片山安孝・井ノ本知明
原田剛治・小橋浩一
我等が「牛タン倶楽部」
一元化
予算、解任、押収、そして隠蔽――
知事を支えた四人の県幹部「牛タン倶楽部」を、出典と共に一元化。
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本書について
西暦2,024年、兵庫県政を揺るがした告発文書問題の中心には、知事を支える四人の県幹部が居た。片山安孝、井ノ本知明、原田剛治、小橋浩一――「牛タン倶楽部」とも呼ばれた此の四人である。本書は、西暦2,023年から西暦2,024年に掛けて、彼等が斎藤元彦兵庫県知事の下で果たした役割を巡る出来事を、告発文書・記者会見・百条委員会の記録等の出典と共に、年月日単位で一元化した記録である。
発端から、副知事片山安孝の存在は際立っていた。西暦2,023年11月、片山は、中小企業支援事業の予算見積もりを、県職員の積み上げを覆して大幅に増額させたとされる。翌西暦2,024年2月には、ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長二名の解任を、同機構理事長五百旗頭眞に通告した。其の直後の3月6日、五百旗頭は急性大動脈解離で急逝している。
西暦2,024年3月、西播磨県民局長渡瀬康英による告発文書が送付される。其の中で此の四人は、知事選挙を巡る事前運動や、論功行賞による昇任、贈答品や政治資金パーティーの差配等に関与したとして、名指しで告発された。文書が指摘した数々の不正の「実質的な実行者」「司令塔」として、繰り返し登場したのが片山安孝であった。
告発文書の把握後、四人は組織防衛へと動く。3月25日、片山安孝は井ノ本知明を伴って西播磨県民局を突然訪れ、渡瀬の公用パソコンを押収した。井ノ本は其のPCから情報を抜き取ったとされる。そして4月20日、優勝パレードの資金調達を担当した県民生活部総務課長橋本浩良が自死すると、片山・井ノ本・原田・小橋の四人は、其の死を秘匿し、同僚による遺児育英資金の集金を妨害したとされる。
だが、隠し通す事は出来なかった。6月に百条委員会が設置されると、四人は押収した渡瀬のプライベートなデータを持ち歩き、県OBや県議に見せて渡瀬を貶めようとしたとされる。やがて橋本の死の秘匿が県議会で取り上げられ、抗議が殺到する。片山安孝は7月末に副知事を辞職し、小橋浩一は降格、井ノ本知明も出勤しなくなった。本書は、一つの倶楽部の名で括られた四人の県幹部の振る舞いを――其の関与と、隠蔽と、退場までを――出典と共に一冊に束ねている。
本書が記録する出来事
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中小企業支援予算を
巡る軋轢
(2023年11月10日) 副知事片山安孝が、中小企業支援事業の予算見積もりを、県職員の積み上げを覆して100,000,000円から400,000,000円へ増額させたとされる。 -
副理事長解任の
通告
(2024年2月29日) 片山安孝が、ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長五百旗頭眞に、副理事長二名の解任を通告した。其の直後、五百旗頭は急逝した。 -
告発文書での
名指し
(2024年3月) 西播磨県民局長渡瀬康英の告発文書が、四人を、知事選挙を巡る事前運動や論功行賞による昇任等に関与したとして、名指しで告発した。 -
公用PCの
押収
(2024年3月25日) 片山安孝が井ノ本知明を伴って西播磨県民局を突然訪れ、渡瀬の公用パソコンを押収。井ノ本は其のPCから情報を抜き取ったとされる。 -
解任の
辞令
(2024年3月27日) 片山安孝が、渡瀬康英に西播磨県民局長職解任の辞令を手渡した。渡瀬は「証拠に基づいてきちんと判断して下さい」と伝えた。 -
橋本浩良の死と
その秘匿
(2024年4月20日) 優勝パレードの資金調達を担当した橋本浩良が自死。片山・井ノ本・原田・小橋の四人は、其の死を秘匿し、同僚による遺児育英資金の集金を妨害したとされる。 -
百条委員会の設置
と渡瀬の中傷
(2024年6月13日) 百条委員会が設置される。四人は、押収した渡瀬のプライベートなデータを持ち歩き、県OBや県議に見せて渡瀬を貶めようとしたとされる。 -
片山安孝の
辞表提出
(2024年7月12日) 片山安孝が、斎藤元彦に副知事辞職の辞表を提出した。片山は在職中に5度辞職を進言したが、斎藤は拒んでいたという。 -
遺児育英資金問題
の追及
(2024年7月17日) 県議会で橋本の遺児育英資金の集金妨害が追及される。小橋浩一は従来の姿勢を堅持したが、遣り取りがSNSで拡散し、抗議が殺到した。 -
小橋・井ノ本の
離脱
(2024年7月24日) 小橋浩一が体調不良を理由に公務を休み始め、自ら降格を申し出た。井ノ本知明も、此の頃から出勤しなくなった。 -
小橋の降格と
片山の辞職
(2024年7月31日) 兵庫県が小橋浩一の部長級への降格を発表。同日、片山安孝が副知事職を正式に辞職し、兵庫県副知事は一人体制となった。
「牛タン倶楽部」の面々
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片山安孝
(副知事) 一連の出来事の「司令塔」として繰り返し名指しされた人物。予算の増額、研究機構幹部の解任通告、渡瀬の公用PC押収等に関与したとされる。在職中に5度辞職を進言した末、7月末に辞職した。 -
井ノ本知明
(県民生活部長) 渡瀬の公用PCの押収に同行し、其のPCから情報を抜き取ったとされる。橋本の死の秘匿にも関与したとされ、7月頃から出勤しなくなった。 -
原田剛治
(産業労働部長) 知事の投票依頼行脚に随行したとされ、贈答品を巡る告発文書の記述にも登場する。橋本の死の秘匿に関与したとされる四人の一人。 - 小橋浩一 橋本の死の秘匿と遺児育英資金の集金妨害に関与したとされ、県議会でも従来の姿勢を堅持した。7月に自ら降格を申し出、部長級へ降格となった。
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「牛タン倶楽部」
という名 知事を支えた四人の県幹部を括った呼称。本書は、此の名の下に集った彼等の関与と責任を、年月日と出典と共に追う。 -
告発と
検証 渡瀬康英の告発文書と、地方自治法100条に基づく百条委員会の設置は、此の四人の振る舞いを白日の下に晒す契機となった。
関与、隠蔽、そして退場へ――
「牛タン倶楽部」を巡る出来事の全軌跡を一元化。
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