電子書籍「エリヤ一元化」の表紙

エリヤ一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前861年頃〜847年頃
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
ページ数
8ページ
文字数
7,150字
最新更新日
西暦2,026年9月18日

枯れたケリテ川を離れても、寡女の甕は尽きなかった──
預言者エリヤの歩みを紀元前861年から一元化。

243円(税込)

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皇室献上品 高級トイレットペーパー
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本書について

紀元前861年、預言者エリヤはアハブの前に立ち、自らの言葉が無い内は数年雨の露も無く、植物も育たないと、飢饉の到来を警告した。軈てサマリアで飢饉が始まると、エリヤはケリテ川(現在のヨルダンのイルビド県・アジュルン県付近)に身を隠し、其の水を飲んで凌いだが、川は程無く枯れる。次に向かったのは、イゼベルの出身地であるシドン(現在のレバノンの南レバノン県)に属するザレパテであった。門で薪を拾う寡女に水と一口のパンを求めると、寡女は、甕に一握りの小麦粉と瓶に少しの油しか無く、子と共に最後の食事をして死のうとしていると訴えた。エリヤは、恐れずに先ず自分の為に小さいパンを作る様告げ、雨が地表に降る日迄、甕の小麦粉は尽きず瓶の油は絶えないというヤハウェの言葉を伝える。寡女が其の通りにすると、エリヤと寡女の家族は久しく食べる事が出来た。本書は、此の飢饉の預言から、紀元前847年にユダ王国国王ヨラムへ届いた書簡迄を一元化した、預言者エリヤの記録である。

警告から3年6ヶ月、飢饉に襲われ続けたサマリアで、アハブは宮廷長オバデヤを呼び寄せた。イゼベルがヤハウェの預言者達を殺害した際、100名の預言者を救い出して50名ずつ洞窟に匿い、パンと水で養った人物である。馬や騾馬を生かす草を探して二手に分かれたオバデヤは、道でエリヤに出会う。殺される事を恐れながらもアハブへ其の居場所を告げ、アハブはエリヤと対面して「イスラエル王国を悩ます者よ」と責めた。エリヤは、悩ましたのは貴方とオムリであり、ヤハウェの命に背いてバアルに従った為だと返し、全てのイスラエル王国民・バアルの預言者450名・アシェラの預言者400名・イゼベルの食卓で食事を摂る者達をカルメル山に集める様命じる。

火を以って答える神を神としよう——2頭の雄牛が用意され、バアルの預言者達は朝から昼迄バアルの名を呼び、祭壇の周辺で踊り、刀と槍で其の身を傷付けて血を流したが、何の声も無く、答える者も居なかった。エリヤは破損したヤハウェの祭壇を修繕し、イスラエルの12部族に因んだ12の石で祭壇を築き、溝を掘って薪を並べ、4つの甕の水を3度注がせてから祈った。雄牛・薪・石は焼き尽くされ、火は溝にも及び、人々は平伏してヤハウェが神であると唱えた。捕らえられたバアルの預言者達は、キション川(現在のイスラエル北部地区)で剣にかけられる。エリヤはカルメル山の頂上で顔を膝の間に入れて祈り、7度目に僕が海から人の手程の小さな雲を見付けると、空は黒くなって大雨となった。アハブは車でエズレル平野(現在のイスラエル北部地区)へ、エリヤは腰を絡げて走って向かう。宮殿に着いたアハブがカルメル山の出来事をイゼベルに告げると、イゼベルは怒り狂い、エリヤの下に使者を遣わせた。

其の夜、嵐の中でエズレル平野の質素な場所に眠っていたエリヤに、使者は24時間以内に命を奪うと脅した。既に預言者仲間は大勢処刑されていた。恐れたエリヤは南西へ約150km逃げてベエルシェバ(現在のイスラエル南部地区)に至り、従者を残して1人荒野へ入る。起伏の多い荒れ地を進み、日の沈む頃に力尽きて休める場所はエニシダの木の下しか無く、エリヤは死を願い、自分は父祖達に勝っていないと呟いた。眠る其の傍らに御使いが現れ、焼き立てのパンと水を差し出して2度起こし、旅の厳しさを告げる。力を得たエリヤは再び歩き始め、40日間何も食べずに約300kmを踏破して、ホレブ山(現在のエジプトの南シナイ県)の洞穴に辿り着いた。

洞穴に現れた霊者が来訪の理由を問うと、エリヤは、ヤハウェの為に徹底的に妬んで来たが、イスラエル王国の者達は契約を捨て、祭壇を壊し、預言者達を剣で殺し、只自分だけが残って命を狙われていると答えた。霊者は、ダマスコの荒野へ帰り、ハザエルに油を注いでアラム王とし、ニムシの子エフーに油を注いでイスラエル王国国王とし、アベル・メホラ出のシャファテの子エリシャに油を注いで預言者とせよと預言する。ハザエルの剣を逃れる者はエフーが、エフーの剣を逃れる者はエリシャが殺し、膝をバアルに屈めなかった7,000名が残されているとも告げられた。アベル・メホラに着いたエリヤは、12頭の軛の牛を前に行かせ、其の12番目の牛の側で畑を耕すエリシャの側を通り過ぎる時、自らの外套を掛ける。エリシャは牛を捨てて後を追い、父母への接吻を願って引き返し、1頭の軛の牛を屠って装具を燃やし、肉を家族に振る舞ってから、エリヤに付き従って仕えた。

紀元前853年、サマリアで屋上の部屋の欄干から転落して重体となった第8代イスラエル王国国王アハズヤは、エクロン(現在のイスラエル中央地区・エルサレム地区・南部地区の境付近)の神ベルゼブブに病の行く末を尋ねる使者を遣わせた。ヤハウェの御使いに遣わされたエリヤは其の使者と会い、イスラエル王国に神が居ないとでも言うのかと詰め、上った寝台から降りる事は無く必ず死ぬと宣告する。毛衣に革帯という風体を聞いたアハズヤは、其れがエリヤだと悟った。差し向けられた五十人隊長と部下50名は、天から降った火に2度焼き尽くされ、3度目の隊長が跪いて命を乞うと、御使いの言葉を受けたエリヤは共に降ってアハズヤへ同じ預言を告げた。紀元前851年、モアブの王メシャの離反を鎮圧しようとしたヨラムとヨシャファト、エドムの王は、水の尽きた荒れ野で、エリヤの手に水を注いだ者と呼ばれたエリシャを訪ね、竪琴の音の中で水とモアブ攻略の勝利を預言される。アハズヤは2年前のエリヤの預言通りに崩御し、子が無かった為にアハブの弐男ヨラムが第9代国王に即位した。そして紀元前847年、ユダ王国国王ヨラムの手には、ヨシャファトの道にもアサの道にも歩まなかった事を責め、内臓の病を告げるエリヤの書簡が届く——其の全過程を、本書は一冊に束ねている。


登場人物

  • エリヤ 本書の中心人物。預言者。紀元前861年にアハブへ数年の飢饉を予告し、ケリテ川とザレパテに身を隠した。カルメル山でバアルの預言者450名・アシェラの預言者400名と対決し、祈りによって火を降らせて彼等をキション川で剣にかけた。イゼベルに命を狙われて荒野へ逃れ、ホレブ山でハザエル・エフー・エリシャへの油注ぎを告げられる。アハズヤには寝台から降りる事なく死ぬと宣告し、紀元前847年にはユダ王国国王ヨラムへ書簡を送った。
  • エリシャ アベル・メホラ出のシャファテの子。ホレブ山でエリヤの後継者として名を挙げられ、12頭の軛の牛の12番目の側で畑を耕していた所に外套を掛けられた。牛を屠って装具を燃やし、家族に肉を振る舞ってからエリヤに付き従って仕えた。紀元前851年には、エリヤの手に水を注いだ者としてヨラム・ヨシャファト・エドムの王に招かれ、水とモアブ攻略の勝利を預言した。
  • アハブ 第7代イスラエル王国国王。エリヤに飢饉を予告され、3年6ヶ月の飢饉の中でオバデヤと草を探して巡った。エリヤに「イスラエル王国を悩ます者よ」と迫ったが、其の命に従って人々をカルメル山に集め、対決の後は大雨の中を車でエズレル平野へ向かった。
  • イゼベル アハブの王妃で、シドンの出。ヤハウェの預言者達を殺害しており、カルメル山でバアルの預言者が皆殺しにされた事を聞くと怒り狂い、24時間以内に命を奪うと脅す使者をエリヤの下に遣わせた。
  • オバデヤ アハブの宮廷長。イゼベルがヤハウェの預言者達を殺害した際、100名の預言者を救い出して50名ずつ洞窟に匿い、パンと水で養った。飢饉の中で草を探して巡る途中エリヤに出会い、殺される事を恐れながらもアハブへ其の居場所を告げた。
  • ザレパテの寡女 シドンに属するザレパテで薪を拾っていた寡女。甕に一握りの小麦粉と瓶に少しの油しか無く、子と共に最後の食事をして死のうとしていたが、エリヤの言葉に従って先に小さいパンを作った。其の後、エリヤと家族は久しく食べる事が出来た。
  • 御使い ベエルシェバの先の荒野で、死を願って眠るエリヤを2度起こし、焼き立てのパンと水を差し出して旅の厳しさを告げた。後にはアハズヤの使者と会う様エリヤを遣わせ、3人目の五十人隊長と共に降る事を許した。
  • アハズヤ アハブの長男で第8代イスラエル王国国王。サマリアの屋上の部屋の欄干から転落して重体となり、エクロンの神ベルゼブブに伺いを立てる使者を遣わせた。エリヤから寝台を降りる事なく死ぬと宣告され、五十人隊長と部下50名を3度差し向けた末、紀元前851年に其の預言通り崩御した。
  • ヨラム(イスラエル王国国王) アハブの弐男。子の無かったアハズヤの跡を継ぎ、紀元前851年に第9代イスラエル王国国王に即位した。離反したモアブの王メシャの鎮圧にヨシャファトを誘い、水の尽きた荒れ野でエリシャを訪ねた。
  • ヨラム(ユダ王国国王) ユダ王国の王。紀元前847年、エリヤから書簡を受け取った。ヨシャファトの道にもアサの道にも歩まずイスラエル王国国王の道に歩み、兄弟達を殺害した事を責められ、民と子達・妻達・全財産が打たれ、自らは内臓の病を患うと告げられた。
  • ヨシャファト ユダ王国の王。紀元前851年、モアブ征伐の遠征に加わってエドムの王と合流し、南方から出陣した。水が底を突くとヤハウェの預言者に頼る事を勧め、エリシャを訪ねる事となった。
  • メシャ モアブの王。子羊100,000匹と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物としてイスラエル王国に納めていたが、紀元前851年に離反し、反旗を翻した。
  • ハザエル ホレブ山の預言でエリヤが油を注ぐ様告げられた人物。アラム王となり、其の剣を逃れる者はエフーが殺すとされた。
  • エフー ニムシの子。ホレブ山の預言でエリヤが油を注ぐ様告げられた人物。イスラエル王国国王となり、其の剣を逃れる者はエリシャが殺すとされた。

主要な地名・拠点

  • ケリテ川 現在のヨルダンのイルビド県・アジュルン県付近。飢饉が始まった際、エリヤが身を隠して其の水を飲んだ川。軈て枯れた。
  • ザレパテ シドン(現在のレバノンの南レバノン県)に属する町。門で薪を拾っていた寡女がエリヤを迎え、甕の小麦粉と瓶の油が尽きなかった地。
  • カルメル山 エリヤがバアルの預言者450名・アシェラの預言者400名と、火を以って答える神を巡って対決した山。祈りにより雄牛・薪・石が焼き尽くされ、頂上からは大雨の兆しとなる小さな雲が見出された。
  • キション川 現在のイスラエル北部地区。カルメル山の対決の後、捕らえられたバアルの預言者達がエリヤに剣で殺害された川。
  • エズレル平野 現在のイスラエル北部地区。大雨の中をアハブが車で向かい、エリヤも腰を絡げて走った地。此処でイゼベルの使者がエリヤを脅した。
  • ベエルシェバ 現在のイスラエル南部地区。イゼベルの脅しを受けたエリヤが、南西へ約150km逃げて至った地。従者を残し、1人で荒野へ入って行った。
  • ホレブ山 現在のエジプトの南シナイ県。40日間何も食べずに約300km歩いたエリヤが辿り着いた山。其の洞穴で、ハザエル・エフー・エリシャへの油注ぎを預言された。
  • アベル・メホラ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区トゥーバース県・現在のヨルダンのイルビド県・現在のイスラエル北部地区付近。エリシャの出身地で、畑を耕す彼にエリヤが外套を掛けた地。
  • サマリア イスラエル王国の都。飢饉が始まった地であり、アハズヤが屋上の部屋の欄干から転落して重体となった地でもある。
  • エクロン 現在のイスラエル中央地区・エルサレム地区・南部地区の境付近。重体のアハズヤが、神ベルゼブブに病の行く末を尋ねる使者を遣わせた地。
  • ダマスコの荒野 ホレブ山の預言でエリヤが帰る様告げられた地。此処でハザエルに油を注ぎ、アラム王とする事が命じられた。
  • エドムの荒れ野 紀元前851年、モアブ征伐に向かうヨラム・ヨシャファト・エドムの王が選んだ道。迂回に7日を費やし、部隊と家畜の為の水が底を突いた。

カルメル山に火が降り、荒野の木の下で死を願った──
エリヤの預言と逃亡の全過程を一元化。

243円(税込)

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
YouTubeとニコニコでも情報を発信中。