電子書籍「ヒューレット・パッカード社共同創業者デビッド・パッカードの人口抑制活動一元化」の表紙

ヒューレット・パッカード社共同創業者デビッド・パッカードの人口抑制活動一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
西暦1,964年3月〜2,015年
ページ数
20ページ
文字数
5,515字
最新更新日
西暦2,026年8月23日

西暦1,964年、財団はダイニングテーブルで始まった──
其の助成金は、やがて3大陸の人口抑制へ向かう。

210円(税込)

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本書について

西暦1,964年3月、ヒューレット・パッカード社共同創業者デビッド・パッカードと妻ルシール・パッカードが同年設立した家族財団「デビッド&ルシール・パッカード財団」が、法人格を取得する。初年度の助成は20件で計10,767.18ドル。交付先はサンフランシスコ交響楽団の1,000ドル、CHC(子供健康評議会)、YMCA(キリスト教青年会)とYWCA(キリスト教女子青年会)の各1,000ドル超であった。最初の財団理事会は、パッカード家のダイニングテーブルで開かれ、デビッド・ルシール・デビッドの長男デイビッド・ウッドリー・パッカード・弁護士ネイサン・フィンチの4名が参加している。財団は名目上、子供たちの生活を改善し、科学の創造的な追求を可能にし、生殖の健康を促進し、地球の自然システムを保護および回復する事を目標に掲げた。だが実際の活動は、人口抑制や関連問題に振り切っていた。財団の資産の大部分は、ヒューレット・パッカード社の株で運用される。本書は、此の家庭の食卓から始まった財団が、半世紀を掛けて3大陸規模の人口抑制助成機関へ変貌してゆく51年を、年月日単位で一元化した記録である。

西暦1,966年、デビッド&ルシール・パッカード財団の交付する助成金が75,000ドルを超えるケースが出始める。其の中には、プランド・ペアレントフッドに対する3年間の助成金も含まれていた。西暦1,969年1月24日、デビッド・パッカードが第13代アメリカ国防副長官に就任し、之に伴いヒューレット・パッカード社と財団理事会から離れる。西暦1,970年頃には、人口抑制に賛同していた第8代アメリカ国防長官で第5代世界銀行総裁のロバート・マクナマラと親しくなった。西暦1,971年6月、財団は自然保護・生態学、文化、教育、保健、青少年・マイノリティという5つの助成分野を定め、助成金を理事会で議論する。財団理事会議長に就任したルシール・パッカードは、民間財団に対し、実際の収入と資産の法定推定最低収益の何れか少ない方を、当該収入を受け取った年の末日までに寄付する事を義務付ける連邦税の新規定について議論した。ルシールは、財団が此れ迄助成金の支給を収入の限度内に制限した事は一度も無かったと述べ、本年以降は法律の要件を遵守する様強く求めている。同年12月13日、デビッドは国防副長官職を退任し、ヒューレット・パッカード社取締役会長に選任されると共に、財団理事会にも復帰した。

西暦1,980年3月17日、第49回アメリカ大統領選を戦っていたロナルド・レーガンが、三極委員会委員の閣僚就任を認めるかどうかを問われ「三極委員会が陰謀を企む集団だとは思わないが、其の関心は国際銀行や多国籍企業等に注がれていると思う。私は、アメリカ政府のどの政権であっても、19ものポジションを特定の団体が占めるべきだとは思わない」と回答する。然し実際に其の選挙運動を支えていたのは、三極委員会を支持するCFR会員達であった。選挙運動部長でマンハッタン政策研究所共同設立者のウィリアム・J・ケイシー、デビッド・パッカード、ジョージ・H・ウェアハウザー、下院議員と上院議員を歴任したビル・ブロック、第54代在英アメリカ大使アン・アームストロング、カーター・ホーリー・ヘイル社会長兼CEOフィリップ・M・ホーリー、ディア・アンド・カンパニーCEO兼社長ウィリアム・A・ヒューイット、そしてニクソン政権で行政管理予算局長と保健教育福祉長官を務めベクテル社副社長でもあったキャスパー・ワインバーガーである。翌西暦1,981年、パッカードは環境保護非営利団体TNC(ザ・ネイチャー・コンサーバンシー)の重要地域プログラム委員会委員長に就任し、翌年末迄に約89.03k㎡の生息地購入の為に15,000,000ドルを調達した。西暦1,985年頃には弐女スーザン・パッカードがパロアルトにソフトウェア会社「テクノロジー・リソース・アシスタンス・センター」を設立し、非営利団体向けの管理ツールを提供する。同年パッカードは、前年に第44代アメリカ内務長官ウィリアム・パトリック・クラークが設立した「全米魚類野生生物財団」の理事に就き、生息地の購入と保全に取り組んだ。

西暦1,986年、デビッド・パッカードはクリスチャン・サイエンス・モニター紙のインタビューで、自身の立場を明確に語る。我々が対処しなければならない最も重要な問題は人口抑制と環境管理の組み合わせであり、長期的な視点で見れば、人口を制限しなければ他の問題が最終的に手に負えなくなる——世界的な人口増加への対策は避妊や中絶に就いてより合理的になる事であり、アメリカは此の人口抑制のリーダーになるべきだ、と述べた。併せて環境悪化にも触れ、環境は最終的にどの程度の人口を支えられるかを決定するとし、魅力的な生態系を保存してアメリカ本来の特徴を保持する事、我々が大気の性質を変えつつあり気候に劇的な変化を齎す可能性が有る事を指摘する。エネルギー需要の解決策は原子力であり、遅かれ早かれ何らかの形で原子力に頼らざるを得ず、21世紀中にはそうしなければならない、とも語った。

西暦1,988年、デビッド・パッカードが、中絶権利運動で著名なニューヨークの実業家ロビン・デュークをデビッド&ルシール・パッカード財団理事会に招待し、人口問題に関する非公式のリーダーに任命する。人口抑制に関しコンセンサスを得ていた2人は、政治的な議論を交わした。デュークの勧めにより、財団は主にカリフォルニアとメキシコで展開していた小規模な人口問題プログラムを、3大陸で活動する数百万ドル規模のプログラムへと刷新する。同年パッカードは財団に2,000,000,000ドルを寄付し、人口抑制プログラムへの年間助成金を1,000,000ドルから10,000,000ドルへ、一挙に10倍に増額した。本格的な資金提供の開始である。西暦1,993年、財団はカトリックの自由選択や、世界的な妊娠中絶・不妊手術・避妊を推進する人口抑制策に2,135,487ドルを支給した。内訳は、複数のプランド・ペアレントフッド関連団体へ316,000ドル以上、人口評議会による妊娠中絶薬RU-486のアメリカ導入の準備・計画へ20,000ドル、全米中絶連盟へ75,000ドル、メキシコへ594,990ドル、コロンビアへ226,758ドル、メキシコ・コロンビアの共同プロジェクトへ40,000ドル、アメリカのヒスパニックプロジェクトへ60,000ドルである。コロンビアには、中絶した女性の敗血症ショックの治療プロジェクトにも資金提供が行われた。

西暦1,995年9月、人口評議会がダンコ・ラボラトリーズ社にRU-486のライセンスを供与する。同社はデビッド&ルシール・パッカード財団による10,000,000ドルの資金提供を受け、生産を開始した。西暦1,996年3月26日、デビッド・パッカードが肺炎により死去する。同年6月、弐女スーザン・パッカードが財団議長に就任した。デビッドは生前、控え目で几帳面なスーザンならば、海洋生物学の訓練を受けた後にプロカメラマンとなった長女ナンシー・パッカード、デイビッド・ウッドリー・パッカード、モントレー湾水族館館長である参女ジュリー・パッカードといった、大胆なアイデアを持ち注目を浴びる事に慣れた兄弟達と上手くバランスを取り、パッカード家を一丸に出来ると考えていた。スーザンは財団をより民主的にしようとしたが、兄弟が分裂する恐れが有ると考え、予算編成の演習や他の財団との情報収集の会合を計画する。理事会のメンバーは概ね賛同したものの、ウッドリーは「プロセスが多過ぎる」として反対した。

西暦1,997年、デビッド&ルシール・パッカード財団は109のプロジェクトに資金提供を行う。其の中には、プランド・ペアレントフッド、USAID人口局・UNFPA・IPPFの設立の際に資金提供を行ったPAI(ポピュレーション・アクション・インターナショナル)、プランド・ペアレントフッドによって設立され避妊と中絶に関するアメリカの州法及び国の法律と政策を継続的に監視するアラン・グットマッハー研究所といった機関が含まれていた。エチオピア・ウガンダでの中絶トレーニング支援に約240,000ドル、ベトナムでの経口避妊薬配布に100,000ドル、ワシントン州での緊急避妊薬促進に500,000ドルも投じられている。西暦1,998年3月10日の時点で、財団は人口問題プログラムに35,000,000ドルを支出する予定が有り、翌年は70,000,000ドルを支出する予定であった。

西暦2,009年5月5日、ニューヨーク州マンハッタンのロックフェラー大学学長ポール・ナース博士の邸宅に、ビル・ゲイツ・デイヴィッド・ロックフェラー・ウォーレン・バフェット・ジョージ・ソロス・マイケル・ブルームバーグ・テッド・ターナー・オプラ・ウィンフリー・エリ・ブロード・ピーター・G・ピーターソン・ジュリアン・ロバートソン・ジュニア・パティ・ストーンシファーが集まり、「グッドクラブ」という会議が開かれる。招待状に署名したのはゲイツ・ロックフェラー・バフェットの3名で、ホストはロックフェラーであった。参加者は地球に関する主要な懸念事項について各々15分間のプレゼンを行い、ゲイツの意向により「世界の人口削減と避妊をいかに効果的に進めるか」という議題が討論され、人口増加を環境・社会・産業に悪影響を及ぼす可能性のある脅威として取り上げる戦略を支持する、というコンセンサスが得られた。会議終了後、参加者達はビル&メリンダ・ゲイツ財団の人口抑制活動に資金提供を行う事となり、バフェットは31,000,000,000ドルを拠出している。バフェットは元々、自身と妻スーザン・バフェットが亡くなったら略全財産をデビッド&ルシール・パッカード財団と人口抑制計画に捧げると打ち明けていた人物であった。

西暦2,011年、デビッド&ルシール・パッカード財団がPSIや、コンドーム使用の必要性を訴える公演を400回行う「4つの訓練されたストリートシアターチーム」に提供した助成金が、インドのビハール州のガソリンスタンドやコンビニでコンドームを配布する為に使用される事となる。西暦2,012年、スーザン・パッカードがバラク・オバマのアメリカ大統領再選に向けたキャンペーンに少なくとも2,500ドルを寄付し、此の頃プランド・ペアレントフッド傘下のスーパーPAC(特別政治活動委員会)であるプランド・ペアレントフッド・ボーツにも100,000ドルを寄付した。そして西暦2,015年、財団はプランド・ペアレントフッドに2件で計5,100,000ドルの助成金を提供する。他にサンノゼ支部へ750,000ドル、アトランタ支部へ500,000ドル。同年、アイビス・リプロダクティブ・ヘルスにも12,000,000ドルを提供し、連合を拡大して、製薬会社と協力しFDAに対する市販避妊薬の申請に必要な研究を完了させた。20件計10,767.18ドルから始まった助成が、半世紀を経て何処へ辿り着いたのか——本書は、其の全軌跡を一冊に束ねている。


登場人物

  • デビッド・パッカード 本書の中心人物。ヒューレット・パッカード社共同創業者。西暦1,964年に妻ルシールとデビッド&ルシール・パッカード財団を設立し、名目の目標とは別に活動を人口抑制へ振り切らせた。西暦1,969年1月24日に第13代アメリカ国防副長官へ就任し、西暦1,971年12月13日の退任後はヒューレット・パッカード社取締役会長に選任されて財団理事会にも復帰する。西暦1,986年にはクリスチャン・サイエンス・モニター紙で人口抑制と環境管理を最重要問題と語り、西暦1,988年には財団へ2,000,000,000ドルを寄付して人口抑制プログラムの年間助成金を10倍に増額した。西暦1,996年3月26日、肺炎により死去。
  • ルシール・パッカード デビッド・パッカードの妻。西暦1,964年に夫と共にデビッド&ルシール・パッカード財団を設立した。最初の財団理事会は、パッカード家のダイニングテーブルで開かれている。西暦1,971年6月に財団理事会議長へ就任し、5つの助成分野の策定と、民間財団に寄付を義務付ける連邦税の新規定について議論した。財団が此れ迄助成金の支給を収入の限度内に制限した事は一度も無かったと述べ、本年以降の法律要件の遵守を強く求めている。
  • スーザン・パッカード デビッド・パッカードの弐女。西暦1,985年頃、パロアルト(アメリカのカリフォルニア州サンタクララ郡)にソフトウェア会社「テクノロジー・リソース・アシスタンス・センター」を設立し、非営利団体向けの管理ツールを提供した。西暦1,996年6月、父の死去を承けてデビッド&ルシール・パッカード財団議長に就任。財団をより民主的にしようとしたが、兄弟の分裂を懸念して予算編成の演習等を計画した。西暦2,012年にはバラク・オバマの再選キャンペーンへ少なくとも2,500ドル、プランド・ペアレントフッド・ボーツへ100,000ドルを寄付している。
  • デイビッド・ウッドリー・パッカード デビッド・パッカードの長男。西暦1,964年、パッカード家のダイニングテーブルで開かれた最初の財団理事会に参加した4名の1人。西暦1,996年に妹スーザンが財団をより民主的にしようとした際は「プロセスが多過ぎる」として反対している。
  • ナンシー・パッカード デビッド・パッカードの長女。海洋生物学の訓練を受けた後、プロカメラマンとなった。父デビッドは生前、大胆なアイデアを持つ兄弟達とスーザンがバランスを取る事でパッカード家を一丸に出来ると考えており、其の兄弟の1人である。
  • ジュリー・パッカード デビッド・パッカードの参女で、モントレー湾(アメリカのカリフォルニア州)水族館の館長。父デビッドが、スーザンとバランスを取るべき兄弟の1人として挙げた人物である。
  • ネイサン・フィンチ 弁護士。西暦1,964年、パッカード家のダイニングテーブルで開かれたデビッド&ルシール・パッカード財団の最初の理事会に、デビッド・ルシール・デイビッド・ウッドリー・パッカードと共に参加した。
  • ロビン・デューク 中絶権利運動で著名なニューヨークの実業家。西暦1,988年、デビッド・パッカードによりデビッド&ルシール・パッカード財団理事会へ招待され、人口問題に関する非公式のリーダーに任命された。デュークの勧めにより、財団は主にカリフォルニアとメキシコで展開していた小規模な人口問題プログラムを、3大陸で活動する数百万ドル規模のプログラムへと刷新している。
  • ロバート・マクナマラ 第8代アメリカ国防長官を務めた第5代世界銀行総裁。人口抑制に賛同していた。西暦1,970年頃、アメリカ国防副長官在任中のデビッド・パッカードと親しくなった。
  • ウォーレン・バフェット 投資家。自身と妻スーザン・バフェットが亡くなったら、略全財産をデビッド&ルシール・パッカード財団と人口抑制計画に捧げると打ち明けていた。西暦2,009年5月5日のグッドクラブ会議には招待状の署名者として参加し、会議後、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の人口抑制活動に31,000,000,000ドルの資金提供を行っている。
  • ロナルド・レーガン 第49回アメリカ大統領選の候補。西暦1,980年3月17日、三極委員会委員の閣僚就任について問われ、其の関心は国際銀行や多国籍企業に注がれていると思うが陰謀を企む集団だとは思わない、どの政権であっても19ものポジションを特定の団体が占めるべきではない、と回答した。然し実際の選挙運動は、三極委員会を支持するCFR会員達に支えられていた。
  • ウィリアム・J・ケイシー マンハッタン政策研究所共同設立者。西暦1,980年のロナルド・レーガンの選挙運動で部長を務めた、三極委員会を支持するCFR会員の1人である。
  • キャスパー・ワインバーガー リチャード・ニクソン政権下で第20代行政管理予算局長・第10代保健教育福祉長官を務め、ベクテル社では副社長を務めた人物。西暦1,980年のロナルド・レーガンの選挙運動を支えた、三極委員会を支持するCFR会員の1人。
  • ウィリアム・パトリック・クラーク 第44代アメリカ内務長官。西暦1,984年に「全米魚類野生生物財団」を設立した。翌西暦1,985年、デビッド・パッカードが同財団の理事に就任している。
  • ビル・ゲイツ マイクロソフト創業者。西暦2,009年5月5日のグッドクラブ会議に招待状の署名者として参加し、自ら「世界の人口削減と避妊をいかに効果的に進めるか」という議題を提起した。会議後、参加者達はビル&メリンダ・ゲイツ財団の人口抑制活動へ資金提供を行う事となった。
  • デイヴィッド・ロックフェラー 西暦2,009年5月5日、ニューヨーク州マンハッタンのロックフェラー大学学長ポール・ナース博士の邸宅で開かれたグッドクラブ会議のホスト。招待状にも署名した。
  • ポール・ナース ロックフェラー大学の学長。西暦2,009年5月5日、其の邸宅がグッドクラブ会議の会場となった。

主要な概念・組織

  • デビッド&ルシール・パッカード財団 西暦1,964年3月に法人格を取得した家族財団。初年度の助成は20件で計10,767.18ドル。資産の大部分はヒューレット・パッカード社の株で運用された。名目上の目標は子供たちの生活改善・科学の創造的な追求・生殖の健康の促進・地球の自然システムの保護と回復であったが、実際の活動は人口抑制や関連問題に振り切っていた。西暦1,988年に年間助成金が10,000,000ドルへ増額されて以降、規模を拡大し続けている。
  • 5つの助成分野 西暦1,971年6月にデビッド&ルシール・パッカード財団が定めた助成の枠組みで、自然保護・生態学、文化、教育、保健、青少年・マイノリティの5分野から成る。同時に理事会では、民間財団に対し、実際の収入と資産の法定推定最低収益の何れか少ない方を年内に寄付する事を義務付ける連邦税の新規定が議論された。
  • プランド・ペアレントフッド アメリカの家族計画・中絶関連団体。デビッド&ルシール・パッカード財団の主要な助成先で、西暦1,966年の3年間の助成に始まり、西暦2,015年の2件計5,100,000ドル(サンノゼ支部750,000ドル・アトランタ支部500,000ドルを含む)に至るまで、継続的に資金提供を受けた。傘下にスーパーPACのプランド・ペアレントフッド・ボーツや、アラン・グットマッハー研究所を持つ。
  • RU-486 妊娠が継続する為に必要なプロゲステロンの作用を止める妊娠中絶薬。西暦1,993年、デビッド&ルシール・パッカード財団は人口評議会によるアメリカへの導入の準備・計画へ20,000ドルを助成した。西暦1,995年9月には人口評議会がダンコ・ラボラトリーズ社へライセンスを供与し、同社は財団の10,000,000ドルの資金提供により生産を開始している。
  • 人口評議会 RU-486のアメリカ導入を進めた組織。西暦1,995年9月、ダンコ・ラボラトリーズ社に同薬のライセンスを供与した。
  • 西暦1,993年の助成内訳 デビッド&ルシール・パッカード財団が、カトリックの自由選択や世界的な妊娠中絶・不妊手術・避妊を推進する人口抑制策へ支給した計2,135,487ドルの内訳。プランド・ペアレントフッド関連団体へ316,000ドル以上、RU-486導入計画へ20,000ドル、全米中絶連盟へ75,000ドル、メキシコへ594,990ドル、コロンビアへ226,758ドル、両国の共同プロジェクトへ40,000ドル、アメリカのヒスパニックプロジェクトへ60,000ドル。コロンビアには、中絶した女性の敗血症ショックの治療プロジェクトにも資金提供が行われた。
  • アラン・グットマッハー研究所 プランド・ペアレントフッドによって設立され、避妊と中絶に関するアメリカの州法及び国の法律と政策を継続的に監視する機関。西暦1,997年、デビッド&ルシール・パッカード財団が資金提供した109のプロジェクトの1つに含まれていた。
  • PAI(ポピュレーション・アクション・インターナショナル) USAID人口局・UNFPA・IPPFの設立の際に資金提供を行った機関。西暦1,997年、デビッド&ルシール・パッカード財団の助成先の1つとなった。
  • アイビス・リプロダクティブ・ヘルス 西暦2,015年、デビッド&ルシール・パッカード財団から12,000,000ドルの助成を受けた団体。連合を拡大し、製薬会社と協力して、FDAに対する市販避妊薬の申請に必要な研究を完了させた。
  • CFRと三極委員会 西暦1,980年の第49回アメリカ大統領選で、ロナルド・レーガンの選挙運動を支えた人脈の背景に在った組織。ウィリアム・J・ケイシー、デビッド・パッカード、ジョージ・H・ウェアハウザー、ビル・ブロック、アン・アームストロング、フィリップ・M・ホーリー、ウィリアム・A・ヒューイット、キャスパー・ワインバーガーといったCFR会員が、三極委員会を支持する立場から陣営に関与した。
  • TNC(ザ・ネイチャー・コンサーバンシー) 環境保護非営利団体。西暦1,981年、デビッド・パッカードが重要地域プログラム委員会の委員長に就任し、翌年末迄に約89.03k㎡の生息地購入の為、15,000,000ドルを調達した。
  • 全米魚類野生生物財団 西暦1,984年、第44代アメリカ内務長官ウィリアム・パトリック・クラークによって設立された財団。翌西暦1,985年、デビッド・パッカードが理事に就任し、生息地の購入と保全に取り組んだ。
  • グッドクラブ 西暦2,009年5月5日、ニューヨーク州マンハッタンのロックフェラー大学学長ポール・ナース博士の邸宅で開かれた会議。ビル・ゲイツ・デイヴィッド・ロックフェラー・ウォーレン・バフェットが招待状に署名し、ジョージ・ソロス・マイケル・ブルームバーグ・テッド・ターナー・オプラ・ウィンフリー・エリ・ブロード・ピーター・G・ピーターソン・ジュリアン・ロバートソン・ジュニア・パティ・ストーンシファーらが参加した。各々15分間のプレゼンの後、ゲイツの意向により世界の人口削減と避妊の推進が討論され、人口増加を環境・社会・産業への脅威として取り上げる戦略を支持するコンセンサスが得られている。
  • ストリートシアターチーム コンドーム使用の必要性を訴える公演を400回行う「4つの訓練されたストリートシアターチーム」。西暦2,011年、デビッド&ルシール・パッカード財団がPSIと共に提供した助成金が、インドのビハール州のガソリンスタンドやコンビニでのコンドーム配布に使用される事となった。

財団設立からグッドクラブ会議まで──
デビッド・パッカードと其の財団が辿った51年を一元化。

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AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
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