自律型致死兵器の禁止と
各国政府の職務怠慢を訴える
スチュアート・ラッセル
一元化
西暦2,014年、四人の科学者が一篇の寄稿で警鐘を鳴らした──
スチュアート・ラッセルが訴え続けた十二年を一元化。
JPY 320(税込)
購入する →
お支払いはカード情報の入力だけで完了します
購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します
お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。
本書について
西暦2,014年4月19日、ハフィントン・ポストに一篇の寄稿が載った。署名したのは、スティーヴン・ホーキング、スチュアート・ラッセル、マックス・テグマーク、フランク・ウィルチェックの4名である。表題を「超知能機械を巡る安易な楽観主義の克服」といい、短期の自律型兵器、中期の経済的混乱、長期のシンギュラリティという三段階でリスクを整理した上で、AIの短期的影響は誰が其れを制御するかで決まるが、長期的影響は其もそも制御可能なのかで決まる、と論じた物であった。本書は、此の寄稿を起点として、カリフォルニア大学バークレー校の計算機科学教授スチュアート・ラッセルが自律型致死兵器の禁止とAIの規制を訴え続けた十二年の歩みを、出典と日付を添えて年月日単位で一元化した記録である。
西暦2,015年1月2日、プエルトリコのサンフアンで「AIの未来:機会と課題」が4日間に亘って開かれる。報道関係者を入れず、チャタムハウスルールの下で議論は進められ、其の場でラッセルが起草した公開書簡と研究優先事項の文書が回覧された。同月11日頃、書簡はFLI(Future of Life Institute)によって公開される。署名者は11,251名以上に上り、ジェフリー・ヒントン、ヨシュア・ベンジオ、ヤン・ルカン、デミス・ハサビス、イーロン・マスク、スティーヴン・ホーキングらが名を連ねた。
同年7月17日、サイエンス誌のインタビューに応じたラッセルは、破局への道筋の中核に在るのは価値の不整合であるとし、核融合研究における封じ込めのように、人間の目的との整合をAI研究の中心へ据えるべきだと主張した。土木工学者が「落ちない橋を造る」とは言わない例を引き、何れ「恐らく有益なAI」と断らずに済む日が来るべきだ、とも述べている。
西暦2,016年11月2日、ラッセルとアラン・ダフォエは、ニック・ボストロムの「スーパーインテリジェンス」を批判したオーレン・エチオーニへ、MITテクノロジー・レビュー誌上で反論した。専門家は超知能AIを人類への脅威とは考えていない、というエチオーニの主張の根拠となった調査が、実現時期しか問うておらず脅威の有無を一切問うていない点を突いた物である。同日、エチオーニは3点について合意を表明した。
西暦2,023年、議論は学界の外へ出る。5月30日、「AIによる人類絶滅のリスクを軽減する事は、パンデミックや核戦争等と並ぶグローバルな優先事項であるべきだ」とするCAISの声明に、ラッセルはヒントン・ベンジオ・ハサビス・アルトマン・アモデイ・ゲイツらと共に署名した。7月25日にはアメリカ上院司法委員会「プライバシー・技術・法」小委員会の公聴会「AIの監督:規制のための原則」に立ち、現行システムの内部動作が不透明である事を安全性と規制の双方における深刻な問題として挙げ、規制機関の設立と厳格な安全要件を具体案として示している。
西暦2,025年1月31日、ニューズウィーク誌への論説で、ラッセルはディープシークの登場によって前提が崩れれば巨額の設備投資が無駄になると指摘し、AI関連株が1日で1,000,000,000,000ドル超を失った背景を論じた。巨大データセンターの建設競争を西暦1,960年代の水爆大型化競争に喩えた上で、AGI競争は其れより悪いとしている。翌月6日にはAFP通信へ、グーグル社がAIの兵器利用に反対する社員や世論の意向を押し切る形へ方針を変えた事に触れ、年齢・性別・民族・宗教、更には特定個人を条件に標的を殺害する運用が可能になり得ると警告した。そして西暦2,026年2月17日、ニューデリーのバーラト・マンダパムで開かれたAIインパクト・サミットにて、大手テック企業のCEO達が人類滅亡のリスクを伴うAI軍拡競争に陥っていると述べ、各社トップは軍縮したいと考えているが単独でそうすれば投資家に解任されるとした上で、民間企業に全人類を賭けたロシアンルーレットを許すのは職務怠慢だ、と各国政府の責任を問うた──本書は、其の全軌跡を一冊に束ねている。
本書が記録する出来事
- 西暦2,014年4月19日 ハフィントン・ポストへの連名寄稿 ホーキング・ラッセル・テグマーク・ウィルチェックの4名が「超知能機械を巡る安易な楽観主義の克服」を寄稿。短期の自律型兵器、中期の経済的混乱、長期のシンギュラリティという三段階でリスクを整理し、AIの短期的影響は誰が制御するかで決まるが長期的影響はそもそも制御可能なのかで決まる、と論じた。
- 西暦2,015年1月2日 プエルトリコ会議「AIの未来:機会と課題」 サンフアンで4日間開催。報道関係者を入れずチャタムハウスルールの下で議論され、ラッセルが起草した公開書簡と研究優先事項の文書が回覧された。署名者は11,251名以上に上り、ヒントン・ベンジオ・ルカン・ハサビス・マスク・ホーキングらが名を連ねた。
- 西暦2,015年1月11日頃 FLIによる書簡の公開 プエルトリコ会議で回覧された書簡が、FLIによって公開された。
- 西暦2,015年7月17日 サイエンス誌のインタビュー 破局への道筋の中核は価値の不整合であるとし、核融合研究における封じ込めのように、人間の目的との整合をAI研究の中心へ据えるべきだと主張。土木工学者が「落ちない橋を造る」とは言わない例を引き、何れ「恐らく有益なAI」と断らずに済む日が来るべきだと述べた。
- 西暦2,016年11月2日 MITテクノロジー・レビューでの反論 ラッセルとアラン・ダフォエが、ニック・ボストロムの「スーパーインテリジェンス」を批判したオーレン・エチオーニへ反論。調査の設問が実現時期しか問うておらず、脅威の有無を一切問うていない点を突いた。同日、エチオーニは3点について合意を表明した。
- 西暦2,023年5月30日 CAIS声明への署名 「AIによる人類絶滅のリスクを軽減する事は、パンデミックや核戦争等と並ぶグローバルな優先事項であるべきだ」とする声明。ヒントン・ベンジオ・ハサビス・アルトマン・アモデイ・ゲイツらと共に署名した。
- 西暦2,023年7月25日 アメリカ上院司法委員会での証言 「プライバシー・技術・法」小委員会の公聴会「AIの監督:規制のための原則」にて証言。現行システムの内部動作が不透明である事を安全性と規制の双方における深刻な問題として挙げ、規制機関の設立と厳格な安全要件を具体案として示した。
- 西暦2,025年1月31日 ニューズウィーク誌への論説 ディープシークの登場で前提が崩れれば巨額の設備投資が無駄になると指摘し、AI関連株が1日で1,000,000,000,000ドル超を失った背景を論じた。巨大データセンター建設競争を西暦1,960年代の水爆大型化競争に喩えた上で、AGI競争は其れより悪いとした。
- 西暦2,025年2月6日 AFP通信への発言 グーグル社がAIの兵器利用に反対する社員や世論の意向を押し切る形へ方針を変えた事に触れ、年齢・性別・民族・宗教、更には特定個人を条件に標的を殺害する運用が可能になり得ると警告。100ヶ国超が既に自律兵器に反対を表明している点にも言及した。
- 西暦2,026年2月17日 AIインパクト・サミットでの警告 ニューデリーのバーラト・マンダパムにて、大手テック企業のCEO達が人類滅亡のリスクを伴うAI軍拡競争に陥っていると警告。各社トップは軍縮したいと考えているが単独でそうすれば投資家に解任されるとし、民間企業に全人類を賭けたロシアンルーレットを許すのは職務怠慢だ、と各国政府の責任を問うた。
主要な登場人物
- スチュアート・ラッセル カリフォルニア大学バークレー校の計算機科学教授。本書の主役。西暦2,014年の連名寄稿から西暦2,026年のAIインパクト・サミットまで、一貫して自律型致死兵器の禁止とAIの制御可能性を訴え続けている。
- スティーヴン・ホーキング ケンブリッジ大学応用数学・理論物理学科研究部門ディレクター。西暦2,014年のハフィントン・ポスト寄稿にラッセルらと連名で加わり、FLIの公開書簡にも署名した。
- マックス・テグマーク マサチューセッツ工科大学物理学教授。ハフィントン・ポストへの連名寄稿者であり、FLIの公開書簡では問い合わせ先として名指しされている。西暦2,023年のCAIS声明にも署名した。
- ニック・ボストロム 著書「スーパーインテリジェンス」でAIの存亡リスクを論じた哲学者。被引用数トップ100のAI研究者への調査で、半数以上が存亡の破局の確率を15%以上と答えた結果を示した。
- オーレン・エチオーニ アレン人工知能研究所CEO。専門家は超知能AIを人類への脅威とは考えていないとしてボストロムを批判し、ラッセルとダフォエの反論を受けた。同日、3点について合意を表明している。
- アーヴィング・ジョン・グッド 数学者。西暦1,965年に、超人的知能を持つ機械は自らの設計を反復的に改良出来ると見抜いた。ラッセルが繰り返し引き合いに出す先駆者の一人。
- サム・アルトマン CAIS声明の署名者。AIが人類滅亡に繋がり得ると公に発言している経営者として、西暦2,026年のラッセルの警告の中で名指しされている。
- アシュウィニー・ヴァイシュナウ 第2代インド電子情報技術大臣。AIインパクト・サミットにて、今後2年で200,000,000,000ドル超のAI投資を見込むと述べた。
連名寄稿から上院証言、そしてAIインパクト・サミットまで──
自律型致死兵器の禁止を求める発言の全軌跡を一元化。
JPY 320(税込)
購入する →
お支払いはカード情報の入力だけで完了します
購入後、そのままPDFダウンロードページへ移動します
お支払いは決済サービス「Square」を通じて安全に処理されます。カード情報が当サイトに保存されることはありません。