事を済ませてから葬りの指示を行った時には、野良犬がイゼベルの死体を食べ、頭蓋骨・両足・両手首しか残っていなかった。イゼベルがティルスの王女であった事から、ティルスとイスラエル王国の関係は断絶した。
紀元前841年、イエフはアハブの子供70名・有力者・親友・祭司・アハズヤの関係者42名を一人残らず殺害させた。更にバアルに大いに仕えると偽り、バアルの預言者・信者・祭司を全員バアル神殿に集めさせた上で、近衛兵と侍従達80名に皆殺しにさせた。バアル神殿の石柱を焼き捨て、神殿を破壊し、其の跡に便所を建てた。しかしイエフ自身は金の子牛を崇拝した。同年、イエフは新アッシリア帝国のシャルマネセル3世に貢ぎ物を捧げた。紀元前818年、イエフは崩御し、ヨアハズが第11代イスラエル王国国王に即位した。本書は、ヤハウェの預言により選ばれ、アハブの家を一掃してバアル信仰を根絶しながらも金の子牛の崇拝から離れなかった王の39年間を、年月日単位で記録した年表である。
登場人物
- イエフ 第10代イスラエル王国国王。ニムシの子。エリシャの命により油を注がれた。ヨラムを射殺し、イゼベルを突き落とさせ、アハブの家を一掃した。バアル神殿を破壊して便所を建てたが、金の子牛を崇拝した。シャルマネセル3世に貢ぎ物を捧げた。紀元前818年に崩御。
- エリヤ 預言者。ホレブ山でヤハウェの言葉を受け、イエフに油を注いでイスラエル王国国王とする様命じられた。
- エリシャ 預言者。エリヤの後継者。預言者仲間の若者をラモト・ギルアデに遣わせ、イエフに油を注がせた。
- ヨラム 第9代イスラエル王国国王。アハブの弐男。ハザエル征伐で負傷してイズレエルに帰還した後、ナボテの所有地でイエフに心臓を射抜かれて死亡した。
- イゼベル アハブの妻。シドン人の王エテバアルの娘。ティルスの王女。フェニキア仕込みの化粧で屋上間の窓からイエフを見下ろしたが、宦官達に突き落とされ、馬に踏み付けられ、野良犬に食われた。
- アハブ 第7代イスラエル王国国王。紀元前853年、ラモト・ギルアデの戦いで変装していたが敵兵の矢に倒れて崩御した。イエフはアハブの家の一掃を命じられていた。
- アハズヤ(ユダ) ユダ王国国王。ヨラムの見舞いの為イズレエルに向かい、イエフの反乱に巻き込まれた。イエフに追撃されて傷を負い、メギドで崩御した。関係者42名もイエフに殺害された。
- ヨシャファト ユダ王国国王。ラモト・ギルアデの戦いでアハブに代わりイスラエル王国国王に変装させられた。戦後、預言者イエフにアハブと友になった事を非難された。
- ビデカル イエフの侍従。イエフの命により、射殺されたヨラムの遺体をナボテの所有地であった葡萄畑に投げ捨てた。
- ヨナダブ レカブ人。バアル神殿での粛清の際、イエフと共にバアル神殿に入り、ヤハウェに仕える者が紛れ込んでいない事を確認した。
- シャルマネセル3世 第4代新アッシリア帝国国王。紀元前841年、イエフから貢ぎ物を受け取った。同年、ティルスとサイダからも貢ぎ物を受け取った。
- ベネハダデ2世 第4代アラム王。ラモト・ギルアデの戦いで配下の戦車隊長32名にイスラエル王国国王のみを狙う様指示した。
- ミカヤ 預言者。ラモト・ギルアデ出撃前にアハブの死を暗示する預言を語った。
- ヨアハズ 第11代イスラエル王国国王。イエフの息子。紀元前818年、イエフの崩御後にサマリアにて即位した。
主要な地名・拠点
- ラモト・ギルアデ 現在のシリアのクネイトラ県付近。紀元前853年にアハブが戦死した地。紀元前842年にエリシャが遣わせた若者がイエフに油を注いだ地。
- イズレエル 現在のイスラエル北部地区。負傷したヨラムが帰還した地。イエフがヨラムを射殺し、イゼベルを突き落とさせた地。ナボテの所有地が在った。
- ホレブ山 現在のエジプトの南シナイ県。エリヤがヤハウェの言葉を受け、イエフをイスラエル王国国王に油を注ぐ様命じられた地。
- サマリア イスラエル王国の首都。バアル神殿が在った地。イエフがバアル神殿を破壊して便所を建てた。イエフの崩御後、ヨアハズが即位した地。
- メギド イエフに追撃されたアハズヤが逃げ込み、崩御した地。
- イブレアム 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県。此の付近のグルへの上り道で、イエフ率いる軍がアハズヤに傷を負わせた。
- ティルス 現在のレバノン南レバノン県スール。イゼベルの出身地。イゼベルの死後、イスラエル王国との関係が断絶した。
- エルサレム ユダ王国の首都。ラモト・ギルアデの戦い後、ヨシャファトが帰還した地。アハズヤの遺体が運ばれ、先祖と共に葬られた地。
預言者に油を注がれた戦車隊長、王の心臓を射抜く弓、
突き落とされた王妃、そして破壊された神殿──39年間の全記録。
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