電子書籍「パウロ6世とミケーレ・シンドーナによるバチカンマネーの資金洗浄一元化」の表紙

パウロ6世とミケーレ・シンドーナによるバチカンマネーの資金洗浄一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
西暦1,929年2月11日〜1,969年4月頃
最新更新日
西暦2,026年1月22日

ベニート・ムッソリーニとローマ教皇庁のラテラノ条約締結によるバチカン市国独立・主権国家としての地位と免税特権及び750,000,000リラ(現金40%・債券60%)補償金合意、第259代ローマ教皇ピウス11世による財産管理局新設とユダヤ教からカトリック改宗のノガーラ家ベルナルディーノ・ノガーラ管理任命、第260代ローマ教皇ピウス12世による宗務委員会改組とロスチャイルド家肝入り「IOR(宗教事業協会)」設立及び麻薬資金等マネーロンダリング装置悪用・洗浄額10%以上手数料・東欧と中南米の反共組織送金、ミケーレ・シンドーナのミラノ移住とCIAのイタリア共産党拡大阻止目的バチカン市国・キリスト民主党資金提供仲介役及びパウロ6世との知己、シンドーナのコーサ・ノストラ最高幹部ラッキー・ルチアーノ依頼でのアメリカ渡航とニューヨーク5大マフィア・ガンビーノ一家資金洗浄及び持株会社設立、シンドーナのジョー・アドニス依頼によるヘロイン密輸収益マネーロンダリング、シンドーナとIOR秘書官マッシモ・スパーダ知己及びマッシモ・スパーダのパウロ6世の老人ホーム「マンドニーナ」設立への用地と2,400,000ドル資金提供、シンドーナのマッシモ・スパーダ仲介によるリヒテンシュタイン本拠ファスコAG経由ミラノ・プライベート・ファイナンス銀行株過半数取得とIOR・ウニオネ銀行少数株主、ジョヴァンニ・レオーネ第22代イタリア首相就任とローマ教皇庁への課税及び莫大投資額追徴金、ミケーレ・シンドーナのパウロ6世ローマ教皇庁招待謁見とイタリア政府バチカン市国投資課税予定700,000,000ドル影響及びノガーラ構築金融構造崩壊懸念並びに保守派・進歩派双方批判下IOR管理莫大財産危機公開懸念、シンドーナの欧米タックスヘイブン資産分散提案とパウロ6世によるシンドーナのIOR資金管理略無制限権限ローマ教皇庁銀行家任命、ポール・マルチンクス・聖座財産管理局秘書ジュゼッペ・カプリオ・バチカン行政庁長官(暫定)セルジオ・ゲッリ協力下のバチカン市国保有株式スイス銀行地下金庫移送任務、ジェネラーレ不動産株売却利益でのルクセンブルク金融機関株取得・イタリア国税庁回避・名義変更、バチカン市国名義ウニオネ銀行口座約250,000,000ドル着服とチューリッヒ・アミンコル銀行移送、11ヶ国少なくとも5銀行・125以上の企業支配、IOR株式保有金融機関とプリバータ・イタリアーナ銀行ローマ教皇庁口座利用マフィアマネーロンダリング迄──
ラテラノ条約締結によるバチカン市国独立を起点に、IOR設立、ミケーレ・シンドーナのコーサ・ノストラ・ガンビーノ一家マネーロンダリング技術獲得、CIA仲介役を通じたパウロ6世との接点形成、ジョヴァンニ・レオーネ首相のローマ教皇庁課税を受けたパウロ6世によるシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命、バチカン保有資産のスイス銀行地下金庫移送とイタリア国税庁回避、IOR・プリバータ・イタリアーナ銀行口座を利用したマフィアマネーロンダリング一元化に至った、バチカンマネー資金洗浄構築の40年間の系譜を年月日単位で追跡した一冊。

JPY 200(税込)

購入する

購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します

お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。


本書について

西暦1,929年2月11日、ラテラノ条約がローマ教皇庁とイタリアの間で締結され、ローマ教皇庁の在るバチカン一帯がバチカン市国としてイタリア政府から政治的に独立した区域となる事が認められた。ベニート・ムッソリーニは、ローマ教皇領の権利放棄と引き換えにバチカン市国の主権国家としての地位とイタリアに対する免税特権を保証した。又此の条約には、バチカン市国に輸入される商品に対する関税の免除も盛り込まれた。此の時ムッソリーニは、バチカン市国以外の領地を放棄する代償として750,000,000リラ(現金40%・債券60%の割合)を支払う事に合意した。第259代ローマ教皇ピウス11世は、財産管理局を新設し、ベルナルディーノ・ノガーラに其の管理を任せた。ノガーラ家はユダヤ教からカトリックに改宗しており、兄は神父として教皇に仕えていた。

西暦1,942年6月27日、第260代ローマ教皇ピウス12世が、宗務委員会を改組し「IOR(宗教事業協会)」を、ラテラノ条約締結後にイタリアから支払われたローマ教皇領の没収に係る補償金を資本に設立した。此のIORの設立はロスチャイルド家の肝入りであった。IORは、麻薬資金等のマネーロンダリング装置として悪用される様になり、資金洗浄額の10%以上を手数料として取り、得た利益を東欧や中南米の反共組織に送金していた。

西暦1,946年、ミケーレ・シンドーナがミラノに移った。シンドーナは、CIAがイタリア共産党の拡大を阻止する為にCIAがバチカン市国とキリスト民主党に資金提供した際の仲介役を務めた。其れが切っ掛けで、シンドーナとパウロ6世は知己を得た。西暦1,952年、ミケーレ・シンドーナが、イタリアのマフィアのコーサ・ノストラの最高幹部ラッキー・ルチアーノの依頼でアメリカに渡った。其の後、アメリカのマフィアや金融機関等との関係を構築し、ニューヨークの5大マフィアの1つのガンビーノ一家の資金洗浄を行い、ガンビーノ一家の為に持株会社を設立した。此れが、シンドーナにとって最初のマネーロンダリングであった。西暦1,956年、ミケーレ・シンドーナが、コーサ・ノストラの幹部ジョー・アドニスの依頼でヘロイン密輸の収益のマネーロンダリングを行った。

西暦1,959年、ミケーレ・シンドーナが、IOR秘書官を務めるスパーダ家当主のマッシモ・スパーダと知己を得た。同年、マッシモ・スパーダが、老人ホーム「マンドニーナ」を設立しようとしていたパウロ6世に対し、用地と2,400,000ドルの資金提供を行った。西暦1,960年、ミケーレ・シンドーナが、マッシモ・スパーダの仲介により、リヒテンシュタインを本拠とする金融会社ファスコAGを通じて、ミラノに拠点を置くプライベート・ファイナンス銀行の株の過半数を取得した。IORとイタリアのウニオネ銀行も少数株主として名を連ねた。同行は、ミラノとローマの2つの店舗のみで運営される、小規模な金融機関であった。

西暦1,968年6月25日、ジョヴァンニ・レオーネが、第22代イタリア首相に就任した。就任後レオーネは、ローマ教皇庁への課税に踏み切り、莫大な投資額に対する追徴金が課せられた。西暦1,969年4月、ミケーレ・シンドーナが或る夜、第262代ローマ教皇となっていたパウロ6世にローマ教皇庁に招かれ、ネイビーブルーのスーツ・同系色のネクタイ・金色のカフスボタンが袖口から突き出た白いシャツを着用してパウロ6世との謁見に臨んだ。シンドーナは直様パウロ6世の居室に案内され、パウロ6世と対面した。パウロ6世は、儀礼的な指輪への接吻を勧める代わりに、シンドーナと握手を交わした。着席するとパウロ6世は、イタリア政府がバチカン市国の投資に課税する予定である事をシンドーナに告げた。此の措置で最初に影響を受ける金額は700,000,000ドルと見積もられた。

然しパウロ6世が最も懸念していたのは、此の金額では無く、他の国々がイタリアと同様の措置を取る事によって、ベルナルディーノ・ノガーラが長年に渡って築き上げた金融構造が崩壊してしまう可能性であった。続けてパウロ6世は、友人や財政顧問にも打ち明けていないもう1つの問題に就いてシンドーナに語った。其れは、保守派・進歩派の何れも、パウロ6世の牧会活動に満足せず、両者から絶えず批判が寄せられている状況下で、イタリア政府の課税政策によって、IORを通じて管理されている莫大な財産が危機に晒されている事が公になる事であった。シンドーナは数秒間考えた後、イタリア政府の課税措置を覆すのに必要な時間とリソースが足りないので、欧米のタックスヘイブンに設立された企業に資産を分散させるのはどうか、という提案をした。此れは嘗て自身がガンビーノ一家に行った手法と同じであった。唯一異なるのは、今回は公然と行う事であった。此れは、バチカン市国が主権国家である以上、好きな所に投資対象を移す権利が有り、イタリアの立法者達への警告となり、バチカン市国の投資に課税しようとする他国への牽制にもなるという狙いであった。

パウロ6世は数秒間考えた後、シンドーナにIORの資金管理を行う略無制限の権限を持つ、ローマ教皇庁の銀行家に任命する旨が書かれた書類を手渡した。シンドーナは書類を隅々まで読み、顔を上げてパウロ6世に向かって微笑み、万年筆を取り出し、書類の下部に署名した。パウロ6世は、箱の伴をシンドーナに与えた。此の任命によりシンドーナは、バチカン市国がイタリアに保有する株式を、イタリア政府に気付かれない様、ローマ教皇庁の提携金融機関であるスイス銀行の地下金庫への移送を依頼され、①ポール・マルチンクス②聖座財産管理局秘書ジュゼッペ・カプリオ③バチカン行政庁長官(暫定)セルジオ・ゲッリの3名と協力して任務を遂行した。

シンドーナは、イタリアの大手デベロッパーのジェネラーレ不動産の株式を売却し、其の利益でルクセンブルクの金融機関株を取得する等、バチカン市国の保有資産を次々とイタリア国外に移して名義を変えてイタリア国税庁を煙に巻き、新たに取得した株式で利益を上げた。又シンドーナは、バチカン市国名義の、ウニオネ銀行の口座から預金を引き上げ、約250,000,000ドルを着服し、残りをチューリッヒのアミンコル銀行に移す等した。此の頃シンドーナは、11ヶ国の、少なくとも5銀行・125以上の企業を支配していた。ローマ教皇庁の銀行家となったシンドーナは、IORが株式を保有する金融機関と、プリバータ・イタリアーナ銀行に有るローマ教皇庁の口座を利用して、マフィアのマネーロンダリングに手を貸した。本書は、此の40年に亘る、ラテラノ条約締結によるバチカン市国独立を起点とする、第259代ローマ教皇ピウス11世による財産管理局新設とベルナルディーノ・ノガーラへの管理任命、第260代ローマ教皇ピウス12世によるロスチャイルド家肝入りのIOR設立と麻薬資金等マネーロンダリング装置悪用、ミケーレ・シンドーナのCIA仲介役としてのパウロ6世との接点形成、コーサ・ノストラ・ガンビーノ一家・ジョー・アドニスのヘロイン密輸収益マネーロンダリング技術獲得、IOR秘書官マッシモ・スパーダ仲介によるファスコAG経由のプライベート・ファイナンス銀行株過半数取得、ジョヴァンニ・レオーネ首相のローマ教皇庁課税を受けたパウロ6世によるシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命、ポール・マルチンクス・ジュゼッペ・カプリオ・セルジオ・ゲッリ協力下のバチカン市国保有株式のスイス銀行地下金庫移送、ジェネラーレ不動産株売却によるルクセンブルク金融機関株取得とイタリア国税庁回避、ウニオネ銀行口座からの約250,000,000ドル着服、11ヶ国5銀行125以上の企業支配、IORとプリバータ・イタリアーナ銀行ローマ教皇庁口座を利用したマフィアマネーロンダリング一元化迄、バチカンマネー資金洗浄構築の40年に亘る全過程を、年月日単位で記録した年表である。


登場人物

  • パウロ6世 第262代ローマ教皇。本書の中心人物の1人。西暦1,946年にミラノに移ったミケーレ・シンドーナと、CIAのバチカン市国・キリスト民主党資金提供仲介を切っ掛けに知己を得た。西暦1,959年にマッシモ・スパーダから老人ホーム「マンドニーナ」設立用地と2,400,000ドルの資金提供を受けた。西暦1,969年4月、ジョヴァンニ・レオーネ首相のローマ教皇庁課税を受け、ローマ教皇庁にシンドーナを招き、700,000,000ドルの影響・ノガーラ構築金融構造崩壊・保守派と進歩派双方からの批判下でのIOR管理莫大財産危機公開を懸念し、シンドーナの欧米タックスヘイブン資産分散提案を受けて、シンドーナをIORの資金管理を行う略無制限の権限を持つローマ教皇庁の銀行家に任命した。
  • ミケーレ・シンドーナ 本書の中心人物の1人。西暦1,946年にミラノに移り、CIAのイタリア共産党拡大阻止目的のバチカン市国・キリスト民主党資金提供の仲介役を務め、パウロ6世と知己を得た。西暦1,952年にコーサ・ノストラ最高幹部ラッキー・ルチアーノの依頼でアメリカに渡り、ニューヨーク5大マフィアのガンビーノ一家の資金洗浄と持株会社設立を行った。西暦1,956年にジョー・アドニス依頼によるヘロイン密輸収益マネーロンダリングを実施。西暦1,959年にIOR秘書官マッシモ・スパーダと知己を得、西暦1,960年にファスコAG経由でプライベート・ファイナンス銀行株過半数取得。西暦1,969年4月、パウロ6世によりローマ教皇庁の銀行家に任命され、ポール・マルチンクス・ジュゼッペ・カプリオ・セルジオ・ゲッリと協力してバチカン市国保有株式をスイス銀行地下金庫に移送、ジェネラーレ不動産株売却によるルクセンブルク金融機関株取得、ウニオネ銀行口座から約250,000,000ドル着服、11ヶ国5銀行125以上の企業を支配した。
  • ベニート・ムッソリーニ イタリア首相。西暦1,929年2月11日、ラテラノ条約をローマ教皇庁との間で締結し、ローマ教皇領の権利放棄と引き換えにバチカン市国の主権国家としての地位とイタリアに対する免税特権を保証した。バチカン市国以外の領地を放棄する代償として750,000,000リラ(現金40%・債券60%の割合)を支払う事に合意した。
  • ピウス11世 第259代ローマ教皇。西暦1,929年2月11日のラテラノ条約締結時、財産管理局を新設し、ベルナルディーノ・ノガーラに其の管理を任せた。
  • ベルナルディーノ・ノガーラ ノガーラ家はユダヤ教からカトリックに改宗しており、兄は神父として教皇に仕えていた。西暦1,929年2月11日、第259代ローマ教皇ピウス11世により、ラテラノ条約締結時に新設された財産管理局の管理を任された。西暦1,969年4月のパウロ6世とシンドーナの謁見では、ノガーラが長年に渡って築き上げた金融構造が、イタリア政府の課税措置と他国の追随によって崩壊する可能性が、パウロ6世の最大の懸念事項であった。
  • ピウス12世 第260代ローマ教皇。西暦1,942年6月27日、宗務委員会を改組し「IOR(宗教事業協会)」を、ラテラノ条約締結後にイタリアから支払われたローマ教皇領の没収に係る補償金を資本に設立した。此のIORの設立はロスチャイルド家の肝入りであった。
  • ラッキー・ルチアーノ イタリアのマフィアのコーサ・ノストラの最高幹部。西暦1,952年、ミケーレ・シンドーナに依頼してアメリカに渡らせた。其の後シンドーナはアメリカのマフィアや金融機関等との関係を構築し、ニューヨークの5大マフィアの1つであるガンビーノ一家の資金洗浄を行い、持株会社を設立した。
  • ジョー・アドニス コーサ・ノストラの幹部。西暦1,956年、ミケーレ・シンドーナに依頼してヘロイン密輸の収益のマネーロンダリングを行わせた。
  • マッシモ・スパーダ スパーダ家当主でIOR秘書官。西暦1,959年、ミケーレ・シンドーナと知己を得た。同年、老人ホーム「マンドニーナ」を設立しようとしていたパウロ6世に対し、用地と2,400,000ドルの資金提供を行った。西暦1,960年、シンドーナとリヒテンシュタイン本拠のファスコAGを通じたミラノ・プライベート・ファイナンス銀行株過半数取得を仲介した。
  • ジョヴァンニ・レオーネ 第22代イタリア首相。西暦1,968年6月25日に就任し、就任後ローマ教皇庁への課税に踏み切り、莫大な投資額に対する追徴金を課した。此の課税政策が、西暦1,969年4月のパウロ6世によるシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命の直接的契機となった。
  • ポール・マルチンクス 西暦1,969年4月、パウロ6世により命じられた、バチカン市国がイタリアに保有する株式のローマ教皇庁の提携金融機関であるスイス銀行地下金庫への移送任務において、ミケーレ・シンドーナと協力した3名の1人。
  • ジュゼッペ・カプリオ 聖座財産管理局秘書。西暦1,969年4月、パウロ6世により命じられた、バチカン市国がイタリアに保有する株式のスイス銀行地下金庫への移送任務において、ミケーレ・シンドーナと協力した3名の1人。
  • セルジオ・ゲッリ バチカン行政庁長官(暫定)。西暦1,969年4月、パウロ6世により命じられた、バチカン市国がイタリアに保有する株式のスイス銀行地下金庫への移送任務において、ミケーレ・シンドーナと協力した3名の1人。

主要な概念・組織

  • ラテラノ条約・バチカン市国 西暦1,929年2月11日、ローマ教皇庁とイタリアの間で締結された条約。ローマ教皇庁の在るバチカン一帯がバチカン市国としてイタリア政府から政治的に独立した区域となる事が認められた。ベニート・ムッソリーニは、ローマ教皇領の権利放棄と引き換えにバチカン市国の主権国家としての地位とイタリアに対する免税特権を保証し、又バチカン市国に輸入される商品に対する関税の免除も盛り込まれた。ムッソリーニはバチカン市国以外の領地を放棄する代償として750,000,000リラ(現金40%・債券60%の割合)を支払う事に合意した。
  • 財産管理局・ノガーラ家 西暦1,929年2月11日のラテラノ条約締結時に、第259代ローマ教皇ピウス11世が新設した部局。ベルナルディーノ・ノガーラに管理が任された。ノガーラ家はユダヤ教からカトリックに改宗しており、兄は神父として教皇に仕えていた。ノガーラが長年に渡って築き上げた金融構造は、西暦1,969年4月のパウロ6世とシンドーナの謁見におけるパウロ6世の最大の懸念事項であった。
  • IOR(宗教事業協会) 西暦1,942年6月27日、第260代ローマ教皇ピウス12世が、宗務委員会を改組し、ラテラノ条約締結後にイタリアから支払われたローマ教皇領の没収に係る補償金を資本に設立した協会。此のIORの設立はロスチャイルド家の肝入りであった。IORは、麻薬資金等のマネーロンダリング装置として悪用される様になり、資金洗浄額の10%以上を手数料として取り、得た利益を東欧や中南米の反共組織に送金していた。西暦1,969年4月のシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命以降は、IORが株式を保有する金融機関と、プリバータ・イタリアーナ銀行に有るローマ教皇庁の口座が、マフィアのマネーロンダリングに利用された。
  • コーサ・ノストラ・ガンビーノ一家 コーサ・ノストラはイタリアのマフィア。西暦1,952年、最高幹部ラッキー・ルチアーノの依頼でミケーレ・シンドーナがアメリカに渡り、ニューヨークの5大マフィアの1つであるガンビーノ一家の資金洗浄を行い、ガンビーノ一家の為に持株会社を設立した。此れがシンドーナにとって最初のマネーロンダリングであり、後にバチカンマネー資金洗浄に於いて応用される手法の原型となった。西暦1,956年には、コーサ・ノストラ幹部ジョー・アドニスの依頼でヘロイン密輸の収益のマネーロンダリングも行われた。
  • CIA仲介・キリスト民主党資金提供 西暦1,946年、ミラノに移ったミケーレ・シンドーナが、CIAがイタリア共産党の拡大を阻止する為にCIAがバチカン市国とキリスト民主党に資金提供した際の仲介役を務めた。此の仲介役を務めた事が切っ掛けで、シンドーナとパウロ6世は知己を得た。
  • ファスコAG・プライベート・ファイナンス銀行 ファスコAGはリヒテンシュタインを本拠とする金融会社。西暦1,960年、ミケーレ・シンドーナが、マッシモ・スパーダの仲介により、ファスコAGを通じて、ミラノに拠点を置くプライベート・ファイナンス銀行の株の過半数を取得した。IORとイタリアのウニオネ銀行も少数株主として名を連ねた。プライベート・ファイナンス銀行は、ミラノとローマの2つの店舗のみで運営される、小規模な金融機関であった。
  • ローマ教皇庁銀行家任命 西暦1,969年4月、パウロ6世がミケーレ・シンドーナに対して行なった任命。ジョヴァンニ・レオーネ第22代イタリア首相のローマ教皇庁への課税(最初に影響を受ける金額700,000,000ドル)を受け、パウロ6世は、ベルナルディーノ・ノガーラが長年に渡って築き上げた金融構造の崩壊と、保守派・進歩派双方からの批判下でIOR管理の莫大な財産が危機に晒される事の公知化を懸念した。シンドーナは、欧米のタックスヘイブンに設立された企業に資産を分散させる、嘗てガンビーノ一家に行った手法と同じ提案を行い、パウロ6世はシンドーナに、IORの資金管理を行う略無制限の権限を持つローマ教皇庁の銀行家に任命する旨が書かれた書類を手渡した。
  • スイス銀行地下金庫移送・タックスヘイブン分散 西暦1,969年4月のシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命後、バチカン市国がイタリアに保有する株式を、イタリア政府に気付かれない様、ローマ教皇庁の提携金融機関であるスイス銀行の地下金庫に移送する任務。ポール・マルチンクス・聖座財産管理局秘書ジュゼッペ・カプリオ・バチカン行政庁長官(暫定)セルジオ・ゲッリの3名と協力して遂行された。シンドーナはイタリアの大手デベロッパーのジェネラーレ不動産の株式を売却し、其の利益でルクセンブルクの金融機関株を取得する等、バチカン市国の保有資産を次々とイタリア国外に移して名義を変えてイタリア国税庁を煙に巻き、新たに取得した株式で利益を上げた。
  • ウニオネ銀行・アミンコル銀行 ウニオネ銀行はイタリアの金融機関で、西暦1,960年のプライベート・ファイナンス銀行株過半数取得時にIORと共に少数株主に名を連ねた。西暦1,969年4月のシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命後、シンドーナはバチカン市国名義のウニオネ銀行の口座から預金を引き上げ、約250,000,000ドルを着服し、残りをチューリッヒのアミンコル銀行に移した。此の頃シンドーナは、11ヶ国の、少なくとも5銀行・125以上の企業を支配していた。
  • プリバータ・イタリアーナ銀行・マフィアマネロン一元化 西暦1,969年4月のシンドーナのローマ教皇庁銀行家就任以降、IORが株式を保有する金融機関と並んで、プリバータ・イタリアーナ銀行に有るローマ教皇庁の口座が、マフィアのマネーロンダリングに利用された。本書が記録する、バチカンマネー資金洗浄構築40年の到達点である。

ベニート・ムッソリーニとローマ教皇庁のラテラノ条約締結によるバチカン市国独立・主権国家としての地位と免税特権及び750,000,000リラ補償金合意、第259代ローマ教皇ピウス11世による財産管理局新設とノガーラ家ベルナルディーノ・ノガーラ管理任命、第260代ローマ教皇ピウス12世による宗務委員会改組とロスチャイルド家肝入り「IOR(宗教事業協会)」設立及び麻薬資金等マネーロンダリング装置悪用・洗浄額10%以上手数料・東欧と中南米の反共組織送金、ミケーレ・シンドーナのミラノ移住とCIAのバチカン市国・キリスト民主党資金提供仲介役及びパウロ6世との知己、シンドーナのコーサ・ノストラ最高幹部ラッキー・ルチアーノ依頼でのアメリカ渡航とニューヨーク5大マフィア・ガンビーノ一家資金洗浄及び持株会社設立、シンドーナのジョー・アドニス依頼によるヘロイン密輸収益マネーロンダリング、シンドーナとIOR秘書官マッシモ・スパーダ知己及びマッシモ・スパーダのパウロ6世の老人ホーム「マンドニーナ」設立への用地と2,400,000ドル資金提供、シンドーナのリヒテンシュタイン本拠ファスコAG経由ミラノ・プライベート・ファイナンス銀行株過半数取得とIOR・ウニオネ銀行少数株主、ジョヴァンニ・レオーネ第22代イタリア首相就任とローマ教皇庁への課税及び莫大投資額追徴金、シンドーナのパウロ6世ローマ教皇庁招待謁見と700,000,000ドル影響及びノガーラ構築金融構造崩壊懸念並びにIOR管理莫大財産危機公開懸念、シンドーナの欧米タックスヘイブン資産分散提案とパウロ6世によるシンドーナのIOR資金管理略無制限権限ローマ教皇庁銀行家任命、ポール・マルチンクス・ジュゼッペ・カプリオ・セルジオ・ゲッリ協力下のバチカン市国保有株式スイス銀行地下金庫移送、ジェネラーレ不動産株売却利益でのルクセンブルク金融機関株取得とイタリア国税庁回避、ウニオネ銀行口座約250,000,000ドル着服とチューリッヒ・アミンコル銀行移送、11ヶ国少なくとも5銀行・125以上の企業支配、IOR株式保有金融機関とプリバータ・イタリアーナ銀行ローマ教皇庁口座利用マフィアマネーロンダリング迄──
ラテラノ条約締結によるバチカン市国独立を起点に、IOR設立、シンドーナのコーサ・ノストラ・ガンビーノ一家マネーロンダリング技術獲得、CIA仲介役を通じたパウロ6世との接点形成、ジョヴァンニ・レオーネ首相のローマ教皇庁課税を受けたパウロ6世によるシンドーナのローマ教皇庁銀行家任命、バチカン保有資産のスイス銀行地下金庫移送とイタリア国税庁回避、IOR・プリバータ・イタリアーナ銀行口座を利用したマフィアマネーロンダリング一元化に至った、バチカンマネー資金洗浄構築の40年間の系譜を年月日単位で追跡した一冊。

JPY 200(税込)

購入する

購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します

お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。


皇室献上品 高級トイレットペーパー
皇室献上品 高級トイレットペーパー

AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「一元化」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
YouTubeとニコニコでも情報を発信中。