電子書籍「家族政策を推し進めるノヴァーク・カタリン大統領を引き摺り下ろしたオープン・ソサエティ財団一元化」の表紙

家族政策を推し進める
ノヴァーク・カタリン大統領を
引き摺り下ろした
オープン・ソサエティ財団一元化

著者:石田晋一

掲載範囲
西暦2,016年10月22日〜2,024年2月10日
ページ数
15ページ
文字数
6,138字
最新更新日
西暦2,026年11月1日

恩赦の報道から僅か8日、家族政策の旗手は大統領の座を去った──
資金の流れと共に、ノヴァーク・カタリン失脚迄の七年余りを一元化。

223円(税込)

購入する →
決済サービスSquare/ご利用いただけるカードブランド:Visa・Mastercard・アメリカン・エキスプレス・JCB・Diners Club・Discover・UnionPay(銀聯)

お支払いはカード情報の入力だけで完了します

購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します

お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。


本書について

西暦2,016年10月22日、ハンガリーのフェイェール県ビチケ町に在るコシュート・ジュジャ児童養護施設・小学校の施設長ヴァーシャールヘイ・ヤーノシュが、施設の子供達への性的虐待の疑いで身柄を拘束された。地方の一施設で起きた此の事件が、七年余りの後、一国の大統領を其の座から引き摺り下ろす事になる——本書は、事件の審理、家族政策を掲げて駆け上がった一人の政治家の歩み、そしてオープン・ソサエティ財団から流れた資金の行方を、年月日単位で一元化した記録である。

事件の翌年、オープン・ソサエティ財団の資金は、ハンガリーの2つの団体に注がれていた。西暦2,017年、メディアの自由を調べて提言する民間の研究・監視団体メールテーク・メディア・モニターが27,413ドルを、市民団体に助成金を配布するエコタールシュ財団が62,740ドルを、何れもオープン・ソサエティ財団のヨーロッパでの助成を担当する部門から受け取る。エコタールシュ財団は翌西暦2,018年にも73,407ドルを受けた。同じ西暦2,017年の11月12日、フィデス・ハンガリー市民同盟の党大会で党首オルバーン・ヴィクトルが全会一致で再選されると、ハンガリー人的資源省で家族・青少年・国際関係を担当する国務長官ノヴァーク・カタリンは、オルバーンの手で副党首に据えられた。翌年11月26日、カタリンはイタリアの日刊紙「ヴェリタ」で、ヨーロッパの人口減少は移民では無く家族政策で解決すべきだと説き、ハンガリー政府を非民主的とする批判は西側メディアや一部のNGOが広めているものだと切り捨てている。

西暦2,019年、カタリンは自ら国外へ赴いて訴えを重ねる。3月30日、イタリアのヴェローナで開かれたWCF(世界家族会議)では、移民をヨーロッパへの深刻な脅威と呼び、キリスト教文化とヨーロッパの価値を守らねばならないと演説した。6月にはドイツを訪れ、フランクフルトでヘッセン州のルツィア・プットリヒ大臣と人口・家族政策を協議し、ハイエク協会の講演では、家族支援予算が西暦2,010年比で2.5倍になった事や、7月に始まる「家族保護行動計画」で、子供が4人以上居る女性の所得税が生涯免除になる事を紹介している。其の間にも、法廷では事件の審理が進んでいた。西暦2,018年11月21日の一審を経て、西暦2,019年9月10日、ジェール高等裁判所は、西暦2,004〜2,016年に保護下の未成年の男児へ10件の性的虐待を行ったとして、ヴァーシャールヘイに懲役8年を言い渡し、刑が確定する。11月25日には、副施設長コーニャ・エンドレが、ヴァーシャールヘイに協力して被害者1名に供述の撤回を迫ったとして、禁錮3年4ヶ月の一審判決を受けた。

西暦2,020年、メールテーク・メディア・モニターは再びオープン・ソサエティ財団から20,700ドルを受け、西暦2,021年7月6日には、コーニャ・エンドレの禁錮3年4ヶ月が二審で確定する。西暦2,022年1月26日、FOXの動画配信サービス「フォックス・ネイション」で、ドキュメンタリー「タッカー・カールソン・オリジナルズ」のシーズン1最終話が配信された。前年7月頃にハンガリーで撮影された此の回は、ジョージ・ソロスの支援でオックスフォード大学に留学しながら後に敵対したオルバーン・ヴィクトルの経緯、南部国境のフェンス、そしてカタリンが語る家族政策を伝え、4月3日の総選挙をオルバーン(ナショナリズム)対ソロス(グローバリズム)の構図と位置付けている。同年3月10日、カタリンは第8回ハンガリー大統領選で137票を得て、野党6党から成る野党連合「ハンガリーのための統一」の候補ローナ・ペーテル(51票)を破り、5月10日、第6代ハンガリー大統領に就任した。其の傍らで、資金の流れも途切れていない。同年、エコタールシュ財団はオープン・ソサエティ推進財団から使い道を限らない運営支援として170,000ドルを、メールテーク・メディア・モニターはオープン・ソサエティ財団から40,000ドルを受け取っている。

西暦2,023年4月27日、大統領カタリンは、コーニャ・エンドレに恩赦を与えた。残りの刑期は5年間の保護観察付きで執行が猶予され、職業や公職に就く事を禁じた処分の残りも免除される。そして西暦2,024年1月26日、在ブダペストアメリカ大使館の事業「自由メディア助成」の実務を任されたメールテーク・メディア・モニターとエコタールシュ財団が、応募32件の内、形式審査を通った26件から選んだ15件の交付先を発表する。何れも、オープン・ソサエティ財団から資金を受けて来た2団体である。交付先は全てハンガリーの媒体で、其の中にはニュースサイト444(交付額:10,025,048フォリント)の名が在った。其の1週間後の2月2日10:28、444は、カタリンがコーニャに恩赦を与えていた事を報じる。

報道は瞬く間に政界を揺るがした。2月4日、モメンタムは首相府の前に置いていた柵を大統領府の前に移して「小児性愛者を庇うノヴァーク・カタリン」と書かれた横断幕を掲げ、党首ドナート・アンナがカタリンの辞任を求める。翌5日には民主連合が大統領解任の手続を始めると発表し、8日には首相オルバーン・ヴィクトル自らが、子供への犯罪では恩赦を出せない様にする憲法改正案を出したと動画で発表した。同じ8日、カタリンはカタールの公式訪問の為ドーハに到着し、9日には世界水泳選手権に出場しているハンガリー代表を訪ねて水球を観戦している。そして2月10日、翌日にカタールのアミール、タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニーとの会談を控えながら、カタリンは予定を1日繰り上げて帰国し、其の夕方、国営放送M1で辞任を表明した。同じ日、法務大臣を務めたヴァルガ・ユディトも、国会議員の辞職と欧州議会選挙の名簿1位を降りる事を表明する。家族政策の旗手は、恩赦の報道から僅か8日で其の座を去った——助成金の流れから報道、そして失脚に至る迄の全軌跡を、本書は一冊に束ねている。


登場人物

  • ノヴァーク・カタリン 本書の中心人物。ハンガリー人的資源省家族・青少年・国際関係担当国務長官だった西暦2,017年11月、オルバーン・ヴィクトルによってフィデス・ハンガリー市民同盟の副党首に据えられた。ヨーロッパの人口減少は移民では無く家族政策で解決すべきだと説き、西暦2,022年5月10日、第6代ハンガリー大統領に就任する。西暦2,023年4月27日にコーニャ・エンドレへ与えた恩赦を444に報じられ、西暦2,024年2月10日、辞任を表明した。
  • ヴァーシャールヘイ・ヤーノシュ コシュート・ジュジャ児童養護施設・小学校の施設長。西暦2,016年10月22日、施設の子供達への性的虐待の疑いで身柄を拘束された。西暦2,019年9月10日、ジェール高等裁判所で、西暦2,004〜2,016年に保護下の未成年の男児へ10件の性的虐待を行ったとして懲役8年を言い渡され、刑が確定した。
  • オルバーン・ヴィクトル 第6代フィデス・ハンガリー市民同盟党首、第8代ハンガリー首相。西暦2,017年11月12日の党大会で全会一致で再選され、ノヴァーク・カタリンを副党首に据えた。ジョージ・ソロスの支援でオックスフォード大学に留学したものの後に敵対し、「タッカー・カールソン・オリジナルズ」では、ハンガリーをソロスの主な狩り場だと語っている。西暦2,024年2月8日、子供への犯罪では恩赦を出せない様にする憲法改正案を出したと発表した。
  • ルツィア・プットリヒ ヘッセン州政府連邦・欧州問題担当大臣。西暦2,019年6月、フランクフルトでノヴァーク・カタリンと会談し、ヨーロッパ共通の課題や人口・家族政策を協議した。カタリンがMTI(ハンガリー電信局)に語った所に依れば、プットリヒは強い関心を示し、ハンガリーで女性の就業率・出生数・婚姻数が20年来の高水準にある事が評価されたという。
  • コーニャ・エンドレ コシュート・ジュジャ児童養護施設・小学校の副施設長。ヴァーシャールヘイ・ヤーノシュに協力して被害者1名に供述の撤回を迫ったとして罪に問われ、西暦2,021年7月6日、「公的な手続での強要の幇助と、公的な手続での買収」の罪で禁錮3年4ヶ月の刑が確定した。西暦2,023年4月27日、大統領ノヴァーク・カタリンから恩赦を受け、残りの刑期は5年間の保護観察付きで執行が猶予された。
  • ジョージ・ソロス オープン・ソサエティ財団の創設者。西暦2,022年1月26日に配信された「タッカー・カールソン・オリジナルズ」では、オルバーン・ヴィクトルのオックスフォード大学留学を支援したものの、後に敵対された経緯が紹介された。番組は同年4月3日のハンガリー総選挙を、オルバーン(ナショナリズム)対ソロス(グローバリズム)の構図と位置付けている。
  • ローナ・ペーテル 野党6党から成る野党連合「ハンガリーのための統一」の大統領候補。西暦2,022年3月10日の第8回ハンガリー大統領選では51票に留まり、137票を得たノヴァーク・カタリンに敗れた。
  • ドナート・アンナ 第4代モメンタム党首。西暦2,024年2月4日、モメンタムが柵を大統領府の前に移し、「小児性愛者を庇うノヴァーク・カタリン」と書かれた横断幕を掲げた其の日に、カタリンの大統領辞任を求めた。
  • ドブレフ・クラーラ 民主連合所属の欧州議会議員。西暦2,024年2月8日、オルバーン・ヴィクトルの動画メッセージは、ノヴァーク・カタリンが辞任しなければならない事を公然と認めたものだとフェイスブックに投稿し、ノヴァークと同じく、オルバーンも事実に向き合わず、謝罪も責任も取らなかったのは恥ずべき事だと批判した。
  • ドゥーロー・ドーラ ハンガリーの極右・国粋主義政党ミ・ハザーンク所属。西暦2,024年2月8日、ノヴァーク・カタリンの辞任を求める発言をした。
  • タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー 第8代カタールのアミール。西暦2,024年2月、カタールを公式訪問したノヴァーク・カタリンとの会談を11日に控えていたが、カタリンは其の前日、予定を1日繰り上げて帰国し、辞任を表明した。
  • ヴァルガ・ユディト 第2代ハンガリー法務大臣。ノヴァーク・カタリンが辞任を表明した西暦2,024年2月10日、ハンガリー国会議員の辞職と、フィデス・ハンガリー市民同盟の欧州議会選挙の名簿1位を降りる事を表明した。

財団・団体・媒体

  • オープン・ソサエティ財団 ジョージ・ソロスが創設した財団。西暦2,017年から西暦2,022年に掛けて、ヨーロッパでの助成を担当する部門等を通じ、メールテーク・メディア・モニターとエコタールシュ財団に繰り返し資金を提供した。此の2団体は西暦2,024年、在ブダペストアメリカ大使館の「自由メディア助成」の実務を担う事になる。
  • コシュート・ジュジャ児童養護施設・小学校 ハンガリーのフェイェール県ビチケ町に在る児童養護施設と小学校。西暦2,016年10月22日、施設長ヴァーシャールヘイ・ヤーノシュが施設の子供達への性的虐待の疑いで身柄を拘束され、副施設長コーニャ・エンドレも、被害者に供述の撤回を迫ったとして罪に問われた。
  • メールテーク・メディア・モニター ハンガリーのメディアの自由を調べて提言する、民間の研究・監視団体。西暦2,017年(27,413ドル)・西暦2,020年(20,700ドル)・西暦2,022年(40,000ドル)にオープン・ソサエティ財団から資金提供を受けた。西暦2,024年には、エコタールシュ財団と共に在ブダペストアメリカ大使館の「自由メディア助成」の実務を担い、交付先15件を発表した。
  • エコタールシュ財団 ハンガリーの市民団体に助成金を配布する財団。西暦2,017年(62,740ドル)・西暦2,018年(73,407ドル)にオープン・ソサエティ財団のヨーロッパでの助成を担当する部門から、西暦2,022年にはオープン・ソサエティ推進財団から使い道を限らない運営支援として170,000ドルの資金提供を受けた。メールテーク・メディア・モニターと共に「自由メディア助成」の実務を担った。
  • フィデス・ハンガリー市民同盟 オルバーン・ヴィクトルが党首を務めるハンガリーの政党。西暦2,017年11月12日の第27回役員改選党大会で、オルバーンが1,358名の代議員の全会一致による信任で再選され、ノヴァーク・カタリンが副党首に据えられた。欧州議会選挙の名簿1位であったヴァルガ・ユディトは、西暦2,024年2月10日に其の座を降りる事を表明した。
  • WCF(世界家族会議) 西暦2,019年3月29日から3日間、イタリアのヴェローナで開催された。30日午後、ノヴァーク・カタリンが、移民はヨーロッパへの深刻な脅威であり、キリスト教文化とヨーロッパの価値を守らねばならないと演説し、記者の質問を逸らかしつつ、イタリアはハンガリーを手本にすべきだと繰り返した。
  • 民主連合 ハンガリーの政党。西暦2,022年の第8回ハンガリー大統領選では、野党連合「ハンガリーのための統一」に加わった。西暦2,024年2月5日、ノヴァーク・カタリンの大統領解任の手続を開始すると発表し、ハンガリー国会議員の署名を集め始める。所属する欧州議会議員ドブレフ・クラーラは、オルバーン・ヴィクトルの対応を批判した。
  • モメンタム ハンガリーの中道のリベラル政党。西暦2,022年の第8回ハンガリー大統領選では、野党連合「ハンガリーのための統一」に加わった。西暦2,024年2月4日、其れまで首相府の前に置いていた柵を大統領府の前に移し、「小児性愛者を庇うノヴァーク・カタリン」と書かれた横断幕を掲げた。
  • 自由メディア助成 在ブダペストアメリカ大使館の事業。実務はメールテーク・メディア・モニターとエコタールシュ財団に任され、西暦2,024年1月26日、応募32件の内、形式審査を通った26件から選ばれた15件の交付先が発表された。交付先は全てハンガリーの媒体で、444・テレックス・アートラーツォー・クルブラジオ等が名を連ねた。
  • 444 ハンガリーのニュースサイト。西暦2,024年1月26日、「自由メディア助成」の交付先の1つに選ばれた(交付額:10,025,048フォリント)。其の1週間後の2月2日10:28、ノヴァーク・カタリンがコーニャ・エンドレに恩赦を与えていた事を報じる。カタリンが辞任を表明したのは、其の8日後であった。

児童養護施設の事件から大統領の辞任迄──
ノヴァーク・カタリンとオープン・ソサエティ財団、其の全軌跡を一元化。

223円(税込)

購入する →
決済サービスSquare/ご利用いただけるカードブランド:Visa・Mastercard・アメリカン・エキスプレス・JCB・Diners Club・Discover・UnionPay(銀聯)

お支払いはカード情報の入力だけで完了します

購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します

お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。


AUTHOR

石田晋一

歴史データベース「トキジク」管理人。
万物の系譜の編纂者であり、電子書籍の著者。
YouTubeとニコニコでも情報を発信中。