電子書籍「サウル一元化」の表紙

サウル一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前1,021年〜紀元前1,010年
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
最新更新日
西暦2,024年12月4日

油注がれし王、投石器の少年、ギルボア山の落日──
初代ヘブライ王国国王の全生涯を辿る。

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本書について

紀元前1,021年、サムエルによる油注ぎから、紀元前1,010年、ギルボア山での自害まで。本書は、初代ヘブライ王国国王サウルの即位から死までの全過程を一本の時系列に貫き、一元化した一冊である。

紀元前1,021年、ベニヤミン族キシュの息子サウルは、逸れた驢馬を探す旅の最中に占い師サムエルと出会い、油を注がれた。その後、ミツパにてウリム・トンミムと呼ばれる2つの宝石を用いた選出が行われ、サウルは初代ヘブライ王国国王に即位した。首都はギブアに置かれ、アモン人の王ナハシュによるヤベシュ・ギレアド包囲を解いた事で、民衆の支持を確立した。

紀元前1,020年、ミクマシュの戦いにてペリシテ人の大軍を破るも、サウルの断食指示は逆効果となり、長男ヨナタンとの間に軋轢が生じた。紀元前1,014年、アマレク人討伐においてサムエルの指示に背いた事で、神に王位を拒まれる。同年、サムエルはベツレヘムにてダビデに油を注ぎ、サウルの後継者として選出した。ダビデは投石器一つでペリシテ人の巨人ゴリアテを討ち、民衆の喝采を浴びた。

王位を脅かされる恐怖に駆られたサウルは、ダビデに槍を投げつけ、刺客を送り、執拗に追跡した。ヨナタンはダビデとの友情を貫き、父サウルの怒りを買った。ノブの祭司アヒメレクがダビデを匿った事を知ったサウルは、86名の祭司を家族諸共処刑するという惨劇を引き起こした。エン・ゲディの洞窟でダビデに命を救われた後、サウルはダビデを後継者として認めたが、二度と会う事は無かった。紀元前1,010年、ギルボア山にてペリシテ人に敗れ、3人の息子を失ったサウルは、自らの剣に伏して果てた。本書は、油注がれた王の栄光と転落の全過程を、年月日単位で記録した年表である。


登場人物

  • サウル ベニヤミン族キシュの息子。サムエルに油を注がれ、ミツパにて初代ヘブライ王国国王に即位した。ダビデへの猜疑に苛まれ、紀元前1,010年、ギルボア山にて自害した。
  • サムエル ラマの占い師。サウルに油を注ぎ、後にアマレク人討伐における不服従を理由に、神がサウルを王として拒んだ事を告げた。サウルの後継者としてダビデに油を注いだ。
  • ダビデ ベツレヘムのエッサイの息子。サムエルに油を注がれた後、投石器でゴリアテを討ち名を上げた。サウルに追われながらも、エン・ゲディの洞窟でサウルの命を救い、後継者として認められた。
  • ヨナタン サウルの長男。ミクマシュの戦いで活躍し、ダビデと深い友情を結んだ。父サウルとダビデの和解を試みたが、サウルの怒りを買い、槍を投げつけられた。ギルボア山にて戦死した。
  • ゴリアテ ペリシテ人の巨人。エラの谷にて40日間、ヘブライ王国軍に一騎打ちを申し入れ続けた。ダビデの投石器から放たれた石が額に命中し、斬首された。
  • ミカル サウルの弐女。ダビデと結婚した後、サウルが送り込んだ刺客からダビデの逃亡を助けた。後にパルティエルの下に嫁がされた。
  • アヒメレク 第12代大祭司。ノブにてダビデに供えのパンとゴリアテの剣を与えた。サウルの命により、86名の祭司と共に処刑された。
  • ドエグ エドム人でサウルの牧夫長。ノブにてアヒメレクがダビデを支援した事をサウルに告げ口し、86名の祭司の処刑を実行した。
  • アビアタル ノブの祭司の一人。サウルによる祭司虐殺から唯一逃亡に成功し、アドラムの洞窟でダビデと合流した。
  • ナハシュ アモン人の王。ヤベシュ・ギレアドを包囲し、住民に対し剣で死ぬか右目を刳り貫かれるかの2択を迫った。サウル率いる軍に打ち払われた。
  • アブネル ヘブライ王国軍の長。サウルの死後、東ヨルダンに逃亡し、マハナイムにてサウルの四男イシュ・ボシェテを第2代ヘブライ王国国王に擁立した。
  • イシュ・ボシェテ サウルの四男。サウルの死後、ユダ族を除く11部族に推され、アブネルにより第2代ヘブライ王国国王に擁立された。
  • エッサイ ベツレヘムの住民。ダビデの父。サムエルに息子達を紹介し、サウルの要請を受けてダビデを宮廷に遣わせた。
  • アガグ アマレク人の王。サウルの襲撃を受けた際、他のアマレク人が殺害される中、唯一生かされた。最終的にサウルにより殺害された。
  • マルキシュア サウルの息子。ギルボア山の戦いにて戦死した。
  • アビナダブ サウルの息子。ギルボア山の戦いにて戦死した。
  • パルティエル サウルが弐女ミカルを再び嫁がせた人物。

主要な地名・拠点

  • ギブア 現在のイスラエルのエルサレム付近。サウルの出身地であり、ヘブライ王国の首都が置かれた。
  • ミツパ 現在のイスラエルのエルサレム地区付近。ベニヤミン族の町。サウルが初代ヘブライ王国国王に選出された場所。
  • ヤベシュ・ギレアド 現在のヨルダンのイルビド県付近。アモン人の王ナハシュに包囲され、サウルが軍を率いて救援した。サウルと息子達が最初に葬られた地。
  • ミクマシュ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県。サウルがペリシテ人の大軍を破った戦場。
  • エラの谷 現在のイスラエルのエルサレム地区。ダビデとゴリアテの一騎打ちが行われた場所。
  • ノブ 現在のイスラエルのエルサレム地区。大祭司アヒメレクがダビデにパンとゴリアテの剣を与えた祭司の町。サウルの命で襲撃された。
  • エン・ゲディ 現在のイスラエル南部地区。ダビデが洞窟に潜伏し、サウルのローブの裾を切り取った場所。2人が和解した地。
  • ギルボア山 現在のイスラエルの北部地区。サウルがペリシテ人に敗れ、3人の息子と共に命を落とした最後の戦場。
  • ベト・シェアン 現在のイスラエルの北部地区。ペリシテ人がサウルの遺体を城壁に晒した場所。
  • ベツレヘム 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区。エッサイの居住地。サムエルがダビデに油を注いだ場所。
  • ラマ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県。占い師サムエルの居住地。
  • ギルガル 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エリコ県。アモン人撃退後、サウルが民衆に支持された場所。

驢馬を探す旅から始まった王権、投石器が倒した巨人──
古代イスラエル最初の王の栄光と転落を辿る。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「一元化」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
YouTubeとニコニコでも情報を発信中。