電子書籍「アハブ一元化」の表紙

アハブ一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前861年頃〜853年頃
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
ページ数
9ページ
文字数
8,086字
最新更新日
西暦2,026年9月18日

王妃イゼベルが、サマリアにバアルの神殿を建てた──
第7代イスラエル王国国王アハブの治世を一元化。

262円(税込)

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皇室献上品 高級トイレットペーパー
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本書について

紀元前861年、オムリが崩御してサマリアに葬られると、其の息子アハブが第7代イスラエル王国国王に即位した。アハブはフェニキア人との同盟を強化し、シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻に迎えて王妃とする事で、其の同盟を一層強固なものとする。イゼベルは、シドン人の領地と同様にサマリアにバアルの神殿を建設させ、アシェラ像を築かせてバアル礼拝を推し進め、アハブはイゼベルの言うが儘となった。程無く預言者エリヤがアハブの前に立ち、自らの言葉が無い内は数年雨の露も無く、植物も育たないと、飢饉の到来を警告する。本書は、此の即位から、紀元前853年のラモト・ギルアデでの戦死に至る迄を一元化した、アハブの治世の記録である。

同じ紀元前861年、ツァーラアトに罹っていたアラム王ベネハダデ2世の軍最高司令官ナアマンは、妻の召使の少女——イスラエル王国を侵略した際に捕虜とした娘——から、サマリアに居る預言者を訪ねる様勧められた。ベネハダデ2世はアハブ宛の紹介状を書き、ナアマンは金68.4kg・銀340kg・着物10着を携えて出発する。紹介状を読んだアハブは服を裂き、自分は生かしたり殺したり出来る神ではない、此れは侵略の口実を見付ける罠に違いないと言った。取り乱すアハブの下に人を遣わせ、ナアマンを寄越す様進言したのは預言者エリシャであった。紀元前859年には、ユダ王国のヨシャファトが平和維持を意図し、自らの息子ヨラムとアハブの娘アタルヤを結婚させている。

紀元前858年、ベネハダデ2世は32名の王侯と馬・戦車を含む全軍を召集し、サマリアを包囲した。使者を通じて銀と金、妻達や子供達の最も美しい者を要求されたアハブは、一度は自分に属するものは全て貴方のものだと応じたが、家来を遣わせて家探しをし、目が喜びとしている物を全て奪うという次の通告は、長老達と民衆の反対を受けて拒んだ。武装しようとする者は、武装を解く者の様に誇ってはならない——仮小屋の酒宴で此の返答を聞いたベネハダデ2世は、家来達に配置に就く事を命じる。或る預言者から大軍を手に渡すという預言を受けたアハブは、諸国の首長に属する若い者達232名を先陣に、イスラエル王国民7,000名を率いて昼に出陣した。酒宴の最中に襲われたアラム軍は敗走し、ベネハダデ2世は騎兵と共に逃亡する。アハブは馬と戦車を分捕って大損害を与えた。同じ預言者は、来年の今頃ベネハダデ2世が再び攻め上ってくると告げ、アラム側では、イスラエル王国の神は山の神だから平地で戦えば勝てると進言する家来が現れた。

紀元前857年、ベネハダデ2世は兵を招集してアフェク(現在のイスラエル北部地区)へ進軍する。両軍は向かい合った儘7日間膠着し、軈て始まった戦闘は、僅か1日でイスラエル王国軍がアラム軍の歩兵100,000名を打ち殺すという結果に終わった。アフェクの町中へ逃げた残党27,000名の上には崩れた城壁が落下し、奥の間に逃げ込んだベネハダデ2世は、腰に荒布を纏い首に縄を掛けた家来達を通じて命を乞う。アハブは彼を私の兄弟だと応じて戦車に乗せ、ベネハダデ1世がオムリから奪い取った町々の返還とダマスカスへの市場の設置を約させて契約を結び、帰らせた。だが其の帰り道、目の上に包帯をしたアハブを道端で待ち伏せていた預言者が、逃がした者の命の代わりに自らの命が取られるという裁きを告げる。アハブは機嫌を損ね、激しく怒ってサマリアの自宅へ帰った。

エリヤの警告から3年6ヶ月、サマリアは飢饉に襲われていた。草を探して宮廷長オバデヤと二手に分かれたアハブは、オバデヤの報せでエリヤと再び対面し、イスラエル王国を悩ます者と呼んで責める。エリヤは、悩ましたのは貴方とオムリだと返し、全てのイスラエル王国民・バアルの預言者450名・アシェラの預言者400名・イゼベルの食卓で食事を摂る者達をカルメル山に集める様命じた。火を以って答える神を神としよう——2頭の雄牛が用意され、バアルの預言者達は朝から昼迄バアルの名を呼び、祭壇の周辺で踊り、刀と槍で其の身を傷付けて血を流したが、何の声も無く、答える者も居なかった。エリヤは破損したヤハウェの祭壇を修繕し、イスラエルの12部族に因んだ12の石で祭壇を築き、溝を掘って薪を並べ、4つの甕の水を3度注がせてから祈る。雄牛・薪・石は焼き尽くされ、火は溝にも及び、人々は平伏してヤハウェが神であると唱えた。バアルの預言者達は捕らえられ、キション川(現在のイスラエル北部地区)で剣にかけられる。7度目に僕が海から人の手程の小さな雲を見付けると、空は黒くなって大雨となり、アハブは車でエズレル平野(現在のイスラエル北部地区)へ、エリヤは腰を絡げて走って向かった。宮殿に着いたアハブは、預言者の皆殺しをイゼベルに告げたが、ヤハウェには言及しなかった。怒り狂ったイゼベルは、エリヤの下に使者を遣わせる。

紀元前853年、挨拶に訪れたヨシャファトは、アラム人に奪われたラモト・ギルアデ(現在のシリアのクネイトラ県付近)の奪還への参戦を説かれ、先ずヤハウェの言葉を求める事を条件に承諾した。アハブが集めた400名の預言者は、多くがアハブに都合の良い事しか言わない偽預言者で、サマリア(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県)の城門の入口に在る麦打ち場で、正装して王座に着く2人の王へ勝利を預言する。唯1人、預言者イムラの息子ミカヤは、羊飼いの居ない羊の様に山々に散るイスラエル王国民を語り、アハブの死を暗示した。頬を殴ったツィドキヤ、獄に繋がれたミカヤ——それでもアハブは出撃を決意する。戦場でアハブは変装し、代わりにヨシャファトをイスラエル王国国王に見せ掛けたが、イスラエル王国国王のみを狙えと命じられていた戦車隊長32名に真っ先に狙われたヨシャファトは、大声で助けを求めて一命を取り留めた。一方のアハブは、甲冑の草摺の隙間を敵兵の矢に射抜かれて深手を負い、夕方に崩御する。ミカヤの預言の通りであった。子羊100,000匹と雄羊100,000匹分の羊毛を貢いでいたモアブの王メシャは此れを切っ掛けに背き、長男アハズヤが第8代国王として、アハブの道・イゼベルの道を歩み始める——其の全過程を、本書は一冊に束ねている。


登場人物

  • アハブ 本書の中心人物。オムリの息子で、紀元前861年に第7代イスラエル王国国王に即位した。フェニキア人との同盟を強化してイゼベルを王妃に迎え、其の言うが儘となってバアル礼拝を許した。アラム王ベネハダデ2世のサマリア包囲とアフェクの戦いを退けたが、命乞いした彼と契約を結んで帰した事で、逃がした者の代わりに命を取られるという裁きを預言者から告げられる。紀元前853年、ラモト・ギルアデの戦いで草摺の隙間を矢に射抜かれ、夕方に崩御した。
  • イゼベル シドン人の王エテバアルの娘で、アハブの王妃。此の結婚によりフェニキア人との同盟は一層強固なものとなった。シドン人の領地と同様にサマリアにバアルの神殿を建設させ、アシェラ像を築かせてバアル礼拝を推し進めた。ヤハウェの預言者達を殺害しており、カルメル山での皆殺しを聞くと怒り狂って、エリヤの下に使者を遣わせた。
  • エリヤ 預言者。紀元前861年、アハブに数年の飢饉の到来を警告した。3年6ヶ月の飢饉の後アハブの前に姿を現し、バアルの預言者450名・アシェラの預言者400名をカルメル山に集めさせて、火を以って答える神を神とする対決を挑んだ。祈りによって雄牛・薪・石を焼き尽くさせ、捕らえたバアルの預言者達をキション川で剣にかけた。
  • オバデヤ アハブの宮廷長。イゼベルがヤハウェの預言者達を殺害した際、100名の預言者を救い出して50名ずつ洞窟に匿い、パンと水で養った。飢饉の中で草を探してアハブと二手に分かれて巡る途中エリヤに出会い、殺される事を恐れながらも、アハブへ其の居場所を告げた。
  • エリシャ 預言者。ツァーラアトのナアマンを寄越す様、取り乱すアハブの下に人を遣わせて進言し、イスラエル王国には神の預言者が居る事を知らせようとした。
  • ナアマン アラム王ベネハダデ2世が全幅の信頼を寄せた軍の最高司令官。ツァーラアトに罹っており、妻の召使の少女の勧めでサマリアの預言者を訪ねる事となり、ベネハダデ2世の紹介状と金68.4kg・銀340kg・着物10着を携えてイスラエル王国へ向かった。
  • ベネハダデ2世 第4代アラム王。32名の王侯と馬・戦車を従えてサマリアを包囲し、アハブに銀と金と妻子を要求した。敗走後は平地での戦いを進言されてアフェクへ進軍したが、歩兵100,000名を失って奥の間に逃げ込み、荒布と縄で命乞いをしてアハブと契約を結んだ。紀元前853年のラモト・ギルアデでは、戦車隊長32名にイスラエル王国国王のみを狙わせた。
  • ヨシャファト ユダ王国の王。紀元前859年、平和維持を意図して息子ヨラムとアハブの娘アタルヤを結婚させた。紀元前853年にはラモト・ギルアデ奪還に参戦し、イスラエル王国国王に変装させられて真っ先に狙われたが、大声で助けを求めて一命を取り留めた。帰還後は預言者イエフに責められ、二度とイスラエル王国へ出向く事は無かった。
  • ミカヤ 預言者イムラの息子で、同じく預言者。アハブに都合の悪い預言をする為に憎まれていた。使者の要請で一度は他の預言者と同じ預言を語ったが見抜かれ、羊飼いの居ない羊の様に散るイスラエル王国民を語ってアハブの死を暗示し、獄に繋がれた。
  • ツィドキヤ 預言者の1人。アハブの前でミカヤの頬を殴り、ヤハウェの霊がどの様に自分を離れ去って彼に語ったのかと迫った。
  • イエフ 預言者。ラモト・ギルアデの戦いの後、エルサレムに帰還したヨシャファトに対し、悪人を助けてヤハウェの憎むアハブと友になった事を責めた。
  • アタルヤ アハブの娘。紀元前859年、ヨシャファトが意図した平和維持の為に、其の息子ヨラムと結婚した。
  • ヨラム ヨシャファトの息子。紀元前859年、平和維持を意図した父の計らいでアハブの娘アタルヤと結婚した。
  • アハズヤ アハブの長男。紀元前853年、アハブの崩御を承けて第8代イスラエル王国国王に即位した。ヤハウェの目に悪とされる事を行い、アハブの道・イゼベルの道を歩んでバアルに仕え、ヤハウェの怒りを引き起こした。
  • オムリ アハブの父で先代のイスラエル王国国王。紀元前861年に崩御し、サマリアに葬られた。ベネハダデ1世に町々を奪われており、其の返還がアハブとベネハダデ2世の契約の条件となった。
  • メシャ モアブの王。子羊100,000匹と雄羊100,000匹分の羊毛を貢物としてイスラエル王国に納めていたが、アハブの崩御を切っ掛けに背き、貢ぐのを止めた。
  • エテバアル シドン人の王。娘イゼベルをアハブに嫁がせ、イスラエル王国とフェニキア人の同盟を強固なものとした。

主要な地名・拠点

  • サマリア 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ジェニーン県。イスラエル王国の都で、オムリが葬られた地。イゼベルがバアルの神殿とアシェラ像を築かせ、ベネハダデ2世に包囲された。城門の入口に在る麦打ち場では、ラモト・ギルアデ出陣前の預言が行われた。
  • アフェク 現在のイスラエル北部地区。紀元前857年、ベネハダデ2世が進軍し、7日間の膠着の後、僅か1日でアラム軍が歩兵100,000名を失った戦場。町中へ逃げた残党27,000名の上には崩れた城壁が落下した。
  • カルメル山 エリヤがバアルの預言者450名・アシェラの預言者400名と、火を以って答える神を巡って対決した山。エリヤの祈りにより雄牛・薪・石が焼き尽くされ、人々は平伏した。
  • キション川 現在のイスラエル北部地区。カルメル山の対決の後、捕らえられたバアルの預言者達がエリヤに剣で殺害された川。
  • エズレル平野 現在のイスラエル北部地区。大雨の中をアハブが車で向かい、エリヤも腰を絡げて走った地。アハブの宮殿が在り、カルメル山の出来事がイゼベルに告げられた。
  • ラモト・ギルアデ 現在のシリアのクネイトラ県付近。アラム人に奪われた町で、其の奪還を目指した紀元前853年の戦いで、アハブは矢に射抜かれて崩御した。
  • ダマスカス アハブがベネハダデ2世と契約を結んだ際、市場の設置を認められた地。ベネハダデ1世がサマリアに市場を設けた事に倣うものであった。
  • エルサレム ラモト・ギルアデの戦いの後、ヨシャファトが帰還した都。此処で預言者イエフに責められ、以後ヨシャファトはベエルシェバからエフライム族の領地の山地まで巡って、ヤハウェに立ち返る様国民に説いた。

カルメル山に火が降り、矢は草摺の隙間を射抜いた──
アハブとアラム王ベネハダデ2世の攻防を一元化。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
YouTubeとニコニコでも情報を発信中。