電子書籍「イスラエル王国一元化」の表紙

イスラエル王国一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前928年〜紀元前722年
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
最新更新日
西暦2,025年12月7日

引き裂かれた王国の誕生から、新アッシリア帝国による滅亡まで──
19名の王が治めた206年間の全記録。

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本書について

紀元前928年、ヘブライ王国の分裂から、紀元前722年、新アッシリア帝国によるサマリア陥落まで。本書は、イスラエル王国の建国から滅亡に至る206年間の全過程を一本の時系列に貫き、一元化した一冊である。

紀元前928年、ソロモンの崩御後、レハブアムが若者達の強硬策を採った事で北部の人々は反旗を翻し、ヤロブアム1世を初代国王に擁立してイスラエル王国を建国した。ヤロブアム1世はベテルとダンに金の子牛の祭壇を造り、ヤハウェに背いた。紀元前922年にはシェションク1世がパレスチナに侵攻し、旧ヘブライ王国の領地は蹂躙された。ヤロブアム1世はヨルダンに逃亡し、ペヌエル、次いでティルツァへと遷都を繰り返した。

ヤロブアム1世の崩御後、イスラエル王国は王朝の交代と内紛の時代に入る。第2代ナダブはバシャに暗殺され、バシャの子エラもジムリに殺害された。僅か7日間で滅んだジムリの後、オムリが即位してサマリアを建設し新たな首都とした。オムリの子アハブは、シドン人の王女イゼベルを妻に迎えてバアル礼拝を推進し、預言者エリヤとの激しい対立を生んだ。カルメル山では、エリヤがバアルの預言者450名と対峙し、ヤハウェの火を呼び降ろした。

アハブはアラム王ベネハダデ2世との戦いに勝利を重ねたが、紀元前853年のラモト・ギルアデの戦いで敵兵の矢に倒れた。アハブの死後、モアブの王メシャが離反し、預言者エリシャの時代が到来する。エリシャはナアマンのツァーラアトを癒し、ヨアシュにアラムへの勝利を預言した。紀元前842年、エリシャの命によりイエフが油を注がれ、ヨラムを射殺し、イゼベルを突き落とさせ、アハブの家を一掃してバアル神殿を破壊した。

イエフの王朝の下、イスラエル王国はアラムの脅威に苦しんだが、紀元前805年に新アッシリア帝国がアラムを降伏させた事で転機を迎えた。ヤロブアム2世の治世にはレボ・ハマトから死海までの領域を奪回し、通商路を支配下に置いて経済的繁栄を享受した。しかし預言者アモスとホセアは、社会的不正と偶像崇拝を厳しく糾弾した。

ヤロブアム2世の崩御後、ゼカリヤ・シャルム・メナヘム・ペカフヤ・ペカと暗殺が相次ぎ、王国は急速に衰退した。紀元前733年、ティグラト・ピレセル3世がイスラエル王国の領土の3分の2を併合し、最後の王ホセアはエフライムの高原地帯のみを支配した。ホセアがエジプトに援助を求めて新アッシリア帝国への貢納を停止すると、シャルマネセル5世に捕縛され、3年間の包囲の末、紀元前722年にサマリアは陥落し、イスラエル王国は滅亡した。本書は、19名の王と数多の預言者が織り成した206年間の全記録を、年月日単位で収録した年表である。


登場人物

  • ヤロブアム1世 初代イスラエル王国国王。預言者アヒヤから10部族を与えるとの預言を受け、ヘブライ王国分裂後に即位した。ベテルとダンに金の子牛の祭壇を造り、ヤハウェに背いた。紀元前910年に崩御。
  • ナダブ 第2代イスラエル王国国王。ヤロブアム1世の息子。父が始めた金の子牛の崇拝を踏襲した。ギベトン攻囲中にバシャに暗殺された。
  • バシャ 第3代イスラエル王国国王。イッサカルの家出身の軍司令官。ナダブを殺害して即位し、ヤロブアム1世の家系を全滅させた。ユダ王国との国境紛争ではラマに城塞を築こうとした。
  • エラ 第4代イスラエル王国国王。バシャの息子。ティルツァの宮廷長アルツァの家で酒に酔っている所をジムリに殺害された。
  • ジムリ 第5代イスラエル王国国王。戦車隊長。エラを殺害して即位したが、在位僅か7日間でオムリに追い詰められ、王宮に火を放って自害した。
  • オムリ 第6代イスラエル王国国王。イスラエル王国軍司令官。サマリアを建設して首都とした。モアブ人の領土を征服し、先人の誰よりも悪事をしたと記される。
  • アハブ 第7代イスラエル王国国王。オムリの息子。イゼベルと結婚しバアル礼拝を推進した。アラム軍との戦いに勝利を重ねたが、紀元前853年のラモト・ギルアデの戦いで戦死した。
  • アハズヤ 第8代イスラエル王国国王。アハブの息子。屋上の部屋の欄干から転落して重体となり、エリヤの預言通りに崩御した。
  • ヨラム 第9代イスラエル王国国王。アハブの弐男。バアルの石の柱を撤去したがヤロブアム1世の罪から離れなかった。イエフに射殺された。
  • イエフ 第10代イスラエル王国国王。エリシャの命により油を注がれた。ヨラムを射殺し、イゼベルを突き落とさせ、アハブの家を一掃してバアル神殿を破壊した。新アッシリア帝国に貢ぎ物を捧げた。
  • ヨアハズ 第11代イスラエル王国国王。イエフの息子。アラムの脅威に苦しみ、武装解除された。
  • ヨアシュ 第12代イスラエル王国国王。ヨアハズの息子。病床のエリシャを見舞い、アラムへの勝利を預言された。ベネハダデ3世を3度打ち破り、奪われた町々を奪還した。
  • ヤロブアム2世 第13代イスラエル王国国王。ヨアシュの息子。レボ・ハマトから死海までの領域を奪回し、通商路を支配下に置いてイスラエル王国に経済的繁栄を齎した。
  • ゼカリヤ 第14代イスラエル王国国王。ヤロブアム2世の息子。在位僅か6ヶ月でシャルムに民衆の前で暗殺された。
  • シャルム 第15代イスラエル王国国王。イスラエル王国軍の隊長。ゼカリヤを暗殺して即位したが、在位僅か1ヶ月でメナヘムに暗殺された。
  • メナヘム 第16代イスラエル王国国王。シャルムを暗殺して即位した。ティグラト・ピレセル3世に銀1,000タラントを支払い、新アッシリア帝国の属国となった。
  • ペカフヤ 第17代イスラエル王国国王。メナヘムの息子。父の親新アッシリア帝国路線を踏襲したが、副官ペカに暗殺された。
  • ペカ 第18代イスラエル王国国王。ペカフヤの副官。アラム王レツィンと同盟を結び新アッシリア帝国に対抗しようとした。ユダ王国に侵攻し、1日で120,000名を殺害した。ホセアに暗殺された。
  • ホセア 第19代にして最後のイスラエル王国国王。ペカを暗殺して即位した。エジプトに援助を求めて新アッシリア帝国への貢納を停止し、捕縛された。
  • イゼベル アハブの妻。シドン人の王エテバアルの娘。バアル礼拝を推進し、ヤハウェの預言者達を殺害した。イエフの命により宦官達に突き落とされ、野良犬に食われた。
  • エリヤ 預言者。アハブに飢饉の到来を警告し、カルメル山でバアルの預言者450名と対峙してヤハウェの火を呼び降ろした。イゼベルの追跡から逃れ、ホレブ山でヤハウェの言葉を受けた。エリシャを後継者に指名した。
  • エリシャ 預言者。エリヤの後継者。ナアマンのツァーラアトを癒し、ハザエルにアラム王即位を、イエフにイスラエル王国国王即位を預言した。ヨアシュにアラムへの勝利を預言した。
  • アヒヤ 預言者。外套を12切れに引き裂いてヤロブアム1世に10切れを渡し、10部族を与えるとの預言を伝えた。後にヤロブアム1世の妻に息子アビヤの死を預言した。
  • アモス 預言者。テコアの羊飼い。ヤロブアム2世の治世にイスラエル王国の社会的不正と偶像崇拝を糾弾し、王国の滅亡を預言した。
  • ホセア(預言者) 預言者。ヤハウェの命によりゴメルを娶り、3人の子に象徴的な名を付けた。ゴメルの姦通と買い戻しを通じて、イスラエル王国とヤハウェの関係を預言した。
  • ベネハダデ2世 第4代アラム王。サマリアを包囲してアハブを脅迫したが、2度の戦いで敗北した。将軍ナアマンが全幅の信頼を寄せた主君。ハザエルに濡れた毛布を掛けられ暗殺された。
  • ハザエル 第5代アラム王。ベネハダデ2世を暗殺して即位した。イスラエル王国のヨルダン川東側の領土を侵攻し、エルサレムにも進軍した。
  • ナアマン アラム軍の将軍。ツァーラアトを患い、エリシャの助言に従いヨルダン川で7回身を浸して完治した。以後ヤハウェの他にはどの神にも生贄を捧げないと誓った。
  • ティグラト・ピレセル3世 第10代新アッシリア帝国国王。イスラエル王国を侵略して属国とし、領土の3分の2を併合した。ダマスカスを征服してレツィンを殺害した。
  • サルゴン2世 第12代新アッシリア帝国国王。3年間の包囲の末サマリアを陥落させ、イスラエル王国を滅亡させた。捕虜をテル・ハラフ、ハブール川の畔、メディア王国の町々に定住させた。

主要な地名・拠点

  • シェケム イスラエル王国の最初の首都。北部の人々がヤロブアム1世を初代国王に擁立した地。
  • ペヌエル 現在のヨルダンのアジュルーン県。シェションク1世の侵攻を受け、ヤロブアム1世が一時遷都させた先。
  • ティルツァ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ナーブルス県テル・エル・ファラ(北)。ヤロブアム1世が遷都させた先。オムリによるサマリア建設まで首都であった。
  • サマリア オムリが銀2タラントでセメルから山を購入して建設した都市。イスラエル王国最後の首都。紀元前722年に新アッシリア帝国軍に陥落させられた。
  • ベテル 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ラマッラー・アル・ビーレ県。ヤロブアム1世が金の子牛の祭壇を造った場所の一つ。
  • ダン 現在のイスラエル北部地区テル・エル・カディ。ヤロブアム1世が金の子牛の祭壇を造ったもう一つの場所。
  • カルメル山 エリヤがバアルの預言者450名と対峙し、ヤハウェの火を呼び降ろした場所。
  • ラモト・ギルアデ 現在のシリアのクネイトラ県付近。アハブがアラム軍との戦いで戦死した地。後にイエフがエリシャの命により油を注がれた地。
  • ダマスカス 現在のシリアの首都。アラム王国の首都。ティグラト・ピレセル3世に征服されて属州とされた。
  • エルサレム ヘブライ王国の首都。分裂後はユダ王国の首都となった。ヤロブアム1世が人心の離反を恐れ、巡礼を妨げようとした地。
  • ニネヴェ 現在のイラクのニーナワー県。新アッシリア帝国の首都。預言者ヨナが滅亡を預言した地。住民の悔い改めにより滅亡を免れた。
  • ホレブ山 現在のエジプトの南シナイ県。エリヤがイゼベルから逃れ、40日間何も食べずに辿り着いた地。ヤハウェからハザエル・イエフ・エリシャへの油注ぎを命じられた。

預言者の言葉に揺れ、暗殺と王朝交代を繰り返し、
やがて帝国の鉄槌に砕かれた王国──206年間の全記録。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「一元化」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
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