電子書籍「ヘブライ王国一元化」の表紙

ヘブライ王国一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
紀元前1,021年頃〜928年頃
※ユダヤ暦は全て西暦に変換しています
ページ数
32ページ
文字数
19,079字
最新更新日
西暦2,026年9月16日

逸れた驢馬を探す旅が、王国の始まりだった──
サウルからレハブアムまで、ヘブライ王国93年を一元化。

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本書について

紀元前1,021年、イスラエル人の間で、中央集権的な君主制を求める民衆運動が起こり始める。預言者サムエルは、王を戴けば息子は従軍させられ、娘は働かされ、良い畑は取り上げられた上に税を課せられ、民は王の奴隷になる——と王政の代償を説いたが、聞き入れられなかった。同じ頃、ベニヤミン族キシュの息子サウルは、父の逸れた驢馬を探して召し使いと共にギブア(現在のイスラエルのエルサレム付近)を発ち、ズフ(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県)で捜索を止めようとしていた。近くのラマに有名な占い師が居ると従僕が勧めた、其の占い師こそサムエルであった。サムエルはサウルに油を注ぐ。本書は、此の驢馬探しの旅を起点として、ヘブライ王国が建国され、栄え、そして南北に引き裂かれる迄の93年を、5代の王の治世と共に一元化した記録である。

サムエルは、ベニヤミン族の町ミツパ(現在のイスラエルのエルサレム地区付近)に王政を求める民を集め、ウリム・トンミムと呼ばれる2つの宝石を用いて、部族の中からベニヤミン族を、氏族の中からマトリを選び、更に其の中からサウルを選び出した。斯うしてヘブライ王国が建国され、サウルが初代国王に即位し、首都はギブアに置かれる。選出に公然と不満を漏らす者も居たが、アモン人の王ナハシュがヤベシュ・ギレアド(現在のヨルダンのイルビド県付近)を包囲し、住民に「剣で死ぬ」か「右目を刳り貫かれる」かの2択を突き付けると、サウルは兵を率いて之を打ち払い、ギルガルに集まった民衆の支持を得た。勝利の後、サウルは即位時に不満を漏らした者への報復を禁じている。翌紀元前1,020年には、長男ヨナタンを含む数千名の兵を率いてミクマシュ(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県)に臨み、戦車3,000台・騎兵6,000名・歩兵30,000名以上のペリシテ人を破った。

然し紀元前1,014年、アマレク人を家畜諸共滅ぼせというサムエルの命に対し、サウルは王アガグと質の良い家畜を生かし、生贄に捧げる事で其れを正当化しようとした。サムエルは、神がサウルを王として拒んだ事を告げる。立ち去ろうとした衣の一部を掴まれて引き裂かれると、サムエルは、ヘブライ王国も同様に引き裂かれるだろうと予言した。後継者を求めてベツレヘム(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区)に赴いたサムエルは、エッサイの息子達の中から羊飼いのダビデを呼び出し、兄弟達の前で油を注ぐ。エラの谷(現在のイスラエルのエルサレム地区)で40日間、朝夕に一騎打ちを申し入れ続けたペリシテ人の長ゴリアテを、ダビデは差し出された鎧を拒み、棍棒と投石器と小川で拾った5個の石だけで倒した。額の中央に石を受けて俯せに倒れたゴリアテは斬首され、ダビデは女性達に歌で迎えられる程の名声を得る——そして其の人気が、王位を脅かされる事を恐れるサウルの猜疑を呼び起こした。ハープを奏でるダビデへの2度の投槍、夜半に送り込まれた刺客。逃れたダビデにパンとゴリアテの剣を与えたという理由で、ノブ(現在のイスラエルのエルサレム地区)の第12代大祭司アヒメレクを含む86名の祭司が、エドム人ドエグの手で家族共々処刑された。

追撃の手はケイラ、ジフ、マオンへと伸びる。だがエン・ゲディ(現在のイスラエル南部地区)の洞窟で、ダビデは用を足しに入って来たサウルを討たず、神が油を注いだ者を殺す事は出来ないとして、ローブの裾だけを切り取った。ダビデに敵意が無い事を悟ったサウルは、彼を後継者と認める。紀元前1,012年にサムエルが世を去り、紀元前1,010年、サウル率いるヘブライ王国軍はギルボア山(現在のイスラエルの北部地区)でペリシテ人に敗れ、ヨナタン・マルキシュア・アビナダブの3人の息子が戦死した。射手に深手を負ったサウルは、無割礼の者共に嬲り者にされる事を拒み、自ら剣を取って命を絶つ。首は落とされ、武具はアスタルト神殿に納められ、遺体はベト・シェアン(現在のイスラエルの北部地区)の城壁に晒された。ユダ族は同族のダビデを王に据えようとしたが、他の11部族はサウルの四男イシュ・ボシェテを推し、軍の長アブネルが彼をマハナイム(現在のイスラエルの北部地区)にて第2代国王に擁立する。ヘブロン(現在のヨルダン川西岸地区)を統治するダビデとの争いの中で、ギブオンの戦闘でのアサエルの死、アブネルの離反と、弟の仇を討ったヨアブによるアブネル殺害、バアナとレカブによるイシュ・ボシェテの殺害が続いた。そして紀元前1,003年、ヘブロンで長老達に油を注がれたダビデが第3代国王に即位し、ヘブライ王国とヘブロンは再統一された。

紀元前998年、ダビデは「足の萎えた者でもお前を倒せる」と挑発するエブス人のエルサレムへ地下水道から攻め入り、ヘブロンから都を遷す。ペリシテ人・モアブ人・エドム人・アマレク人・アモン人を掌中に収め、紀元前993年には領地がユーフラテス川にまで拡がった。だが、王の栄華は王家の内側から蝕まれてゆく。ラバ包囲の最中、宮殿の屋上から水浴するバト・シェバを見付けたダビデは、彼女を身籠らせた上、夫ウリヤを戦いの一番激しい所へ配置させて戦死させ、8人目の妻に迎えた。預言者ナタンは富者と貧者の譬え話を以て「貴方は其の男だ」と告げ、「剣は貴方の家から決して離れない」と言い渡す。其の言葉を追う様に、長男アムノンによる異母妹タマルの凌辱、三男アブサロムによるアムノンの殺害が続き、紀元前976年、アブサロムはヘブロンで挙兵して王を宣言した。エルサレムを後にしたダビデは、送り込んだフシャイの弁舌によって急襲を免れる。エフライムの森(現在のヨルダンのイルビド県・バルカ県付近)では、生い茂る樹木に足を取られたアブサロムの軍が、1日で20,000名の兵を失った。敗走中、樫の枝に髪を引っ掛けて宙吊りとなったアブサロムは、ダビデの厳命に背いたヨアブに矢で刺され、其の鎧持ち10名に殺害された。

紀元前971年、病に伏したダビデの下で、四男アドニヤが次代の王を名乗る。ナタンとバト・シェバの訴えを受けたダビデはソロモンを後継に定め、ザドクとナタンに油を注がせた。ヨアブとシメイの殺害を遺言してダビデが崩御すると、第4代国王ソロモンはアドニヤ・ヨアブ・シメイを次々に葬ってゆく。ギブオンの夢でヤハウェに知恵を求めたソロモンは、1人の子を巡る2名の売春婦の争いを「生きている子供を半分にし、両者に分け与えよ」の一言で本当の母親を見抜き、王国全土で賞賛された。ファラオ・シアメンの娘を娶り、ティルス(現在のレバノンの南レバノン県スール)の王ヒラムからレバノン杉と糸杉を得て、紀元前966年4月にオフェル(現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県)でヤハウェの神殿を着工し、紀元前959年10月に完成させる。紀元前946年には王宮も完成し、オフィル(現在のソマリア)との交易は金14.4tを齎した。だが、其の神殿と王宮を支えたのは、ユダ族を除く諸部族への重税と労役であった。紀元前928年、ソロモンが崩御すると、第5代国王レハブアムは長老達の助言を退けて「私は蠍で懲らしめる」と突き放し、北部の人々は之を拒絶して、預言者アヒヤに外套の10切れを取る様告げられていたヤロブアム1世を初代国王にイスラエル王国を建国する。サムエルが引き裂かれた衣に見た予言の通り、ヘブライ王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国とに裂けた——其の93年の全軌跡を、本書は一冊に束ねている。


登場人物

  • サウル ベニヤミン族キシュの息子。逸れた驢馬を探す旅の途中でサムエルに油を注がれ、ミツパにてウリム・トンミムにより選び出されて初代ヘブライ王国国王に即位した。アモン人の王ナハシュを打ち払い、ミクマシュでペリシテ人を破ったが、アマレク人討伐でサムエルの指示に背き、神に王として拒まれる。王位を脅かすダビデの人気を恐れて其の命を狙い、紀元前1,010年、ギルボア山での敗戦の中で自害した。
  • サムエル ラマの預言者で、有名な占い師。中央集権的な君主制を求める民衆に王政のデメリットを説いたが聞き入れられず、驢馬を探すサウルに油を注ぎ、ミツパで初代国王に選び出した。アマレク人討伐でのサウルの不服従を受けて、神がサウルを王として拒んだ事を告げ、引き裂かれた衣になぞらえてヘブライ王国の分裂を予言する。ベツレヘムでダビデに油を注ぎ、紀元前1,012年に死去してラマに葬られた。
  • ダビデ ベツレヘムのエッサイの息子で羊飼い。サムエルに油を注がれ、エラの谷でゴリアテを投石器の一撃で倒して名を上げたが、サウルの猜疑を受けて逃亡の身となる。サウルの死後ユダ族に迎えられてヘブロンを統治し、紀元前1,003年、第3代ヘブライ王国国王として王国を再統一した。エルサレムを攻略して遷都し、領地をユーフラテス川まで拡げた一方、バト・シェバとウリヤの一件の後は、息子達の争いに王家を揺さぶられる。紀元前971年、ソロモンに遺言を残して崩御した。
  • ソロモン ダビデとバト・シェバの息子。紀元前971年、ナタンとバト・シェバの働き掛けにより第4代ヘブライ王国国王に即位し、アドニヤ・ヨアブ・シメイを粛清した。ギブオンの夢でヤハウェに知恵を求め、2名の売春婦の争いを裁いて賞賛を浴びる。ヤハウェの神殿と王宮を建設し、オフィルとの交易で国家財政を黒字に転換させたが、ユダ族以外の部族を建設に駆り出して重税を課し、人心を離反させた。紀元前928年に崩御した。
  • ヨナタン サウルの長男。ミクマシュの戦いでは断食の指示が届かぬ儘蜂蜜を摂り、民衆の介入で命を助けられた。ダビデと親しくなって軍服を与え、父との和解を取り持ち、逃亡を助けた為、父に槍を投げ付けられた事も有る。紀元前1,010年、ギルボア山にて戦死した。
  • イシュ・ボシェテ サウルの四男。サウルの死後、ユダ族以外の11部族に推され、アブネルによりマハナイムにて第2代ヘブライ王国国王に擁立された。サウルの側室リツパを妻に迎えて王位に就こうとしたアブネルを非難し、其の離反を招く。紀元前1,004年、昼寝中にバアナとレカブの兄弟に腹を突き刺され、首を刎ねられて崩御した。
  • アブネル ヘブライ王国軍の長。サウルの死後、東ヨルダンに逃亡した後、イシュ・ボシェテを第2代国王に擁立した。ギブオンの戦闘では、追って来たアサエルを槍の鈍端で刺殺する。リツパを巡る計画を非難されてダビデの下へ亡命し、サウル家とダビデ家の和平を取り付けたが、間も無くヨアブとアビシャイに殺害された。
  • ヨアブ ダビデの甥で、ダビデの妹ゼルヤの息子。ダビデ軍を率いて各地を転戦する一方、弟アサエルの報復と自らの地位を守る為にアブネルを殺害し、ダビデの厳命に背いてアブサロムを討ち、後任の軍司令官アマサをも殺害した。晩年はアドニヤに接近し、アドニヤが殺害されるとヤハウェの幕屋の祭壇の角にしがみ付いたが、其の場でベナヤに殺害された。
  • ミカル サウルの弐女。ペリシテ人の陰茎包皮200枚を持参したダビデと結婚した。刺客が迫った夜、ベッドにテラフィムを置いて欺き、窓からダビデを吊り下ろして逃がす。其の後サウルによりパルティエルの下へ嫁がされたが、紀元前1,004年、アブネルを迎え入れる条件としてダビデに連れ戻された。
  • バト・シェバ ヒッタイト人ウリヤの妻で、アヒトフェルの孫娘。水浴中の姿をダビデに見付けられて身籠り、夫ウリヤの戦死を経てダビデの8人目の妻となった。最初の息子は生後数日で死去する。ソロモンの母として、アドニヤが王を名乗った際にはナタンと示し合わせてダビデに訴え、ソロモンの即位を実現させた。
  • ナタン 預言者。レバノン杉の神殿を建てたいと打ち明けたダビデの驕りを牽制しつつ、神殿を建てるのは其の子孫で跡を継ぐ者であると告げた。ウリヤの一件では富者と貧者の譬え話を聞かせて「貴方は其の男だ」と罪を突き付け、「剣は貴方の家から決して離れない」と予言する。アドニヤに従わず、バト・シェバと共にダビデへ訴え、ザドクと共にソロモンに油を注いだ。
  • アブサロム ダビデの三男でマアカを母に持つ。同母妹タマルを凌辱したアムノンを、紀元前985年に宴席で召し使いに殺害させ、祖父タルマイの居るゲシュルへ逃亡した。ヨアブの仲介で帰還してダビデと和解したが、紀元前976年、ヘブロンで挙兵して王を宣言する。エルサレムに入って人前でダビデの側室と交わり王位を誇示したが、エフライムの森で大敗し、樫の枝に髪を引っ掛けて宙吊りとなった所をヨアブらに討たれた。
  • アムノン ダビデの長男でアヒノアムを母に持つ。紀元前987年、異母妹タマルを自らの宮殿に呼び寄せて凌辱した。ダビデは怒りこそしたものの処罰を下さず、紀元前985年、ダビデの息子全員が招かれた宴席で酔った所を、アブサロムの差し向けた召し使いに殺害された。
  • アドニヤ ダビデの四男でハギトを母に持つ。アビアタルとヨアブを味方に付けて次代国王になる事を宣言したが、ナタンとバト・シェバの働き掛けによりソロモンが王位に就いた。ダビデに仕えたアビシャグとの結婚を望み、バト・シェバに取り成しを頼んだ事で、ソロモンに王国を狙う意図を疑われ、其の日の内にベナヤに殺害された。
  • アビアタル ノブの祭司の家の生き残り。サウルの命による襲撃で唯1人逃亡に成功し、アドラムの洞窟でダビデと合流した。アブサロムの反乱ではザドクと共にエルサレムに残り、息子ヨナタンがダビデの為に諜報活動に従事する。晩年はアドニヤの味方に付いた為、ソロモンに祭司職を罷免され、アナトテの実家へ帰された。
  • シメイ ベニヤミン人ゲラの子。ダビデがマハナイムへ行った際にダビデを呪った人物で、ダビデの遺言により殺害の対象とされた。ソロモンにエルサレムからの外出を禁じられたが、紀元前968年、逃亡した家来を連れ戻す為にガトへ赴いた事を咎められ、ベナヤに撃ち殺された。
  • レハブアム ソロモンとアモン人ナアマの息子。紀元前928年、シェケムにて第5代ヘブライ王国国王に即位した。軛を軽くする様訴えた北部の人々に対し、長老達の助言を退けて若者達の言葉を採り、「私は蠍で懲らしめる」と突き放す。北部の離反によりヘブライ王国は分裂し、初代ユダ王国国王となったが、180,000名の兵によるイスラエル王国の征伐は、預言者シェマヤの言葉を受けて中止した。
  • ヤロブアム1世 ソロモンにヨセフ族の労役全体の監督を任された人物。エルサレムを出た所で預言者アヒヤに出会い、12切れに裂かれた外套の内10切れを取る様告げられ、10部族を与えられるとの預言を受けた。重税への憤りからソロモンに反旗を翻し、命を狙われて初代エジプト第22王朝ファラオのシェションク1世の下へ逃亡する。王国分裂後、初代イスラエル王国国王に擁立された。
  • ヒラム フェニキアのティルスの王。紀元前979年、ダビデの王宮建設の為に石工・木工とレバノン杉を送り、ソロモンの神殿建設でもレバノン杉と糸杉を供給した。見返りに贈られたガリラヤ地方の20の町々は気に入らなかったが、紅海交易では航海士や船員を派遣し、青銅の柱ボアズとヤキン等の鋳物も鋳造してソロモンに貢献した。
  • ゴリアテ ペリシテ人の長。エラの谷にて40日間、朝夕2回に亘りヘブライ王国軍に一騎打ちを申し入れ続けた。鎧と投槍を装備してダビデに臨んだが、投石器から放たれた石が額の中央に命中し、俯せに倒れて斬首された。
  • アヒメレク 第12代大祭司。ノブにて、王室の秘密の使命を帯びていると主張するダビデに、供えのパン5斤とノブの神殿に保管されていたゴリアテの剣を与えた。ドエグの告げ口によりサウルに呼び出され、サウルとダビデの論争には関与していないと答えたが聞き入れられず、自身を含む86名の祭司が家族共々処刑された。
  • ドエグ エドム人でサウルの牧夫長。ノブでのアヒメレクとダビデのやり取りを目撃し、サウルに告げ口した。役人達が祭司に手を上げる事を拒んだ為、処刑を委ねられ、自ら実行した。
  • ウリヤ ヒッタイト人の兵士でバト・シェバの夫。戦場から呼び戻されても、戦闘中の兵士を律する古来の習わしに背く事を望まず、妻と会わずに王宮の兵士達と共に過ごした。自らの死を命ずる書簡を持参させられ、戦いの一番激しい所に配置されて戦死した。
  • シアメン 第6代エジプト第21王朝ファラオ。娘をソロモンに嫁がせ、エツヨン・ゲベルでの船団編成を許可した。紀元前967年にはゲゼルを攻め落として焼き払い、其の土地を娘への贈り物とした。
  • ベナヤ 祭司エホヤダの息子。アドニヤに従わずにソロモンを支持し、其の即位に立ち会った。ソロモンの命でアドニヤ・ヨアブ・シメイを殺害し、ヨアブの後任として軍司令官に任命された。
  • マケダ シバの女王。紀元前980年にソロモンの宮殿を訪れ、ソロモンは其の美貌に惹きつけられた。2人の間には、メネリク1世がハマシエン(現在のエリトリア首都圏)にて生誕した。
  • ナハシュ アモン人の王。兵を率いてヤベシュ・ギレアドを包囲し、7日間の猶予を与えた上で「剣で死ぬ」か「右目を刳り貫かれる」かの2択を迫った。助けを求められた部族がサウルの下に招集した軍に打ち払われた。
  • ハダデゼル ゾバの王。アモン人の王ハヌンに呼び寄せられ、ユーフラテス川の東から援軍に来たアラム人と共にダビデとの戦闘に備えた。シリア人傭兵がダビデに敗れると国境を取り戻す為に北へ向かい、アモン人とシリア人の勢力は崩壊した。
  • フシャイ ダビデがオリーブ山で出会い、スパイとしてエルサレムへ送り込んだ人物。「王様万歳」とアブサロムに接近し、アヒトフェルの説いた12,000名による急襲作戦に対して、ダビデ軍の勇猛さを誇張して全国から兵を招集すべきと説き、ダビデ達の戦闘準備の時間を稼いだ。
  • アヒトフェル 王室評議員の1人でバト・シェバの祖父。ギロからアブサロムの反乱を支援し、王位の奪取を誇示する為にダビデの側室と寝る事と、今夜の内に12,000名の兵でダビデの軍を急襲する事を助言した。急襲の助言が採用されなかった為、故郷に帰り自宅を整理して首を吊った。

主要な地名・拠点

  • ギブア 現在のイスラエルのエルサレム付近。サウルの自宅が在ったベニヤミン族の町で、驢馬探しの旅の出発点。ヘブライ王国最初の首都が置かれた。
  • ラマ 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県。有名な占い師として知られたサムエルが居た町。紀元前1,012年、死去したサムエルが葬られた。
  • ミツパ 現在のイスラエルのエルサレム地区付近。ベニヤミン族の町。サムエルがウリム・トンミムを用いて部族・氏族・個人を絞り込み、サウルを初代ヘブライ王国国王に選出した場所。
  • ヤベシュ・ギレアド 現在のヨルダンのイルビド県付近。アモン人の王ナハシュに包囲され、サウルの軍に救われた町。サウルの死後、住民が夜通し歩いてベト・シェアンから遺体を持ち帰り、御柳の下に葬った。
  • ベツレヘム 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区。エッサイと其の息子達の町で、サムエルが兄弟達の前でダビデに油を注いだ場所。ギブオンの戦闘で死んだアサエルが、父親の墓に葬られた地でもある。
  • エラの谷 現在のイスラエルのエルサレム地区。谷を挟んでペリシテ人とヘブライ王国軍が向かい合い、ダビデとゴリアテの一騎打ちが行われた場所。
  • ノブ 現在のイスラエルのエルサレム地区。第12代大祭司アヒメレクがダビデに供えのパンとゴリアテの剣を与えた地。ドエグの告げ口を受けたサウルの命により襲撃され、祭司の家族・男性・女性・子供が剣で処刑された。
  • エン・ゲディ 現在のイスラエル南部地区。サウルに追われたダビデ達が休息を取った洞窟の在る地。用を足しに入って来たサウルのローブの裾をダビデが切り取り、2人が和解した場所。
  • ギルボア山 現在のイスラエルの北部地区。サウル率いるヘブライ王国軍がペリシテ人に敗れ、ヨナタンら3人の息子が戦死し、サウルが自害した最後の戦場。
  • ヘブロン 現在のヨルダン川西岸地区。サウルの死後、ダビデがユダ族に認められて統治した拠点。長老達に油を注がれてダビデが第3代国王に即位した地であり、後にアブサロムが挙兵した地でもある。
  • マハナイム 現在のイスラエルの北部地区。アブネルがイシュ・ボシェテを第2代ヘブライ王国国王に擁立した地。アブサロムの死を聞いたダビデが籠り、喪に服した地でもある。
  • エルサレム 紀元前998年、ダビデが地下水道を通ってエブス人から攻略し、ヘブロンから遷都した都。ソロモンが城壁を築き、王国分裂後はユダ王国の首都として引き継がれた。
  • レファイムの谷 現在のイスラエルのエルサレム地区。再統一を知ったペリシテ人が2度に亘って布陣し、何れもダビデ率いるヘブライ王国軍に敗れた戦場。
  • エフライムの森 現在のヨルダンのイルビド県・バルカ県付近。アブサロムの軍が生い茂る樹木に足を取られて大敗し、1日で20,000名の兵を失った戦場。アブサロムが樫の枝に髪を引っ掛けて宙吊りとなり、殺害された地。
  • ゲゼル 現在のイスラエル中央地区。エフライム族の土地。紀元前967年、シアメンが攻め落として焼き払い、ソロモンに嫁いだ娘に贈った町で、ソロモンの手で要塞化された。
  • オフェル 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区エルサレム県。紀元前966年4月にヤハウェの神殿が着工され、紀元前959年10月に完成した場所。至聖所にはヤハウェの契約の箱が置かれ、其れを守る2体のケルビムが造られた。
  • ティルス 現在のレバノンの南レバノン県スール。フェニキアの都市。王ヒラムがダビデの王宮建設とソロモンの神殿建設に協力し、石工・木工・レバノン杉・糸杉を提供した。
  • エツヨン・ゲベル 現在のエジプト南シナイ県。ソロモンがシアメンの許可を得て船団を編成した地で、紅海へ出てオフィルとの交易に向かう拠点となった。
  • オフィル 現在のソマリア。ソロモンとヒラムの船隊が3年置きに航海した交易先で、ソロモンは3年に一度、金・銀・象牙・猿・狒々を此処から持ち出した。此の交易で莫大な利益を得たソロモンは、ヘブライ王国の国家財政を黒字に転換させた。紀元前946年にも金14.4t・白檀・宝石が齎された。
  • シェケム 現在のパレスチナ国ヨルダン川西岸地区ナーブルス県。ソロモンが塔を建設させた地であり、レハブアムが第5代ヘブライ王国国王に即位した地。王国分裂後はイスラエル王国の首都が置かれた。

引き裂かれた衣は、王国の行く末を告げていた──
ダビデとソロモンの栄華から南北分裂までを一元化。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
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