刑務所改革で対立し・避妊臨床研究で協力する・キャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガー一元化
第96代ニューヨーク市長ジョン・パーロイ・ミッチェルによるキャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長任命と刑務所改革並びにジョン・アダムズ・キングズベリー・ジョン・ヘインズ・ホームズ・ハヴロック・エリス賛同、マーガレット・サンガーのザ・ウーマン・リベル誌7月号でのキャサリン・ベメント・デイヴィス「化石化した反動的な女」呼びとブラックウェルズ島刑務所暴動受刑者の密告者・おべっか使い仕立て非難、ザ・ウーマン・リベル誌8月号での「社会学者・有能・実業家・不屈の美徳・人間性矯正に於いて疲れを知らず容赦が無い・社会的法と秩序の犠牲者を食い物にする体面の良い人々の輝かしい典型」批判、マーガレット・サンガーのコムストック法違反起訴と「バーサ・ワトソン」偽名イギリス渡航、マーガレット・サンガー30日間投獄言渡しとクイーンズ郡刑務所収監及びキャサリン・ベメント・デイヴィス仮釈放委員会委員長としての服役管轄、マーガレット・サンガー釈放翌日のクイーンズ郡刑務所収監者代弁とキャサリン・ベメント・デイヴィス推進・監督不定期刑・仮釈放制度批判、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインによるマーガレット・サンガー有罪維持判決とニューヨーク州刑法第1145条「医師の例外規定」拡大解釈による疾病定義「痛みや不調を引き起こす身体の状態の変化」並びに妊娠そのもの疾病該当及び医師の一般的健康上理由避妊具処方合法化並びにキャサリン・ベメント・デイヴィスとの協力関係前提条件成立、キャサリン・ベメント・デイヴィス・心理学者ロバート・ヤーキーズ・アール・F・ジンによるNRC(全米研究評議会)「性の問題研究委員会」共同設立と性本能心理学的・生理学的側面・禁欲・自慰行為・避妊・性病・性的関係研究方針並びにレイモンド・B・フォスディック・エイブラハム・フレクスナー反感及びジョン・ロックフェラー・ジュニア支持による計画維持、BSH総書記キャサリン・ベメント・デイヴィス指導下でのマーガレット・サンガーCRB避妊臨床研究提案承認と資金提供開始及びキャサリン・ベメント・デイヴィスのアメリカ優生学会諮問委員会委員就任、キャサリン・ベメント・デイヴィスの胆嚢疾患によるBSH退職とウォルドルフ・アストリアホテル送別晩餐会へのエレノア・ルーズベルト・ジェーン・アダムズ・ジョン・ロックフェラー・ジュニア出席、キャサリン・ベメント・デイヴィス著「2,200人の女性の性生活の諸要因」ハーパー・アンド・ブラザーズ出版刊行と既婚女性1,000名・未婚女性1,200名対象大規模性生活行動科学調査結果及び女性セクシュアリティ再定義、キャサリン・ベメント・デイヴィスのパシフィック・グローブでの死去迄──
ニューヨーク市矯正局長就任とサンガーのザ・ウーマン・リベル誌での非難・コムストック法違反起訴・クイーンズ郡刑務所収監を経た刑務所改革を巡る対立から、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインによるニューヨーク州刑法第1145条拡大解釈を契機に、NRC性の問題研究委員会共同設立とBSHによるCRB避妊臨床研究資金提供という協力関係に転じた、キャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガーの21年間の系譜を年月日単位で追跡した一冊。
JPY 200(税込)
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本書について
西暦1,914年1月1日、キャサリン・ベメント・デイヴィスが、第96代ニューヨーク市長ジョン・パーロイ・ミッチェルにより、ニューヨーク市矯正局長に任命された。以降デイヴィスは刑務所改革を実施し、ニューヨーク市慈善委員長ジョン・アダムズ・キングズベリー、牧師ジョン・ヘインズ・ホームズ、優生学者ハヴロック・エリスが此れに賛同した。同年7月、マーガレット・サンガーが、ザ・ウーマン・リベル誌の7月号にて、キャサリン・ベメント・デイヴィスを「化石化した反動的な女」と呼び、ブラックウェルズ島(アメリカのニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区)刑務所の暴動の際に、受刑者を密告者やおべっか使いに仕立てたと非難した。同年8月号でも、サンガーは名指しでの批判は避けつつ「彼女は社会学者だ。有能だ。実業家だ。不屈の美徳の持ち主だ。人間性の『矯正』に於いて疲れを知らず容赦が無い。彼女は、社会的『法と秩序』の犠牲者を食い物にして利益有る名誉高い職業を見付けた、急速に増えつつある体面の良い人々の輝かしい典型である」という主旨の批判をデイヴィスに対して行った。同月25日、マーガレット・サンガーが、郵送不可物の郵便への差し入れ及び配達、淫らな性質の素材を配布した罪等による、コムストック法(連邦刑法第211条)違反により起訴され、起訴を逃れる為「バーサ・ワトソン」という偽名を使い、イギリスに渡航した。
西暦1,917年2月5日、マーガレット・サンガーが30日間の投獄を言い渡されクイーンズ郡刑務所に収監された。此の時キャサリン・ベメント・デイヴィスは仮釈放委員会委員長であり、矯正行政の責任者として、サンガーの服役を管轄する立場にあった。サンガーは収監中、数回に渡り指紋採取を拒否するというトラブルを起こし、又、他の受刑者に対し衛生と出生制御に就いての講演を行い、男性と女性が受ける待遇の違いを学び、「女性達は男性程良く扱われていません。新聞を読む事を許されず、男性が許されるものを外部から取り寄せる事も出来ません。訪問者は月に2人だけです。行き来する全ての手紙が読まれるのは、酷い事です」「朝の独房掃除の後、私たちはフード付きのケープを頭に被って15分間、庭を歩きました。此の寒い散歩の間、女性達は男性達が捨てた烟草の吸い殻を探して地面を熱心に眺めました。人間がそんな低いレベルに追いやられ、凍った土を指で掘って此れ等の潰れた吸い殻を回収する姿は悲惨でした」等と日記に記録した。同年3月7日、釈放された翌日にサンガーは、クイーンズ郡刑務所の収監者の代弁者として、クイーンズ郡刑務所の状況に就いて話し、キャサリン・ベメント・デイヴィスが推進・監督した不定期刑・仮釈放制度を批判した。此の制度は、受刑者をいつ釈放されるか分からない状態に置き、家族との再会や生活の再建の見通しを奪うものだというのがサンガーの主張であった。
西暦1,918年1月8日、ニューヨーク州の最高裁に相当するニューヨーク州控訴裁判所が、マーガレット・サンガーの有罪を維持する判決を下した。判事フレデリック・クレインは、有罪を維持する理由として、サンガーは医師では無い為、避妊具を配布する法的資格が無かった事を挙げた。ニューヨーク州刑法第1145条「医師の例外規定」では、医師が疾病の治療又は予防の為に避妊具を処方する事を例外的に認めていたが、クレインは、疾病の定義を「痛みや不調を引き起こす身体の状態の変化」と拡大解釈し、妊娠そのものが身体の状態の変化であり、疾病に該当し得るとした。此れによりサンガーは、裁判では負けたものの、医師が一般的な健康上の理由で避妊具を処方する事が初めて合法的に認められ、キャサリン・ベメント・デイヴィスとの協力関係を結ぶ前提条件が整った。
西暦1,922年、キャサリン・ベメント・デイヴィス、心理学者ロバート・ヤーキーズ、アール・F・ジンが、NRC(全米研究評議会)の「性の問題研究委員会」を共同設立した。デイヴィスとジンの提案に基づき、「個人的・社会的に表れる性について体系的・包括的な研究を行い、現在保持されている結論を評価し、科学的に導出されたデータを増やす事」を目的とし、研究分野には、性本能の心理学的及び生理学的側面・禁欲・自慰行為・避妊・性病・性的関係が含まれ、医学・生物学的視点だけで無く社会学的視点も取り入れる方針であった。しかし実際の運営は、デイヴィスの構想とは異なる方向へ進み、医学系の男性研究者が支配する保守的な組織となり、人間のセクシュアリティに関する研究提案を繰り返し無視して、動物の生物学・性行動の研究に資金を投じた。ジョン・ロックフェラー・ジュニアの弁護士でロックフェラー財団理事のレイモンド・B・フォスディックと医師エイブラハム・フレクスナーを始めとするデイヴィスの同僚達は、長年に渡ってデイヴィスのリーダーシップに反感を抱いており、デイヴィスの「人間のセクシュアリティを道徳的問題としてではなく、科学的研究の対象として扱うべきだ」という考えを「十分な科学的価値が無い」として却下しようとしたが、ジョン・ロックフェラー・ジュニアがデイヴィスの計画を支持した為、失敗した。
西暦1,924年、BSHが、BSH総書記キャサリン・ベメント・デイヴィスの指導の下で、マーガレット・サンガーのCRBでの避妊臨床研究の提案を承認し、其の後BSHは資金提供を始めた。同年、キャサリン・ベメント・デイヴィスはアメリカ優生学会の諮問委員会委員に就任した。西暦1,928年2月2日、キャサリン・ベメント・デイヴィスが胆嚢疾患によりBSHを退職し、BSHを通じた直接的なマーガレット・サンガーとの協力関係は終了した。同日、ウォルドルフ・アストリアホテル(アメリカのニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区5番街)にて送別晩餐会が開催され、フランクリン・ルーズベルトの妻でアメリカ民主党全国委員会女性部門責任者のエレノア・ルーズベルト、慈善施設ハルハウス共同設立者ジェーン・アダムズ、ジョン・ロックフェラー・ジュニア等が出席した。西暦1,929年、キャサリン・ベメント・デイヴィスの著書「2,200人の女性の性生活の諸要因」がハーパー・アンド・ブラザーズ出版から刊行された。此れは、デイヴィスが西暦1,921~1,923年に実施した既婚女性1,000名・未婚女性1,200名を対象とした大規模な性生活行動の科学的な調査結果を纏めたもので、女性の性欲・行動・経験をデータに基づいて分析し、回答者は白人・高学歴・裕福な層に偏っていたが、此の回答によって、デイヴィスは女性のセクシュアリティを再定義し、性研究の分野を科学的に確立した。西暦1,935年12月10日、キャサリン・ベメント・デイヴィスがパシフィック・グローブ(アメリカのカリフォルニア州)にて死去した。本書は、此の21年に亘る、キャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長就任を起点とする、マーガレット・サンガーのザ・ウーマン・リベル誌での非難とコムストック法違反起訴・クイーンズ郡刑務所収監を経た刑務所改革を巡る対立から、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインによるニューヨーク州刑法第1145条拡大解釈を契機とした、NRC性の問題研究委員会共同設立とBSHによるCRB避妊臨床研究資金提供という協力関係への転換、そして「2,200人の女性の性生活の諸要因」刊行とパシフィック・グローブでの死去迄、キャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガーの系譜の全過程を、年月日単位で記録した年表である。
登場人物
- キャサリン・ベメント・デイヴィス 西暦1,914年1月1日、第96代ニューヨーク市長ジョン・パーロイ・ミッチェルによりニューヨーク市矯正局長に任命され刑務所改革を実施。西暦1,914年7~8月、ザ・ウーマン・リベル誌でマーガレット・サンガーから批判された。西暦1,917年2月5日のマーガレット・サンガーのクイーンズ郡刑務所収監時には仮釈放委員会委員長として服役を管轄した。西暦1,918年のニューヨーク州控訴裁判所のサンガー有罪維持判決と医師避妊具処方合法化を契機に、サンガーとの協力関係が成立。西暦1,922年にロバート・ヤーキーズ・アール・F・ジンとNRC性の問題研究委員会を共同設立。西暦1,924年にはBSH総書記としてサンガーのCRB避妊臨床研究を承認・資金提供開始し、同年アメリカ優生学会諮問委員会委員に就任。西暦1,928年2月2日に胆嚢疾患でBSHを退職し、西暦1,929年に著書「2,200人の女性の性生活の諸要因」を刊行、西暦1,935年12月10日にパシフィック・グローブで死去した。
- マーガレット・サンガー アメリカの産児制限活動家。西暦1,914年7月のザ・ウーマン・リベル誌でキャサリン・ベメント・デイヴィスを「化石化した反動的な女」と呼び、ブラックウェルズ島刑務所暴動での受刑者密告者仕立てを非難。同年8月号でも更に批判。同月25日、コムストック法違反で起訴され「バーサ・ワトソン」の偽名でイギリス渡航。西暦1,917年2月5日に30日間投獄を言い渡されクイーンズ郡刑務所に収監、デイヴィスの管轄下で指紋採取拒否や他受刑者への衛生と出生制御講演を行った。西暦1,917年3月7日に釈放翌日デイヴィスの不定期刑・仮釈放制度を批判。西暦1,918年1月8日のニューヨーク州控訴裁判所判決を経てデイヴィスとの協力関係が成立し、西暦1,924年にはBSHからCRB避妊臨床研究の資金提供を受けた。
- ジョン・パーロイ・ミッチェル 第96代ニューヨーク市長。西暦1,914年1月1日、キャサリン・ベメント・デイヴィスをニューヨーク市矯正局長に任命した。
- ジョン・アダムズ・キングズベリー ニューヨーク市慈善委員長。西暦1,914年1月1日のキャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長就任後の刑務所改革に賛同した。
- ジョン・ヘインズ・ホームズ 牧師。西暦1,914年1月1日のキャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長就任後の刑務所改革に賛同した。
- ハヴロック・エリス 優生学者。西暦1,914年1月1日のキャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長就任後の刑務所改革に賛同した。
- フレデリック・クレイン ニューヨーク州控訴裁判所判事。西暦1,918年1月8日、マーガレット・サンガーの有罪を維持する判決を下したが、其の理由としてサンガーが医師では無いとして、ニューヨーク州刑法第1145条「医師の例外規定」の疾病定義を「痛みや不調を引き起こす身体の状態の変化」と拡大解釈し、妊娠そのものが疾病に該当し得るとして、医師が一般的な健康上の理由で避妊具を処方する事を初めて合法的に認めた。此れがキャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガーの協力関係の前提条件となった。
- ロバート・ヤーキーズ 心理学者。西暦1,922年、キャサリン・ベメント・デイヴィス・アール・F・ジンと共にNRC(全米研究評議会)「性の問題研究委員会」を共同設立した。
- アール・F・ジン 西暦1,922年、キャサリン・ベメント・デイヴィス・心理学者ロバート・ヤーキーズと共にNRC(全米研究評議会)「性の問題研究委員会」を共同設立した。デイヴィスと共に研究目的を提案した。
- レイモンド・B・フォスディック ジョン・ロックフェラー・ジュニアの弁護士でロックフェラー財団理事。西暦1,922年のNRC性の問題研究委員会で、デイヴィスのリーダーシップに反感を抱き、デイヴィスの「人間のセクシュアリティを道徳的問題としてではなく、科学的研究の対象として扱うべきだ」という考えを「十分な科学的価値が無い」として却下しようとしたが、ジョン・ロックフェラー・ジュニアがデイヴィスの計画を支持した為、失敗した。
- エイブラハム・フレクスナー 医師。西暦1,922年のNRC性の問題研究委員会で、レイモンド・B・フォスディックと共にデイヴィスのリーダーシップに反感を抱き、其の計画を却下しようとしたが、ジョン・ロックフェラー・ジュニアの支持により失敗した。
- ジョン・ロックフェラー・ジュニア 西暦1,922年のNRC性の問題研究委員会で、レイモンド・B・フォスディック・エイブラハム・フレクスナー等がデイヴィスの計画を却下しようとした際に、デイヴィスの計画を支持した。西暦1,928年2月2日のキャサリン・ベメント・デイヴィスのBSH退職送別晩餐会にも出席した。
- エレノア・ルーズベルト フランクリン・ルーズベルトの妻で、アメリカ民主党全国委員会女性部門責任者。西暦1,928年2月2日、ウォルドルフ・アストリアホテルで開催されたキャサリン・ベメント・デイヴィスのBSH退職送別晩餐会に出席した。
- ジェーン・アダムズ 慈善施設ハルハウス共同設立者。西暦1,928年2月2日、ウォルドルフ・アストリアホテルで開催されたキャサリン・ベメント・デイヴィスのBSH退職送別晩餐会に出席した。
主要な概念・組織
- ニューヨーク市矯正局・刑務所改革 西暦1,914年1月1日、第96代ニューヨーク市長ジョン・パーロイ・ミッチェルによってキャサリン・ベメント・デイヴィスが局長に任命された組織。デイヴィスはニューヨーク市慈善委員長ジョン・アダムズ・キングズベリー・牧師ジョン・ヘインズ・ホームズ・優生学者ハヴロック・エリスの賛同を得て刑務所改革を実施した。マーガレット・サンガーから後に「化石化した反動的な女」「人間性矯正に於いて疲れを知らず容赦が無い」と批判された。
- ザ・ウーマン・リベル誌 マーガレット・サンガーが発行していた雑誌。西暦1,914年7月号でキャサリン・ベメント・デイヴィスを「化石化した反動的な女」と呼び、ブラックウェルズ島刑務所暴動受刑者の密告者・おべっか使い仕立てを非難。同年8月号では名指しを避けつつ「社会学者・有能・実業家・不屈の美徳の持ち主・人間性矯正に於いて疲れを知らず容赦が無い・社会的『法と秩序』の犠牲者を食い物にする体面の良い人々の輝かしい典型」と批判した。
- コムストック法(連邦刑法第211条) 西暦1,873年3月3日に制定された、猥褻物や避妊関連物品の郵送を禁止する法律。西暦1,914年8月25日、マーガレット・サンガーが①郵送不可物の郵便への差し入れ及び配達、②淫らな性質の素材を配布した罪等で此の法律違反により起訴され、起訴を逃れる為「バーサ・ワトソン」の偽名でイギリスに渡航した。
- 不定期刑・仮釈放制度 キャサリン・ベメント・デイヴィスが推進・監督した刑事制度。西暦1,917年3月7日のクイーンズ郡刑務所釈放翌日に、マーガレット・サンガーは収監者の代弁者として此の制度を批判し、受刑者をいつ釈放されるか分からない状態に置き、家族との再会や生活の再建の見通しを奪うものだと主張した。デイヴィスは同制度の運用機関である仮釈放委員会の委員長を務めていた。
- ニューヨーク州刑法第1145条「医師の例外規定」 医師が疾病の治療又は予防の為に避妊具を処方する事を例外的に認めた条文。西暦1,918年1月8日、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインが、疾病の定義を「痛みや不調を引き起こす身体の状態の変化」と拡大解釈し、妊娠そのものが身体の状態の変化であり疾病に該当し得るとした事で、医師が一般的な健康上の理由で避妊具を処方する事が初めて合法的に認められ、キャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガーの協力関係の前提条件が整った。
- NRC(全米研究評議会)性の問題研究委員会 西暦1,922年、キャサリン・ベメント・デイヴィス・心理学者ロバート・ヤーキーズ・アール・F・ジンが共同設立。「個人的・社会的に表れる性について体系的・包括的な研究を行い、現在保持されている結論を評価し、科学的に導出されたデータを増やす事」を目的とし、研究分野は性本能の心理学的及び生理学的側面・禁欲・自慰行為・避妊・性病・性的関係を含み、医学・生物学的視点だけで無く社会学的視点も取り入れる方針であった。しかし実際の運営は医学系の男性研究者が支配する保守的な組織となり、人間のセクシュアリティに関する研究提案を繰り返し無視し、動物の生物学・性行動の研究に資金を投じた。レイモンド・B・フォスディック・エイブラハム・フレクスナー等のデイヴィスの同僚達はデイヴィスのリーダーシップに反感を抱いたが、ジョン・ロックフェラー・ジュニアの支持により計画は維持された。
- BSH(社会衛生局)とCRBの避妊臨床研究 西暦1,924年、BSHはBSH総書記キャサリン・ベメント・デイヴィスの指導の下、マーガレット・サンガーのCRBでの避妊臨床研究の提案を承認し、其の後資金提供を始めた。此れによりデイヴィスとサンガーの直接的な協力関係が確立された。西暦1,928年2月2日のデイヴィスのBSH退職により、BSHを通じた直接的な協力関係は終了した。
- アメリカ優生学会諮問委員会 西暦1,924年、キャサリン・ベメント・デイヴィスが諮問委員会委員に就任した組織。
- 「2,200人の女性の性生活の諸要因」 西暦1,929年、キャサリン・ベメント・デイヴィスがハーパー・アンド・ブラザーズ出版から刊行した著書。西暦1,921~1,923年に実施した既婚女性1,000名・未婚女性1,200名を対象とした大規模な性生活行動の科学的な調査結果を纏めたもので、女性の性欲・行動・経験をデータに基づいて分析した。回答者は白人・高学歴・裕福な層に偏っていたが、デイヴィスは此の調査により女性のセクシュアリティを再定義し、性研究の分野を科学的に確立した。
第96代ニューヨーク市長ジョン・パーロイ・ミッチェルによるキャサリン・ベメント・デイヴィスのニューヨーク市矯正局長任命と刑務所改革並びにジョン・アダムズ・キングズベリー・ジョン・ヘインズ・ホームズ・ハヴロック・エリス賛同、マーガレット・サンガーのザ・ウーマン・リベル誌7月号でのキャサリン・ベメント・デイヴィス「化石化した反動的な女」呼びとブラックウェルズ島刑務所暴動受刑者の密告者・おべっか使い仕立て非難、ザ・ウーマン・リベル誌8月号での「社会学者・有能・実業家・人間性矯正に於いて疲れを知らず容赦が無い・体面の良い人々の輝かしい典型」批判、マーガレット・サンガーのコムストック法違反起訴と「バーサ・ワトソン」偽名イギリス渡航、マーガレット・サンガー30日間投獄言渡しとクイーンズ郡刑務所収監及びキャサリン・ベメント・デイヴィス仮釈放委員会委員長としての服役管轄、マーガレット・サンガー釈放翌日のクイーンズ郡刑務所収監者代弁とキャサリン・ベメント・デイヴィス推進・監督不定期刑・仮釈放制度批判、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインによるマーガレット・サンガー有罪維持判決とニューヨーク州刑法第1145条「医師の例外規定」拡大解釈による疾病定義「痛みや不調を引き起こす身体の状態の変化」並びに妊娠そのもの疾病該当及び医師の一般的健康上理由避妊具処方合法化並びにキャサリン・ベメント・デイヴィスとの協力関係前提条件成立、キャサリン・ベメント・デイヴィス・心理学者ロバート・ヤーキーズ・アール・F・ジンによるNRC(全米研究評議会)「性の問題研究委員会」共同設立とレイモンド・B・フォスディック・エイブラハム・フレクスナー反感及びジョン・ロックフェラー・ジュニア支持による計画維持、BSH総書記キャサリン・ベメント・デイヴィス指導下でのマーガレット・サンガーCRB避妊臨床研究提案承認と資金提供開始及びキャサリン・ベメント・デイヴィスのアメリカ優生学会諮問委員会委員就任、キャサリン・ベメント・デイヴィスの胆嚢疾患によるBSH退職とウォルドルフ・アストリアホテル送別晩餐会へのエレノア・ルーズベルト・ジェーン・アダムズ・ジョン・ロックフェラー・ジュニア出席、キャサリン・ベメント・デイヴィス著「2,200人の女性の性生活の諸要因」ハーパー・アンド・ブラザーズ出版刊行と既婚女性1,000名・未婚女性1,200名対象大規模性生活行動科学調査結果及び女性セクシュアリティ再定義、キャサリン・ベメント・デイヴィスのパシフィック・グローブでの死去迄──
ニューヨーク市矯正局長就任とサンガーのザ・ウーマン・リベル誌での非難・コムストック法違反起訴・クイーンズ郡刑務所収監を経た刑務所改革を巡る対立から、ニューヨーク州控訴裁判所判事フレデリック・クレインによるニューヨーク州刑法第1145条拡大解釈を契機に、NRC性の問題研究委員会共同設立とBSHによるCRB避妊臨床研究資金提供という協力関係に転じた、キャサリン・ベメント・デイヴィスとマーガレット・サンガーの21年間の系譜を年月日単位で追跡した一冊。
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