地球・LUCA・バクテリア・アーキア・
バンアレン帯・真核生物・
シアノバクテリア・LECA・
ミトコンドリア・グリパニア・
葉緑体・オゾン層の誕生一元化
45億年の生命史を、一冊で。
144円(税込)
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本書について
10個の原始惑星が衝突・合体し、地球が誕生する。此の衝突・合体により発生した熱エネルギーで地表は融解し、マグマオーシャンが生まれ、表面温度は約1,900℃に達した。地球の内部から放出されたガスは、メタン・アンモニア・二酸化炭素を主とする原始大気を形成する。此処から、上空の酸素が紫外線と反応してオゾン層が発生し、地上が生命にとって安全になる迄——本書は、地球と生命の黎明を一本の時系列に貫き、一元化した一冊である。
先ずは海が出来る迄である。地球の冷却が進むに連れて大気中の水蒸気が凝結し、雨が降り始める。此の時の表面温度は約227℃。厚い二酸化炭素による温室効果下で維持され、水の沸点が高くなっていた為に液体水が存在出来た。やがて雨が降り止み、海が形成される。海が安定して存在出来る様になると、海底の割れ目から染み込んだ海水がマグマで高温となって噴き出す場所——熱水噴出孔から、最初の生物「LUCA(単細胞生物・有機体)」が誕生した。全ての生命の共通祖先である。其のLUCAから、バクテリア(真正細菌)とアーキア(古細菌)が分岐する。
生命が生き延びる為には、地球そのものの変化も要った。鉄やニッケルで出来た地球の核が流動し、鉄が磁石の様に働いて磁場を放出する様になると、荷電粒子を捕捉する「バンアレン帯」が形成される。太陽エネルギー粒子線(陽子・電子・α線・重粒子線・中性子線)と銀河宇宙線(陽子・α線・重粒子線)が地表に到達するのを、此れが防いだ。次いでアーキアから真核生物が分岐する。
そして酸素の時代が始まる。セリキトクロマチアが、二酸化炭素の還元を可能にする強い還元力を形成する光化学系Ⅰと、水の分解を可能にする強い酸化力を形成する光化学系Ⅱの二つを統合し、水を電子源として使う様に進化して、最初の光合成生物「シアノバクテリア(単細胞生物・原核生物)」となった。其れ迄水蒸気の紫外線分解でしか作られなかった酸素が、大量に作られてゆく。酸素は海中の鉄イオン——地球が形成された際の隕石に含まれていた物——と結合して酸化鉄となり、鉄鉱石として海底に蓄積され続けた。
光合成の代償は苛烈であった。二酸化炭素が減少した事で、日光により地表から熱輻射された赤外線が宇宙へ放射され易くなり、スノーボールアース(全球凍結)が発生してヒューロニアン(マクガニン)氷期が始まる。大半の生物が絶滅した。だが液体水が存在しなくなった事で岩石の風化が停止し、火山活動や生物活動から放出される二酸化炭素が消費されなくなった為、氷は再び融解して氷期は終わる。
本書の核心は、生命が他の生命を取り込む事で進化した「共生」の構造に在る。アスガルドアーキアから真核生物の共通祖先「LECA」が派生し、地球の鉄イオンが全て使い切られて海中で飽和した酸素が大気中へ放出され始めた頃、LECAは酸素を用いてエネルギーを作る好気性細菌アルファプロテオバクテリアを外部から取り込み、其れが「ミトコンドリア」として進化した。増加した酸素から遺伝情報を守る為、遺伝子を膜で包んで核を作った最初の真核生物「グリパニア」が現れ、更に真核細胞がシアノバクテリアを取り込む事で「葉緑体」が誕生する。そして上空の酸素が紫外線と反応し、成層圏に「オゾン層」が生まれた。有害な紫外線が吸収され、地上が安全になる——生命が陸へ上がる道が、此処で拓かれた。
登場事象
- 地球 紀元前4,542,998,000年頃、10個の原始惑星が衝突・合体して誕生。マグマオーシャンにより表面温度は約1,900℃に達し、メタン・アンモニア・二酸化炭素の原始大気が生まれた。
- LUCA 紀元前4,199,998,000年頃、海底の熱水噴出孔から誕生した最初の生物。単細胞生物・有機体であり、全ての生命の共通祖先。
- バクテリア 紀元前3,799,998,000年頃、LUCAから分岐した真正細菌。
- アーキア 紀元前3,799,998,000年頃、LUCAから分岐した古細菌。後に真核生物の祖先となる。
- バンアレン帯 紀元前2,699,998,000年頃、地球の核が流動し磁場を放出する様になり形成。太陽エネルギー粒子線や銀河宇宙線の荷電粒子を捕捉し、地表への放射線到達を防ぐ。
- 真核生物 紀元前2,499,998,000年頃、アーキアから分岐。後にLECAを経て多様な真核生物へと進化する。
- シアノバクテリア 紀元前2,439,998,000年頃、光化学系ⅠとⅡを統合し、水を電子源とする光合成を行う最初の生物として進化。大量の酸素を生成し、海中の鉄イオンと結合して鉄鉱石を海底に蓄積させた。
- LECA 紀元前2,099,998,000年頃、アスガルドアーキアから派生して誕生した真核生物の共通祖先。
- ミトコンドリア 紀元前1,999,998,000年頃、LECAが好気性細菌であるアルファプロテオバクテリアを取り込み、細胞内共生によって進化した細胞小器官。酸素を用いてエネルギーを生産する。
- グリパニア 紀元前1,869,998,000年頃、酸素から遺伝情報を守る為に遺伝子を膜で包み核を作った、最初の真核生物。
- 葉緑体 紀元前1,499,998,000年頃、真核細胞がシアノバクテリアを取り込む事により誕生した細胞小器官。
- オゾン層 紀元前999,998,000年頃、上空の酸素が紫外線と反応して成層圏に発生。有害な紫外線を吸収し、地上を生命にとって安全な環境にした。
本書が記録する出来事
- 原始惑星の衝突・合体とマグマオーシャンの発生 紀元前4,542,998,000年頃、10個の原始惑星が衝突・合体して地球が誕生した。此の衝突・合体により発生した熱エネルギーで地表が融解してマグマオーシャンが発生し、地球の表面温度は約1,900℃に達した。又、地球の内部から放出されたガスにより、メタン・アンモニア・二酸化炭素を主とする原始大気が生まれた、本書の発端。
- 水蒸気の凝結と降雨の開始 紀元前4,499,998,000年頃、地球の冷却が進むに連れて大気中の水蒸気が凝結し、雨が降り始めた。此の時の地球の表面温度は約227℃で、厚い二酸化炭素による温室効果下で維持された。又、水の沸点が高くなっていた為、液体水が存在出来た、本書の海の起源。
- 降雨の停止と海の形成 紀元前4,399,998,000年頃、地球の雨が降り止み、海が形成された、本書の生命誕生の舞台の完成。
- 熱水噴出孔でのLUCAの誕生 紀元前4,199,998,000年頃、海が安定して存在出来る様になり、海底の割れ目から染み込んだ海水がマグマで高温となり噴き出す場所である熱水噴出孔から、最初の生物「LUCA(単細胞生物・有機体)」が誕生した、本書の生命の起点。
- LUCAからのバクテリア・アーキアの分岐 紀元前3,799,998,000年頃、LUCAからバクテリア(真正細菌)とアーキア(古細菌)が分岐した、本書の生物界の最初の枝分かれ。
- バンアレン帯の形成 紀元前2,699,998,000年頃、鉄やニッケルで出来た地球の核が流動し、鉄が磁石の様に働き始めて磁場を放出する様になり、荷電粒子を捕捉して太陽エネルギー粒子線(陽子・電子・α線・重粒子線・中性子線)と銀河宇宙線(陽子・α線・重粒子線)が地表に到達するのを防ぐ「バンアレン帯」が形成された、本書の生命を守る地球の盾。
- アーキアからの真核生物の分岐 紀元前2,499,998,000年頃、アーキアから真核生物が分岐した、本書の複雑な生命への第一歩。
- シアノバクテリアの進化と鉄鉱石の蓄積 紀元前2,439,998,000年頃、セリキトクロマチアが、二酸化炭素の還元を可能にする強い還元力を形成する光化学系Ⅰと、水の分解を可能にする強い酸化力を形成する光化学系Ⅱを統合し、水を電子源として使う様進化して、海中にて最初の光合成生物「シアノバクテリア(単細胞生物・原核生物)」となり、酸素が生成され始めた。其れ迄水蒸気の紫外線分解でしか作られなかった酸素が大量に作られ、海中の地球が形成された際の隕石に含まれる鉄イオンと結合して酸化鉄となり、鉄鉱石として海底に蓄積され続けた、本書の酸素の時代の幕開け。
- スノーボールアースとヒューロニアン(マクガニン)氷期の開始 紀元前2,299,998,000年頃、シアノバクテリアの光合成によって二酸化炭素が減少し、日光による地表から熱輻射された赤外線が宇宙に放射され易くなった事により、スノーボールアース(全球凍結)が発生してヒューロニアン(マクガニン)氷期が始まり、大半の生物が絶滅した、本書の最大の危機。
- 氷の融解とヒューロニアン(マクガニン)氷期の終了 紀元前2,219,998,000年頃、スノーボールアースによって液体水が存在しなくなり岩石の風化が停止した事で、火山活動や生物活動から放出される二酸化炭素が消費されなくなり、スノーボールアースの氷が融解してヒューロニアン(マクガニン)氷期が終了した、本書の生命の再起。
- アスガルドアーキアからのLECAの誕生 紀元前2,099,998,000年頃、真核生物の共通祖先である「LECA」が、アスガルドアーキアから派生して誕生した、本書の真核生物の共通の起点。
- 大気への酸素の放出とミトコンドリアの獲得 紀元前1,999,998,000年頃、地球の鉄イオンが全て使い切られ、海中で飽和した酸素が大気中に放出され始めた。同じ頃、LECAが、酸素を用いてエネルギーを作る好気性細菌であるアルファプロテオバクテリアを外部から取り込み、其のアルファプロテオバクテリアが「ミトコンドリア」として進化した、本書の細胞内共生の始まり。
- グリパニアの誕生と核の獲得 紀元前1,869,998,000年頃、大気や海洋に増加した酸素から遺伝情報を守る為、遺伝子を膜で包み核を作った最初の真核生物である「グリパニア」が誕生した、本書の核を持つ生命の出現。
- 葉緑体の誕生 紀元前1,499,998,000年頃、真核細胞がシアノバクテリアを取り込む事により「葉緑体」が誕生した、本書の二度目の細胞内共生。
- オゾン層の発生 紀元前999,998,000年頃、上空の酸素が紫外線と反応して、成層圏に「オゾン層」が発生した。オゾン層は生命にとって有害な太陽からの紫外線を吸収する為、地上が安全になった、本書の終結点。
マグマオーシャン、LUCA、シアノバクテリア、ミトコンドリア──
生命の起源と共生の歴史を知る。
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