電子書籍「イスラエル王国一元化」の表紙

イスラエル王国一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前928年頃〜紀元前722年
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
ページ数
54ページ
最新更新日
西暦2,026年8月5日

12切れに裂かれた外套から、サマリア陥落の日まで──
北王国イスラエル206年、全19代の王の興亡を一元化。

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本書について

紀元前928年頃、エルサレムを出た1人の労役監督の前に、真新しい外套を着た預言者アヒヤが現れた。アヒヤは其の外套を12切れに引き裂き「10切れを取るが良い」と告げる。10部族が其の男に与えられるという預言であった。男の名はヤロブアム1世。ソロモンに命を狙われた彼は、エジプト第22王朝ファラオのシェションク1世の下へ逃亡し、ソロモンの崩御を待った。跡を継いだレハブアムは、重い軛を軽くしてほしいという北部の人々の訴えに対し、若者達の助言を採って「私の小指はソロモンの腰より太い」と応じ、遣わせた役務長官アドニラムは石撃ちで殺された。北部の人々はシェケムにイスラエル王国を建て、ヤロブアム1世を初代国王に擁立する。本書は、此の分裂の日から滅亡の日までの206年を、年単位で一元化した記録である。

建国者が最初に行ったのは、宗教の作り替えであった。エルサレム神殿への巡礼が続けば人心は南へ帰るという危機感から、ヤロブアム1世はベテルで金の子牛を造り、ダンとテル・ベイティンに祭壇を設け、仮庵の祭りを第7の月の15日から第8の月の15日へ移し、レビ人ではない一般人を祭司に任じた。ユダ王国から来た1人の神の人が「其の名はヨシヤ」という遥か先の王の名を告げると、祭壇は裂けて灰が零れた。だが其の神の人自身も、ベテルの年寄りの預言者の偽りの言葉に翻意して引き返し、帰り道で獅子に殺される。獅子は遺体を食べず、驢馬も殺さず、ただ側に立っていた。息子アビヤの死を告げたのも、かつて外套を裂いた同じアヒヤであった。

王朝は次々と血で塗り替えられてゆく。紀元前908年、ナダブはギベトン攻囲の陣中でバシャに殺され、ヤロブアム1世の家系は全員が絶やされた。紀元前873年頃には、戦車隊長ジムリが酒に酔うエラを討って王を名乗るが、其の在位は僅か7日間、王宮に自ら火を放って自害した。此処から立ち上がったのが司令官オムリである。オムリは銀2タラントでセメルから山を購入して町を築き、其の名を「サマリア」と名付け、紀元前867年頃に遷都した。国は初めて確固たる首都を得たが、同時に、ヤハウェの目の前に先人の誰よりも勝って悪を行った王でもあった。

紀元前861年頃に即位したアハブは、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを迎え、サマリアにバアルの神殿を建てさせた。此の治世に、預言者エリヤとエリシャが現れる。飢饉の宣告、カルメル山でのバアルの預言者450名との対決、ホレブ山での啓示、ナアマンのツァーラアト完治とゲハジの欺き──本書はそれらを、アラム王ベネハダデ2世によるサマリア包囲や、歩兵100,000名を打ち殺したアフェクの戦いと同じ年表の上に並べて記録している。そして紀元前853年頃、変装して臨んだラモト・ギルアデの戦いで、敵兵の矢が草摺の伱間を射抜き、アハブはミカヤの預言通りに命を落とした。

紀元前842年頃、ホレブ山で告げられていた油注ぎが果たされる。エリシャが遣わせた若者にラモト・ギルアデで油を注がれたイエフは、イズレエル人ナボテの所有地でヨラムの心臓を射抜き、アハズヤをも追撃した。窓辺で化粧を施して見下ろしたイゼベルは宦官達に突き落とされ、野良犬に食われて頭蓋骨・両足・両手首しか残らなかった。翌紀元前841年頃、イエフはアハブの子供70名と関係者を一人残らず殺し、偽りの祭儀でバアルの信者を神殿に集めて皆殺しにした上、其の神殿を壊して便所を建てた。しかし彼自身は金の子牛を崇拝し続け、同じ年、新アッシリア帝国のシャルマネセル3世に貢ぎ物を捧げている。

紀元前760年頃、ヤロブアム2世はレボ・ハマトから死海までを奪回し、通商路を握って国を経済的な繁栄へ導いた。だがその繁栄の只中で、テコアの羊飼いアモスは「エファ升は小さくし、分銅は重くし」と偽りの秤を告発し、ホセアは姦淫の女ゴメルを娶って国の姿を身に負った。紀元前745年頃、ゼカリヤが6ヶ月、シャルムが1ヶ月で相次いで暗殺されると、国は坂を転げ落ちる。紀元前742年、メナヘムはティグラト・ピレセル3世に1,000タラントを納めて属国となり、紀元前733年には領土の2/3を失った。最後の王ホセアがエジプトに援助を請うて朝貢を止めると、紀元前722年、3年間の包囲の末にサマリアは陥落し、王国は滅び、民は流刑に処された。分裂から滅亡まで、19代の王の全てを、本書は一冊に束ねている。


登場人物

  • ヤロブアム1世 初代イスラエル王国国王。ソロモンからヨセフ族の労役全体の監督に任命されたが、預言者アヒヤに外套の10切れを与えられて王位を予告され、命を狙われてシェションク1世の下へ逃亡した。分裂後に擁立され、ベテルで金の子牛を造り、祭りの日を移し、レビ人でない者を祭司に任じて新たな宗教を作った。
  • アヒヤ シロの預言者。真新しい外套を12切れに引き裂き、ヤロブアム1世に10切れを与えて10部族の王となる事を預言した。老いて目が見えなくなった後も、変装したヤロブアム1世の妻を足音で見抜き、息子アビヤの死と王家の断絶を告げた。
  • レハブアム 第5代ヘブライ王国国王・初代ユダ王国国王。ソロモンとアモン人ナアマの息子。軛を軽くする様求める北部の人々に、長老達ではなく若者達の助言を採って「私は蠍で懲らしめる」と答え、王国分裂を招いた。180,000名を招集してイスラエル王国征伐を試みたが、預言者シェマヤの言葉で中止した。
  • バシャ 第3代イスラエル王国国王。イッサカルの家のアヒヤの子。イスラエル王国軍司令官としてギベトン攻囲中に謀反を起こしてナダブを殺害し、ヤロブアム1世の家系を全員殺害した。晩年はユダ王国領ラマに城塞を築こうとしたが、アサの賄賂で動いたベネハダデ1世の襲撃を受けて工事を中止した。
  • ジムリ 第5代イスラエル王国国王。2つ在る戦車隊の内の1つの戦車隊長。宮廷長アルツァの家で酒に酔うエラを攻囲して殺害し、王を名乗ってバシャの一族を皆殺しにした。しかし在位は僅か7日間で、オムリ率いる軍にティルツァを占領されると、王宮に自ら火を放って自害した。
  • オムリ 第6代イスラエル王国国王。ギベトン侵攻中にエラ殺害を知った軍に擁立され、ティルツァを攻囲してジムリを追い詰めた。ティブニを推す派との分裂を経て支配を確立し、銀2タラントでセメルから山を購入して町を築き、セメルに因んで「サマリア」と名付けて遷都した。モアブ人を征服して羊毛の貢物を課した。
  • アハブ 第7代イスラエル王国国王。オムリの息子。フェニキアとの同盟を強化し、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを王妃に迎えた。エリヤに飢饉を警告され、ベネハダデ2世の侵攻を二度退けたが、和平を結んだ事を預言者に咎められた。紀元前853年頃、変装して臨んだラモト・ギルアデの戦いで矢を受け、崩御した。
  • イゼベル アハブの妻。シドン人の王エテバアルの娘。サマリアにバアルの神殿を建てさせて礼拝を推し進め、ヤハウェの預言者達を殺害した。紀元前842年頃、目に化粧をし髪を結って窓から見下ろしたが、宦官達に突き落とされて馬に踏み付けられ、野良犬に食われて頭蓋骨・両足・両手首しか残らなかった。
  • エリヤ 預言者。アハブに数年の旱魃を宣告し、ケリテ川とザレパテに身を隠した。カルメル山でバアルの預言者450名と対決して天からの火を呼び降ろし、キション川で彼等を剣に掛けた。イゼベルの脅迫を逃れてホレブ山に至り、ハザエル・イエフ・エリシャへの油注ぎを命じられた。
  • エリシャ 預言者。シャファテの子。アベル・メホラで畑を耕していた所をエリヤに外套を掛けられ、後継者となった。ナアマンにヨルダン川での7度の沐浴を命じて癒し、モアブ征伐では涸れた谷に溢れる水を預言し、ハザエルとイエフに王位を告げた。其の遺骨は、触れた遺体を蘇生させたと記録されている。
  • ヨラム(イスラエル王国国王) 第9代イスラエル王国国王。アハブの弐男。子の無いアハズヤの崩御を受けて即位し、アハブが作ったバアルの石の柱を撤去したが、ヤロブアム1世の罪からは離れなかった。モアブ征伐でエリシャの預言を仰ぎ、紀元前842年頃、ラモト・ギルアデでの負傷を癒していたイズレエルでイエフに射抜かれた。
  • イエフ 第10代イスラエル王国国王。ニムシの子。エリシャが遣わせた若者にラモト・ギルアデで油を注がれ、ヨラムとアハズヤを討ってオムリ王朝を終わらせた。アハブの子供70名と関係者を殺し、偽りの祭儀でバアルの信者を神殿に集めて皆殺しにし、神殿を壊して便所を建てたが、自身は金の子牛を崇拝した。
  • ヨアシュ 第12代イスラエル王国国王。ヨアハズの息子。病床のエリシャを見舞い「我が父、我が父、貴方はイスラエル王国の力です」と泣いた。矢で地面を打つ回数が3回に留まった為、アラムを打つのも3度だけになると告げられた。後にベネハダデ3世を3度打ち破り、アマツヤをベト・シェメシュで撃退した。
  • ヤロブアム2世 第13代イスラエル王国国王。ヨアシュの領土回復策を推し進め、レボ・ハマトから死海までの領域を奪回した。ダマスカスやハマーを手中に収め、ヨルダン東岸やフェニキア諸都市からの通商路を支配して通行税を得、イスラエル王国に経済的繁栄を齎した。
  • アモス 預言者。テコアで羊飼いと無花果桑の木の栽培に従事していた。繁栄の只中のイスラエル王国で「エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使って誤魔化そう」と語る者達を告発し、剣によるヤロブアム2世の家への裁きと、パンでも水でもなくヤハウェの言葉に飢える日を預言した。
  • ホセア(預言者) 預言者。ヤハウェの命により姦淫の女ディブライムの娘ゴメルを娶り、生まれた子等をイズレエル・ロ・ルハマ・ロ・アンミと名付けた。ゴメルが愛人の下へ去った後、銀15シェケルと大麦330Lを払って買い戻し、国と神との関係を自らの家庭で体現した。
  • メナヘム 第16代イスラエル王国国王。ヤベシュの子。シャルムがゼカリヤを暗殺した事を聞き、ティルツァから上ってサマリアでシャルムを暗殺し、即位した。紀元前742年、ティグラト・ピレセル3世に対し、勇敢な力の有る者達60,000名から徴収した計1,000タラントを納め、新アッシリア帝国の属国となった。
  • ペカ 第18代イスラエル王国国王。ペカフヤの副官。親新アッシリア帝国路線に不満を持ち、50名の仲間と共にペカフヤを暗殺して即位した。アラム王レツィンと同盟を結んで新アッシリア帝国に対抗し、ユダ王国を反新アッシリア同盟へ引き入れる為にエルサレムへ上った。紀元前732年、ホセアに暗殺された。
  • ホセア(イスラエル王国国王) 第19代イスラエル王国国王。最後の王。エラの子。ペカを暗殺して即位し、直ちにティグラト・ピレセル3世に降伏して属王として承認された。しかしシャルマネセル5世の代にエジプト第22王朝ファラオのオソルコン4世へ援助を請い、朝貢を止めた為、留置場に入れられた。
  • ティグラト・ピレセル3世 新アッシリア帝国国王。紀元前742年にイスラエル王国を侵略してメナヘムから1,000タラントを取り、紀元前733年にはヨルダン川東岸地方・ガラリヤ・海岸平野を併合して、イスラエル王国から領土の2/3を奪った。紀元前732年にはダマスカスを征服してレツィンを殺害し、属州とした。
  • サルゴン2世 第12代新アッシリア帝国国王。息子センナケリブと共に、イスラエル王国の10部族とユダ王国の46の町の人間を捕虜とした。捕虜はサマリアから連行され、テル・ハラフ・ハブール川の畔・メディア王国の町々へ定住させられた。

本書が記録する出来事

  • 12切れに裂かれた外套とヘブライ王国の分裂 紀元前928年頃、本書の起点。預言者アヒヤが外套を12切れに裂いてヤロブアム1世に10切れを与えた。ソロモン崩御後、レハブアムが北部の人々の訴えを退けて役務長官アドニラムを失うと、北部はシェケムにイスラエル王国を建国し、ヤロブアム1世を初代国王に擁立した。
  • ベテルの金の子牛と新たな祭儀 紀元前928年頃、エルサレム神殿への巡礼で人心が離れる事を恐れたヤロブアム1世は、ベテルで金の子牛を造り、ダンとテル・ベイティンに祭壇を設けた。仮庵の祭りを第7の月の15日から第8の月の15日に変更し、レビ人ではない一般人を祭司に任命した。
  • ベテルの神の人と獅子 紀元前928年頃、ユダ王国から来た神の人が祭壇に向かって「其の名はヨシヤ」と預言すると、ヤロブアム1世の伸ばした手は動かなくなり、祭壇は裂けて灰が零れた。しかし神の人は年寄りの預言者の偽りの言葉に翻意して引き返し、帰り道で獅子に殺された。獅子は遺体を食べず、驢馬も殺さなかった。
  • シェションク1世のパレスチナ侵攻 紀元前922年頃、シェションク1世がネゲヴ・エドム人の領地・イスラエル王国の領土を荒らし、レバノンの森の宮殿の延金の盾も奪った。ヤロブアム1世はヨルダンへ逃亡してペヌエルに遷都し、後にティルツァへ移した。ユダ王国は滅亡を免れたものの、エジプト第22王朝の属国となった。
  • バシャの謀反とヤロブアム家の断絶 紀元前908年、ギベトンを攻囲していたナダブが、軍司令官バシャの謀反によって殺害された。ティルツァで即位したバシャは、ヤロブアム1世の家系の者を全員殺害して地位を固めたが、預言者エヒウから、其の家もヤロブアム1世の家の様になると告げられた。
  • ラマの築城とアラムの介入 紀元前875年、バシャがユダ王国領ラマに城塞を築こうとすると、アサは神殿と王宮の金銀をベネハダデ1世に送ってアラムとの同盟を破棄させた。イヨン・ダン・アベル・ベト・マアカ・キネレト・ナフタリ族の領地が襲撃され、バシャは工事を中止してティルツァへ帰還した。
  • ジムリの7日間とオムリの台頭 紀元前873年頃、戦車隊長ジムリが酒に酔うエラを討って王を名乗り、バシャの一族を皆殺しにした。しかしギベトンの軍が司令官オムリを擁立して引き返し、ティルツァを占領すると、ジムリは王宮に自ら火を放って自害した。在位は僅か7日間であった。
  • サマリアの建設と遷都 紀元前873年頃から紀元前867年頃、オムリは銀2タラントでセメルから山を購入して町の建設を始め、其の名を「サマリア」と名付けた。ティブニの死によって支配を確立した後、首都をティルツァからサマリアへ移し、王国は初めて確固たる都を得た。
  • アハブとイゼベルの婚姻とバアル礼拝 紀元前861年頃、オムリの崩御を受けて即位したアハブは、フェニキアとの同盟を強化し、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを王妃に迎えた。イゼベルはサマリアにバアルの神殿を建設させて礼拝を推し進め、アハブは其の言うが儘となった。同じ年、エリヤが飢饉を宣告した。
  • ナアマンのツァーラアト完治とゲハジの欺き 紀元前861年頃、アラムの将軍ナアマンが金68.4kg・銀340kg・着物10着と紹介状を携えて来訪した。エリシャの言葉に従ってヨルダン川に7度身を浸すと完治したが、贈り物を掠め取った従者ゲハジの肌は雪の様に白くなった。
  • サマリア包囲とアフェクの戦い 紀元前858年頃から紀元前857年頃、ベネハダデ2世が32名の王侯を率いてサマリアを包囲したが、諸国の首長に属する若い者達232名を先陣とするイスラエル王国軍が撃退した。翌年のアフェクでは歩兵100,000名が打ち殺され、逃げた残党27,000名の上に城壁が崩れ落ちた。
  • カルメル山の対決 紀元前857年頃、飢饉が3年6ヶ月に及んだ頃、バアルの預言者450名・アシェラの預言者400名がカルメル山に集められた。彼等が身を傷付けて呼び続けても応答は無く、12の石で築かれたエリヤの祭壇には火が降り、雄牛も薪も石も溝の水も焼き尽くされた。
  • ラモト・ギルアデとアハブの戦死 紀元前853年頃、ミカヤの凶兆の預言を退けてアハブが出陣した。変装した王に代えてヨシャファトが真っ先に狙われたが、アハブ自身も甲冑の草摺の伱間を矢に射抜かれ、夕方に崩御した。此れを切っ掛けに、モアブの王メシャが貢物を止めた。
  • モアブ征伐とメシャの人身御供 紀元前851年頃、エリシャの預言通りエドムの方から水が流れて谷を満たした。赤い水を血と見誤って攻め込んだモアブ軍は返り討ちに遭い、首都キル・ハレセテまで追い詰められる。メシャは跡取りの長男を城壁の上で偶像神ケモシュに献上し、連合軍は狼狽して引き上げた。
  • イエフの叛乱とイゼベルの最期 紀元前842年頃、ラモト・ギルアデで油を注がれたイエフは、イズレエル人ナボテの所有地でヨラムを射抜き、アハズヤをも追撃してメギドで死に至らしめた。窓辺で化粧を施したイゼベルは宦官達に突き落とされ、野良犬に食われて頭蓋骨・両足・両手首しか残らなかった。
  • バアル神殿の粛清と便所への転用 紀元前841年頃、イエフはアハブの子供70名と有力者・親友・祭司、アハズヤの関係者42名を殺した。更に「私は大いにバアルに仕える積もりだ」と偽って信者を神殿に集め、近衛兵と侍従達80名に皆殺しにさせ、石柱を焼き、神殿を破壊して便所を建てた。同年、シャルマネセル3世に貢ぎ物を捧げている。
  • ヤロブアム2世の繁栄 紀元前760年頃、ヤロブアム2世はレボ・ハマトから死海までの領域を奪回し、アラム人・アモン人・モアブ人の支配から脱却した。ダマスカスやハマーを収め、ヨルダン東岸やフェニキア諸都市からの通商路を握って、オリーブ油・ワイン・馬の貿易と通行税で国は経済的に繁栄した。
  • アモスとホセアの告発 紀元前750年頃、繁栄の只中でテコアの羊飼いアモスが偽りの秤と貧者の売買を告発し、ヤロブアム2世の家への裁きを預言した。同じ頃ホセアは、姦淫の女ゴメルを娶り、生まれた子等をイズレエル・ロ・ルハマ・ロ・アンミと名付けて、国と神との関係を自らの家庭で示した。
  • 6ヶ月と1ヶ月の王位簒奪 紀元前745年頃、ヤロブアム2世の崩御後に即位したゼカリヤは、隊長シャルムに民衆の前で暗殺された。其の在位は6ヶ月。シャルムもまた、ティルツァから上ったヤベシュの子メナヘムに暗殺され、王位は僅か1ヶ月で移った。
  • 1,000タラントの朝貢と属国化 紀元前742年、ティグラト・ピレセル3世がイスラエル王国を侵略した。勇敢な力の有る者達60,000名から銀50シェケルずつ徴収した計1,000タラントをメナヘムが納め、王国は新アッシリア帝国の属国となった。
  • 反新アッシリア同盟とユダ王国侵攻 紀元前734年頃、ペカとレツィンがアハズに同盟参加を呼び掛けたが拒まれ、力尽くで引き入れる為にエルサレムへ上った。ペカ率いる軍は1日で120,000名を殺害し200,000名を捕虜としたが、預言者オデデの警告を受けて捕虜を家へ帰した。アハズは新アッシリア帝国に援軍を請うた。
  • 領土2/3の喪失 紀元前733年、ティグラト・ピレセル3世率いる新アッシリア帝国軍が、ヨルダン川東岸地方・ガラリヤ・海岸平野を併合した。イスラエル王国は領土の2/3を失い、翌年ペカを暗殺して即位したホセアの支配は、エフライムの高原地帯のみに縮んだ。
  • サマリア陥落とイスラエル王国の滅亡 紀元前722年、本書が記録する最後の出来事。サルゴン2世と息子センナケリブが10部族を捕虜とし、テル・ハラフ・ハブール川の畔・メディア王国の町々へ移住させた。3年間の包囲の末にサマリアは陥落し、イスラエル王国は滅亡して属州となり、民は流刑に処された。

金の子牛、カルメル山の炎、イエフの粛清、そしてサマリア陥落──
初代ヤロブアム1世から最後の王ホセアまでの206年を一元化。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
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