ビル・ゲイツに歯向かい
COVID-19ワクチン拒否、WHO国外追放、
ハーブ治療を推し進めた
国家元首達の末路一元化
西暦2,020年、大統領は式典でハーブティーを飲んだ──
歯向かった国家元首達の一年半を一元化。
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本書について
西暦2,020年4月20日、アンタナナリボ(マダガスカル)の式典で、第8代マダガスカル大統領アンドリー・ラジョエリナが一杯のハーブティーを飲んだ。IMRA(マダガスカル応用研究所)が製造した「CVO(コビッド・オーガニックス)」——マラリア治療で実証された効能を持つアルテミシニンが抽出される蓬と、其の他の在来ハーブから作られた飲み物である。ラジョエリナは、CVOがCOVID-19の感染予防や治療に役立ち7日で効果を表すと発表し、此の治療法で2名が治癒したと閣僚・外交官・ジャーナリストへ語り、学童に提供する意向を示した。式典はテレビでも放送された。CDCは直ちに、此れ等の代替治療法がCOVID-19による病気を予防又は治療出来るという科学的証拠は無く、一部は摂取する事が安全でない可能性が有るとの声明を出す。だが数日の内に複数のアフリカ諸国やハイチから出荷の問い合わせが届き、翌月にはアフリカ及びカリブ諸国の19ヶ国以上がCVOの供給を受けた。本書は、此処から始まる一年半を年月日単位で一元化した記録である。
同じ年の5月14日、ブルンジ外務省から4名のWHO職員へ、2日前の日付の書簡が手渡される。WHOブルンジ責任者ウォルター・カザディ・ムロンボ、フィールド疫学者ジャン・ピエール・ムルンダ・ンカタ、保健部門コーディネーターのルハナ・ミリンド・ビシムワとダニエル・タルジー——翌日までに退去せよという命令であった。其の6日後に大統領選が行われ、与党CNDD-FDDのエヴァリスト・ンダイシミエが当選する。そして6月6日、第9代ブルンジ大統領ピエール・ンクルンジザは、ンゴジ(ブルンジ)でバレーボールの試合を手伝った夕方に体調不良を訴えて入院した。翌7日には付き添いの者と会話出来る程度まで回復したものの、8日に容態が急変し、其の儘死去する。政府当局は、心停止に陥った後に蘇生措置を行ったが失敗したと公表した。
ブルンジ憲法に則れば、大統領が在任中に死去した場合の後任は国会議長パスカル・ニヤベンダである。しかし憲法裁判所の判決により、6月18日、ンダイシミエの就任式が2ヶ月前倒しで執り行われ、彼は第10代ブルンジ大統領となった。一方マダガスカルでは、5月20日にラジョエリナが、マダガスカル政府とWHOがCVOの配合に関する機密保持契約を結んで臨床観察を行うと自身のツイッターで発表し、10月2日にはアンタナナリボに非化学薬品生薬工場「ファーマラガシー」を開設して、CVO錠剤「CVO+」の生産を正式に開始した。
三人目の元首は、東アフリカに居た。西暦2,021年1月27日、第5代タンザニア大統領ジョン・マグフリは、ワクチンは危険であり、白人がワクチンを作れるならHIV/AIDS・結核・マラリア・癌のワクチンも見つかっていた筈だと述べ、健康に深刻な影響を及ぼす可能性のある疑わしいワクチンの試験に利用されない様、タンザニア保健省へ警告した。2月2日にはタンザニア保健大臣ドロシー・グワジマが、ワクチンが臨床的に安全であると証明された事にまだ満足していないとして、受け入れる計画は無いと発表する。マスクをしていない保健関係者に囲まれた記者会見で、彼女は生姜・大蒜・レモンを含むハーブの調合物とハーブの蒸気を宣伝し、COVID-19や他の病気に関する非公式な数値を報道しない様、ジャーナリストへ警告した。マグフリが公の場に姿を見せた最後の日は2月27日である。3月6日にジャカヤ・キクウェテ心臓研究所で10年以上患っていた慢性心房細動の治療を受けて退院した後、3月14日に体調不良でダルエスサラーム州の病院へ運ばれ、3月17日に死去した。死因は心臓合併症と発表された。
マグフリの死から3日後、ラジョエリナはCOVID-19ワクチンの接種をせず、公共への導入を急ぐ積もりも無いと発言して批判を浴びる。だが6日後の3月26日、国立医学アカデミーとの会議を経て強硬姿勢を撤回し、効果的なワクチンを探して使用するとして集団接種の受け入れを発表した。ワクチン接種は選択であり強制されるべきでは無いと付け加え、引き続きCVOへの支持も表明している。5月8日、イヴァト空港(マダガスカルのアンタナナリボ市)では、マダガスカル保健大臣ジャン・ルイ・ラコトヴァオ等が、COVAXを通じてユニセフからアストラゼネカ製COVID-19ワクチン「コビシールド」250,000回分を受け取った。
四人目は、カリブ海に居た。ハイチ政府は西暦2,021年1月頃、インドからのアストラゼネカ製ワクチンの供給を拒み、COVAXからの供給も拒む。4月には第42代ハイチ大統領ジョブネル・モイーズが、同社製ワクチンの信頼性を巡る論争の最中、スウェーデン・イギリスの研究所からの受け取りを拒否した。そして7月7日の1時、モイーズと妻マルティーヌは、元コロンビア軍兵士等を中心とした28名の武装集団にペシオンヴィル(ハイチ西県ポトプランス郡)の自宅へ侵入され、銃撃される。モイーズは射殺され、負傷したマルティーヌはマイアミへ渡って治療を受けた。其の一週間後の7月14日、アメリカ政府からCOVAX経由で寄贈された500,000回分のモデルナ製ワクチンがポルトープランスに到着し、16日には接種が始まっている。
マダガスカルでも、刃は向けられていた。西暦2,021年6月26日、独立記念日の祝賀行事の最中、マダガスカル国家憲兵隊は、司令官でラジョエリナの右腕であったリチャード・ラヴァロマナナの暗殺を阻止する。7月21日には、ラジョエリナ暗殺を企てたとして、国家の安全に対する攻撃に関する捜査の一環で6名が逮捕された。そしてブルンジでは、10月14日にシノファーム製COVID-19ワクチン500,000回分の寄贈を受け、10月18日、ブジュンブラで接種が始まる。ハーブティーを掲げ、WHOを追い出し、ワクチンを拒んだ国々が、一年半の間に何を経て何処へ辿り着いたのか——本書は其の全過程を一冊に束ねている。
登場人物
- アンドリー・ラジョエリナ 第8代マダガスカル大統領。西暦2,020年4月20日、アンタナナリボの式典でCVO(コビッド・オーガニックス)を飲み、COVID-19の感染予防や治療に役立ち7日で効果を表すと発表した。同年10月2日には生薬工場「ファーマラガシー」を開設してCVO錠剤の生産を開始。西暦2,021年3月20日頃にはワクチン接種をせず導入を急がないと述べて批判を浴びたが、同月26日に姿勢を撤回して集団接種の受け入れを発表し、同時にCVOへの支持も表明し続けた。7月21日には、其の暗殺を企てたとして6名が逮捕されている。
- ピエール・ンクルンジザ 第9代ブルンジ大統領。在任中の西暦2,020年5月14日、ブルンジ政府はWHO職員4名へ翌日までの退去を命じた。6月6日、ンゴジ(ブルンジ)でバレーボールの試合を手伝った夕方に体調不良を訴えて入院し、7日には付き添いの者と会話出来る程度まで回復したが、8日に容態が急変して死去した。政府当局は、心停止に陥った後の蘇生措置が失敗したと公表している。
- エヴァリスト・ンダイシミエ 西暦2,020年5月20日のブルンジ大統領選で、与党CNDD-FDDから出馬して当選した人物。ピエール・ンクルンジザの急死を受け、憲法上は国会議長パスカル・ニヤベンダが後任となる筈であったが、ブルンジ憲法裁判所の判決により、6月18日に2ヶ月前倒しで第10代ブルンジ大統領へ就任した。
- ジョン・マグフリ 第5代タンザニア大統領。西暦2,021年1月27日、ワクチンは危険であり、白人がワクチンを作れるならHIV/AIDS・結核・マラリア・癌のワクチンも見つかっていた筈だと述べ、疑わしいワクチンの試験に利用されない様タンザニア保健省へ警告した。2月27日を最後に公の場から姿を消し、3月6日に慢性心房細動の治療で一時入院、3月14日に体調不良で病院へ運ばれ、3月17日に死去した。死因は心臓合併症と発表された。
- ドロシー・グワジマ タンザニア保健大臣。西暦2,021年2月2日、ワクチンが臨床的に安全であると証明された事にまだ満足していないとして、COVID-19ワクチンを受け入れる計画は無いと発表した。マスクをしていない保健関係者に囲まれた記者会見で、生姜・大蒜・レモンを含むハーブの調合物とハーブの蒸気を宣伝し、COVID-19や他の病気に関する非公式な数値を報道しない様ジャーナリストへ警告した。
- ジョブネル・モイーズ 第42代ハイチ大統領。西暦2,021年4月、アストラゼネカ製ワクチンの信頼性を巡る論争の最中、スウェーデン・イギリスの研究所からの同社製ワクチンの受け取りを拒否した。7月7日1時、元コロンビア軍兵士等を中心とした28名の武装集団にペシオンヴィル(ハイチ西県ポトプランス郡)の自宅へ侵入され、銃撃されて射殺された。
- マルティーヌ・モイーズ ジョブネル・モイーズの妻。西暦2,021年7月7日の襲撃で夫と共に銃撃されて負傷し、マイアミへ渡って治療を受けた。
- リチャード・ラヴァロマナナ マダガスカル国家憲兵隊司令官で、アンドリー・ラジョエリナの右腕とされた人物。西暦2,021年6月26日、マダガスカルの独立記念日の祝賀行事の最中に、其の暗殺がマダガスカル国家憲兵隊によって阻止された。
- ジャン・ルイ・ラコトヴァオ マダガスカル保健大臣。西暦2,021年5月8日、イヴァト空港(マダガスカルのアンタナナリボ市)にて、ユニセフ・WHOの代表者や国連システムの常駐調整官が率いる代表団・CEPI代表者と共に、COVAXを通じてアストラゼネカ製COVID-19ワクチン「コビシールド」250,000回分を受け取った。
本書が記録する出来事
- CVO(コビッド・オーガニックス) IMRA(マダガスカル応用研究所)が製造したハーブティー。マラリア治療で実証された効能を持つアルテミシニンが抽出される蓬と、其の他の在来ハーブから作られた。西暦2,020年4月20日、アンドリー・ラジョエリナがアンタナナリボの式典で之を飲み、COVID-19の感染予防や治療に役立ち7日で効果を表すと発表した。西暦2,020年10月2日には、非化学薬品生薬工場「ファーマラガシー」で錠剤「CVO+」の生産が正式に始まった。
- CDCの声明と19ヶ国以上への広がり 式典を受けてCDCは、此れ等の代替治療法がCOVID-19による病気を予防又は治療出来るという科学的証拠は無く、一部は摂取する事が安全でない可能性が有るとの声明を出した。しかし数日の内に複数のアフリカ諸国やハイチから出荷の問い合わせが有り、ラジョエリナはサンプルを無償で提供する事に合意する。翌月には、アフリカ及びカリブ諸国の19ヶ国以上がCVOの供給を受けた。
- WHO職員4名への退去命令 西暦2,020年5月14日、ブルンジ外務省から、2日前の日付の書簡が4名のWHO職員へ手渡された。WHOブルンジ責任者ウォルター・カザディ・ムロンボ、フィールド疫学者ジャン・ピエール・ムルンダ・ンカタ、保健部門コーディネーターのルハナ・ミリンド・ビシムワとダニエル・タルジーに対し、翌日までの退去を命じる内容であった。
- WHOとの機密保持契約 西暦2,020年5月20日、アンドリー・ラジョエリナが自身のツイッターアカウントで発表した内容。マダガスカル政府とWHOがCVOの配合に関する機密保持契約を結び、臨床観察を行うとされた。
- ピエール・ンクルンジザの急死と前倒しの就任式 西暦2,020年6月6日夕方の入院から、7日の一時的な回復を経て、8日の急変と死去へ至った経緯。ブルンジ憲法に則れば大統領の在任中の死去では国会議長パスカル・ニヤベンダが後任となる筈であったが、ブルンジ憲法裁判所の判決により、6月18日にエヴァリスト・ンダイシミエの就任式が2ヶ月前倒しで執り行われた。
- タンザニアのワクチン拒否 西暦2,021年1月27日のジョン・マグフリの発言と、2月2日のドロシー・グワジマによる「受け入れる計画は無い」という発表。会見では生姜・大蒜・レモンを含むハーブの調合物とハーブの蒸気が宣伝され、非公式な数値の報道を控える様ジャーナリストへの警告も為された。其の後、マグフリは2月27日を最後に公の場から姿を消し、3月17日に死去する。
- ハイチのワクチン拒否 西暦2,021年1月頃、ハイチ政府はインドからのアストラゼネカ製ワクチンの供給を拒み、COVAXからの供給も拒否した。4月には第42代ハイチ大統領ジョブネル・モイーズが、同社製ワクチンの信頼性を巡る論争の最中、スウェーデン・イギリスの研究所からの受け取りを拒んでいる。
- ジョブネル・モイーズの暗殺 西暦2,021年7月7日1時、元コロンビア軍兵士等を中心とした28名の武装集団が、ペシオンヴィル(ハイチ西県ポトプランス郡)の自宅へ侵入して銃撃した事件。ジョブネル・モイーズは射殺され、妻マルティーヌは負傷してマイアミで治療を受けた。其の一週間後の7月14日、アメリカ政府からCOVAX経由で寄贈された500,000回分のモデルナ製ワクチンがポルトープランスへ到着し、16日にMSPP(ハイチ公衆衛生省)が接種を開始した。
- 各国のワクチン受け入れ マダガスカルでは西暦2,021年3月26日にアンドリー・ラジョエリナが集団接種の受け入れを発表し、5月8日にコビシールド250,000回分を受領した。ハイチでは7月16日にモデルナ製の接種が始まる。ブルンジでは10月14日にシノファーム製COVID-19ワクチン500,000回分の寄贈を受け、10月18日、ブジュンブラ(ブルンジのブジュンブラ・メリー県)で接種が始まった。
CVOからシノファームへ──
三ヶ国の元首に起きた事と、其の後の受け入れ迄を一元化。
JPY 200(税込)
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