キッシンジャーの教え子
クラウス・シュワブによる
世界経済フォーラム設立と
グレート・リセット一元化
西暦1,965年、キッシンジャーの円卓会議から全ては始まった──
クラウス・シュワブが築いた世界経済フォーラムとグレート・リセットの56年を一元化。
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本書について
西暦1,965年、クラウス・シュワブは、ハーバード大学の政府学部及びビジネススクールに入学した。シュワブは、CIAから西暦1,960〜1,966年の間に135,000ドルの資金提供を受けていたヘンリー・キッシンジャー主催のハーバード国際セミナーを通じ、円卓会議でキッシンジャーと繋がりの有る人間との人脈を築いていく。其の中の1人が、此のCIAの息の掛かったセミナーでポール・ウォーバーグの名を冠した講座を担当し、ジョン・F・ケネディ政権下で駐インドアメリカ大使を務めたジョン・ケネス・ガルブレイスであった。シュワブは1年間キッシンジャーの指導を受け、公共行政学の修士号を取得してヨーロッパへ戻り、アイビーリーグの経営学部で教えられていたアメリカの経営手法を、ヨーロッパの機関に取り入れようとした——本書は、此の師弟関係を起点として、シュワブが半世紀を掛けて築いた世界経済フォーラムとグレート・リセットの全過程を、年月日単位で一元化した記録である。
西暦1,967年、シュワブは、チューリッヒの機械メーカーであるエッシャーウイス社の取締役に就任する。父オイゲン・シュワブは、第二次世界大戦中に同社の取締役を務め、クラウスの生まれ故郷ラーヴェンスブルク(現在のドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州)の支店で、ナチス向けの軍需品を生産する為に強制労働者を使役していた。同社は、ナチス政権の核計画の為の重水生産の取り組みも支援している。そしてクラウス自身も、南アフリカのアパルトヘイト政権が核保有国の仲間入りを果たす為に必要な設備を提供する決定に関与した。世界経済フォーラムの創設者となる以前のシュワブ家は、戦争と核を巡る産業の只中に在ったのである。
西暦1,971年1月、シュワブは、ケンブリッジで出会った数名と、後に妻となるヒルダ・シュトールを含むスイス拠点の3名のスタッフの協力を得て、最初の「ヨーロッパ経営シンポジウム」を開催する。444名のビジネスリーダーを説得して参加させ、其の全員から徴収した参加費を原資に、同月、非営利団体「EMF(ヨーロッパ経営フォーラム)」を設立した。設立に際しては、ジョン・ケネス・ガルブレイスと、軍事技術ロビイストのハーマン・カーンの助けを借りて投資家の支援を取り付けている。EMFは、後に「WEF(世界経済フォーラム)」へと改称された。同年1月24日からは、シュワブ自らが開催地に選んだダボス(スイスのグラウビュンデン州プレティガウ・ダボス区)で、EMF初の年次総会が開かれる。ヨーロッパ各国の経営者・欧州委員会委員・アメリカの主たる学者ら31ヶ国450名が参加し、以降此の年次総会は「ダボス会議」と称される様になった。
やがてフォーラムは、公衆衛生の領域へも手を伸ばす。西暦1,999年、ビル&メリンダ・ゲイツ財団が、GAVI設立の為に750,000,000ドルの寄付を約束した。西暦2,000年1月31日、第30回ダボス会議で開かれたGAVIアライアンス発足のパネルセッションでは、WHO事務局長でGAVI理事会議長のグロ・ハーレム・ブルントラントが司会を務め、ビル・ゲイツが前年の約束通り750,000,000ドルを寄付して、GAVIアライアンスを此のダボスで設立させた。GAVIアライアンスは当初ユニセフ内に置かれていたが、西暦2,009年6月23日、スイス政府より国際機関地位の財団として認定されてユニセフから独立し、外交官を超える、適格外交特権を含む包括的な免責を与えられる。其れは、仮に犯罪捜査に巻き込まれても、警察がGAVIに対して捜査や証拠の収集すら出来ないというものであった。西暦2,010年1月28日の第40回ダボス会議では、ゲイツ財団が今後10年間で10,000,000,000ドルを拠出すると発表している。
そして西暦2,020年6月3日、COVID-19パンデミックを世界経済の大転換の機会と捉えるべきであるとする「グレート・リセット」の開始式が執り行われる。提唱したのは、クラウス・シュワブとチャールズ3世の2名であった。開始式では、チャールズ3世を筆頭に、IMF専務理事クリスタリナ・ゲオルギエヴァ、第9代国連事務総長アントニオ・グテーレス、ITUC(国際労働組合総連合)書記長シャラン・バロウ、マイクロソフト社社長ブラッド・スミス、BP社CEOバーナード・ルーニー、マスターカード社CEOアジェイ・バンガらが登壇しスピーチした。掲げられたアジェンダは3つ——富裕税の見直しや化石燃料補助金の撤回を含め市場をより公平な方向へ導く事、大規模な投資をグリーンな都市インフラやESG指標の向上へ振り向ける事、そして第4次産業革命のイノベーションを診断・治療・ワクチン開発・感染追跡・遠隔医療等に活用し公共の利益を支える事、であった。
西暦2,021年1月26日からの4日間、第51回ダボス会議が、対面とバーチャルのツイン形式で開催される。此の年のテーマは、まさに「グレート・リセット」であった。より公正で持続可能且つ回復力の有る未来へ向けて、世界経済と社会システムの基盤を共同で緊急に構築する事にコミットする——半世紀前にダボスへ経営者を集めた一人の男の構想は、こうして世界の議題の中心に据えられた。ハーバードの円卓会議に始まり、世界経済フォーラムの設立、ダボス会議、GAVIアライアンスの創設を経て、グレート・リセットへと至る56年の全過程を、本書は一冊に束ねている。
登場人物
- クラウス・シュワブ 本書の中心人物。世界経済フォーラム(WEF)の創設者。西暦1,965年にハーバード大学の政府学部・ビジネススクールへ入学し、CIAから資金提供を受けたヘンリー・キッシンジャー主催のハーバード国際セミナーの円卓会議で人脈を築き、1年間キッシンジャーの指導を受けて公共行政学の修士号を取得した。西暦1,967年にエッシャーウイス社の取締役に就任し、南アフリカのアパルトヘイト政権への核設備提供の決定にも関与。西暦1,971年1月、最初のヨーロッパ経営シンポジウムを開催して444名から参加費を徴収し、非営利団体EMF(後のWEF)を設立、ダボスを初の年次総会の開催地に選んだ。西暦2,020年6月3日、チャールズ3世と共に「グレート・リセット」を提唱し、其の開始式を執り行った。
- ヘンリー・キッシンジャー ハーバード国際セミナーの主催者。同セミナーはCIAから西暦1,960〜1,966年の間に135,000ドルの資金提供を受けていた。西暦1,965年に入学したクラウス・シュワブは、此のセミナーの円卓会議でキッシンジャーと繋がりの有る人間との人脈を築き、1年間キッシンジャーの直接の指導を受けた。本書の表題「キッシンジャーの教え子」が指し示す人物である。
- ジョン・ケネス・ガルブレイス 経済学者。CIAの息の掛かったハーバード国際セミナーで、ポール・ウォーバーグの名を冠した講座を担当し、ジョン・F・ケネディ政権下では駐インドアメリカ大使を務めた。クラウス・シュワブが同セミナーで出会った人物であり、西暦1,971年のEMF設立の際には、軍事技術ロビイストのハーマン・カーンと共に、投資家の支援の取り付けを助けた。
- ハーマン・カーン 軍事技術ロビイスト。西暦1,971年1月、クラウス・シュワブが非営利団体EMF(ヨーロッパ経営フォーラム)を設立するに当たり、ジョン・ケネス・ガルブレイスと共に、投資家を説得して支援を取り付ける事に協力した。
- オイゲン・シュワブ クラウス・シュワブの父。第二次世界大戦中、チューリッヒの機械メーカーであるエッシャーウイス社の取締役を務め、クラウスの生まれ故郷ラーヴェンスブルク(現在のドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州)の支店で、ナチス向けの軍需品を生産する為に強制労働者を使役していた。同社はナチス政権の核計画の為の重水生産の取り組みも支援している。クラウスは西暦1,967年に同社の取締役へ就任した。
- ビル・ゲイツ ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じてGAVIの創設を主導した人物。西暦1,999年、同財団はGAVI設立の為の750,000,000ドルの寄付を約束し、西暦2,000年1月31日の第30回ダボス会議では、其の約束通りに寄付を行ってGAVIアライアンスを設立させた。西暦2,010年1月28日の第40回ダボス会議では、最貧国向けワクチンの研究・開発・提供の為に、今後10年間で10,000,000,000ドルを拠出すると発表した。
- グロ・ハーレム・ブルントラント WHO事務局長であり、GAVI理事会の議長。西暦2,000年1月31日の第30回ダボス会議で開かれたGAVIアライアンス発足のパネルセッション「グローバルヘルスの基盤を築く:GAVIイニシアチブ」の司会を務めた。
- チャールズ3世 西暦2,020年6月3日、クラウス・シュワブと共に「グレート・リセット」を提唱した人物。COVID-19パンデミックを世界経済の大転換の機会と捉えるべきであるとする此の構想の開始式では、自ら登壇してスピーチを行った。
- アントニオ・グテーレス 第9代国連事務総長。西暦2,020年6月3日のグレート・リセット開始式に登壇した一人。同じ式では、IMF専務理事クリスタリナ・ゲオルギエヴァ、ITUC書記長シャラン・バロウ、マイクロソフト社社長ブラッド・スミス、BP社CEOバーナード・ルーニー、マスターカード社CEOアジェイ・バンガらも登壇し、国際機関・労働組合・IT・エネルギー・金融の各代表が顔を揃えた。
世界経済フォーラムとグレート・リセットの系譜
- ハーバード国際セミナー 西暦1,965年、本書が描く歩みの起点。CIAから西暦1,960〜1,966年の間に135,000ドルの資金提供を受けていた、ヘンリー・キッシンジャー主催のセミナー。入学したてのクラウス・シュワブは、其の円卓会議でキッシンジャーの人脈に連なり、ポール・ウォーバーグの名を冠した講座を担当していたジョン・ケネス・ガルブレイスら、後の支援者と出会った。
- エッシャーウイス社 チューリッヒの機械メーカー。シュワブの父オイゲンが取締役を務め、ラーヴェンスブルク(現在のドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州)の支店ではナチス向け軍需品の生産に強制労働者が使役され、ナチスの核計画の為の重水生産も支援された。クラウス・シュワブは西暦1,967年に同社の取締役へ就任し、アパルトヘイト政権への核設備提供の決定にも関与した。
- EMF(ヨーロッパ経営フォーラム)とWEFへの改称 西暦1,971年1月、クラウス・シュワブが最初のヨーロッパ経営シンポジウムの参加費を原資に設立した非営利団体。ジョン・ケネス・ガルブレイスと軍事技術ロビイストのハーマン・カーンの助力で投資家の支援を得て発足し、後に「WEF(世界経済フォーラム)」へと改称された。
- 第1回ダボス会議 西暦1,971年1月24日から翌月7日まで、シュワブ自らが選んだダボス(スイスのグラウビュンデン州プレティガウ・ダボス区)で開かれたEMF初の年次総会。ヨーロッパ各国の経営者・欧州委員会委員・アメリカの主たる学者ら31ヶ国450名が参加し、以降此の年次総会は「ダボス会議」と称される様になった。
- ビル&メリンダ・ゲイツ財団とGAVIアライアンスの発足 西暦1,999年、ゲイツ財団がGAVI設立の為に750,000,000ドルの寄付を約束。西暦2,000年1月31日の第30回ダボス会議で、グロ・ハーレム・ブルントラントの司会の下、ビル・ゲイツが其の寄付を実行し、GAVIアライアンスを発足させた。GAVIアライアンスは当初ユニセフ内に置かれていた。
- GAVIアライアンスの国際機関認定と包括的免責 西暦2,009年6月23日、GAVIアライアンスCEOジュリアン・ロブレビットとスイス外務省国際公法局長ポール・セガの共同署名により、スイス政府から国際機関地位の財団として認定され、ユニセフから独立。外交官を超える適格外交特権を含む包括的な免責を与えられ、犯罪捜査に巻き込まれても警察が捜査や証拠収集すら出来ない状態となった。
- グレート・リセットの開始式 西暦2,020年6月3日、クラウス・シュワブとチャールズ3世が提唱し、COVID-19パンデミックを世界経済の大転換の機会と捉えるべきであるとした構想の開始式。市場の公平化・持続可能な投資・第4次産業革命の活用という3つのアジェンダが掲げられ、富裕税の見直しや化石燃料補助金の撤回、ESGの推進が謳われた。
- 第51回ダボス会議「グレート・リセット」 西暦2,021年1月26日からの4日間、対面とバーチャルのツイン形式で開催されたダボス会議。此の年のテーマはグレート・リセットで、より公正で持続可能且つ回復力の有る未来へ向け、世界経済と社会システムの基盤を共同で緊急に構築する事にコミットするとした。
ハーバードからダボス、そしてグレート・リセットへ──
クラウス・シュワブが世界経済フォーラムを築いた56年の全過程を一元化。
JPY 200(税込)
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お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。