第9代イスラエル王国国王
ヨラム一元化
バアルの石の柱を撤去しても、罪からは離れなかった──
第9代イスラエル王国国王ヨラムの治世を一元化。
171円(税込)
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本書について
紀元前852年、屋上の部屋の欄干から転落したアハズヤが、2年前のエリヤの預言通りに崩御する。子が無かった為、アハブの弐男ヨラムが第9代イスラエル王国国王に即位した。ヨラムはヤハウェの目に悪を行ったが、アハブやイゼベル程では無く、アハブの作ったバアルの石の柱を撤去している。然し、ヤロブアム1世がイスラエル王国に犯させた罪には執着し、其処から離れる事は無かった。本書は、此の即位から、紀元前842年にイズレエルで迎える最期迄を一元化した、ヨラムの治世の記録である。
紀元前851年、子羊100,000匹と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物として納めていたモアブの王メシャが離反し、反旗を翻した。鎮圧を図るヨラムはヨシャファトをモアブ征伐に誘い、上る道としてエドムの荒れ野を選ぶ。ヨシャファトは自ら従えていたエドムの王と合流し、南方から出陣したが、迂回に7日を費やして部隊と家畜の為の水が底を突いてしまう。泣き言を言うヨラムに、ヨシャファトはヤハウェの預言者に頼る事を勧め、家臣が挙げたのが、エリヤの手に水を注いだ者と呼ばれたシャファテの子エリシャであった。エリシャはヨラムに、アハブやイゼベルの預言者の所へ行けば良いと突き放し、ヨシャファトに敬意を抱いていなければ目もくれなかったと言う。そして竪琴を弾く者を呼び、其の音の中で、風も大雨も無く涸れた谷に水が溢れる事、ヤハウェがモアブを手に渡し、砦の町と選り抜きの町を打ち破らせる事を預言した。
翌朝、捧げ物を献上する頃、水はエドムの方から流れて来て谷を満たした。3名の王が進軍すると、モアブでは剣を帯び鎧を身に付ける年齢に達した者全てが招集され、国境に配置される。其の翌朝、太陽が水面を照らし、モアブの人々は目の前に血の様な赤い水を見た。3名の王が同士討ちをしたに違い無いと考えた彼等は分捕りに出て、返り討ちに遭って敗走する。連合軍はモアブの町々を破壊し、良い畑に石を投げ捨て、水源を塞ぎ、良い木を切り倒した。最後に残った首都キル・ハレセテも包囲されて打ち破られ、追い詰められたメシャは剣使い700名を率いてエドムの王を討とうとしたが果たせず、跡取りである長男を城壁の上で偶像神ケモシュへの全焼の捧げ物とした。之を見たモアブの人々は怒り、連合軍は狼狽して自国へ引き上げた。
紀元前842年、ハザエル征伐の為にラモト・ギルアデで戦っていたヨラムの下へ、アハズヤが援軍として出陣する。此の戦闘で負傷したヨラムは、傷を癒す為にイズレエル(現在のイスラエル北部地区)へ帰った。見舞いに来たアハズヤが居合わせる中、塔の見張りがイエフの軍勢を発見する。迎えに出した騎兵2名が次々にイエフの側に付き、狂った様な車の御し方が伝えられると、ヨラムとアハズヤは各々戦車でイエフを迎えに出た。イズレエル人ナボテの所有地で遭遇した2人に、イエフは母イゼベルの姦淫と呪術を突き付ける。手綱を返して逃げるヨラムは、力一杯引き絞られた弓に心臓を射抜かれ、戦車の中に崩れ落ちた。イエフは侍従ビデカルに、ナボテの所有地であった葡萄畑へ遺体を投げ捨てる様命じ、ナボテの血への報復というヤハウェの宣告を思い起こさせる。ベテ・ハ・ガン(現在のイスラエル北部地区)の道へ逃げたアハズヤも、イブレアム(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県)近くのグルへの上り道で傷を負い、メギドで崩御した。エリシャの部下に油を注がれたイエフは、アハブの家を全滅させる王として第10代イスラエル王国国王に即位する——其の全過程を、本書は一冊に束ねている。
登場人物
- ヨラム 本書の中心人物。アハブの弐男で、紀元前852年に第9代イスラエル王国国王に即位した。アハブの作ったバアルの石の柱を撤去したが、ヤロブアム1世の罪からは離れなかった。離反したモアブの王メシャを討つ遠征をヨシャファトと共に行い、紀元前842年、ラモト・ギルアデで負った傷を癒していたイズレエルでイエフに射抜かれ、ナボテの所有地であった葡萄畑へ投げ捨てられた。
- アハズヤ(イスラエル王国国王) アハブの長男で第8代イスラエル王国国王。屋上の部屋の欄干から転落し、2年前のエリヤの預言通りに紀元前852年に崩御した。子が無かった為、弟のヨラムが跡を継いだ。
- アハブ ヨラムの父で第7代イスラエル王国国王。其の作ったバアルの石の柱は、ヨラムによって撤去された。イエフはヨラムを討つ際、アハブの家への報復を掲げた。
- イゼベル アハブの王妃でヨラムの母。イエフはヨラムとの対面で、其の姦淫と呪術が盛んに行われている事を突き付けた。
- エリシャ シャファテの子で、エリヤの手に水を注いだ者と呼ばれた預言者。水の尽きた荒れ野で3名の王に招かれ、ヨラムを突き放しつつ、ヨシャファトへの敬意から竪琴の音の中で水とモアブ攻略の勝利を預言した。紀元前842年には部下に命じてイエフに油を注がせた。
- ヨシャファト ユダ王国の王。ヨラムに誘われてモアブ征伐に加わり、自ら従えていたエドムの王と合流して南方から出陣した。水が底を突くとヤハウェの預言者に頼る事を勧め、エリシャを訪ねる事となった。
- エドムの王 ヨシャファトが従えていた王。モアブ征伐に加わって南方から出陣し、追い詰められたメシャが剣使い700名を率いて討とうとした相手でもある。
- メシャ モアブの王。子羊100,000匹と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物として納めていたが、紀元前851年に離反した。首都キル・ハレセテを打ち破られると、跡取りの長男を城壁の上でケモシュへの全焼の捧げ物とし、連合軍を狼狽させた。
- イエフ ニムシの子。紀元前842年、エリシャの部下に油を注がれ、アハブの家を全滅させる王として立てられた。イズレエルでヨラムの心臓を弓で射抜き、アハズヤも討たせて、第10代イスラエル王国国王に即位した。
- アハズヤ(ユダ王国国王) ユダ王国の王。ラモト・ギルアデの戦いにヨラムの援軍として出陣し、負傷したヨラムの見舞いでイズレエルに居合わせた。イエフに追撃され、イブレアム近くのグルへの上り道で傷を負い、メギドで崩御してエルサレムの自らの墓に葬られた。
- ビデカル イエフの侍従。射抜かれたヨラムの遺体を、イズレエル人ナボテの所有地であった葡萄畑へ投げ捨てる様命じられた。
- ハザエル アラム王。紀元前842年、ヨラムがラモト・ギルアデで戦った相手であり、ヨラムは此の戦闘で負傷した。
主要な地名・拠点
- エドムの荒れ野 モアブ征伐に向かうヨラム・ヨシャファト・エドムの王が選んだ道。迂回に7日を費やして水が底を突き、翌朝、水は此の方角から流れて来た。
- キル・ハレセテ モアブの首都。連合軍に町々を破壊された末に包囲され、打ち破られた。追い詰められたメシャが、城壁の上で長男を捧げた地でもある。
- ラモト・ギルアデ ハザエル征伐の為にヨラムが戦い、負傷した地。アハズヤも援軍として出陣した。
- イズレエル 現在のイスラエル北部地区。傷を癒す為にヨラムが帰った地。塔の見張りがイエフの軍勢を発見し、イズレエル人ナボテの所有地でヨラムが射抜かれた。
- ベテ・ハ・ガン 現在のイスラエル北部地区。ヨラムが射抜かれた後、アハズヤが逃走した道の在る地。
- イブレアム 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県。近くのグルへの上り道で、戦車の上のアハズヤがイエフ率いる軍に傷を負わされた。
- メギド 傷を負ったアハズヤが何とか逃げ延び、崩御した地。遺体は家来達によってエルサレムへ運ばれた。
赤い水がモアブを誘い、弓の一矢が王を貫いた──
ヨラムのモアブ遠征と最期を一元化。
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